14.パインの変態
「ご主人様ごめんなさいいい」
俺のアイアンクローがパインを握りつぶす。
指の一部が体内にめり込んでいるが俺もスライムだ、パイン如きに溶かされることはない。
パインが人化・会話可能なことが発覚した。
原因は些細なことだった。
竜次の眷属が会話可能だと自慢していたから軽くケーキで釣ってみただけのこと。
「ふう…まあよかろう」
パインを開放してやる。スライムの癖に涙目だ。
「その姿はどうやって決めたんだ?」
パインの姿は金髪、胸はほどほどで身長は150cmくらいか。
髪の色はイエロースライムだから金髪で、顔は割と好みのおっとり系。
おそらく頭は良くない。もちろん偏見である。
「私の姿を決めたのはご主人様ではないのでしょうか?」
「ふえ?」
つまり、自分の記憶の中から適当に作られたのかな?
てっきり魔物ごとにイメージがあってそれに従うと予想していた。
機会があったら試してみよう。
「それはよしとしよう。何も問題はない。それよりなぜ報告しなかった?」
「え、それはその…」
「ん?何かあるのか?」
「えーと…」
面倒だが撫でながら子供をあやすようにゆっくり懐柔した結果、
待遇が変わるのが嫌だった、というオチだった。
会話できる知能があるとはいえ、まだ1年程度だもんなあ。
子供みたいなもんだ。
「パイン、姿が変わってもお前はお前だ。待遇は変えないから安心しろ。
会話相手が欲しかったから普段から人型でいろ。命令だ」
「は、はい!夜もそのままでよろしいでしょうか!」
「ああ、問題ない」
「夜のお相手も出来ます!」
「はあ?お前ちょっとその知識どこから入手した」
とんだマセガキである。
「そもそもパインはスライムだ。増えるには魔力を吸って分裂だろう。
交尾する必要はあるまい?」
「でで、でも気持ちいいって聞きました!」
「誰にだ?」
「ミコトです」
最近聞きたいことも無かったから呼び出ししていなかったが
そんなところで遊んでいやがったか。
犯人は見つかったな…どう〆てくれようか。
なお、自分としても知的好奇心があったためやってみた。うん、いいわけだが。
正直にいうと気持ちよかった。
キスは冷たく蕩けるようで(スライムだし)
肌はつるつるですべすべで(スライムだし)
腰はお互い絡みつき(物理的に)
溶けるような時間だった(本当に溶けていた)
やばいから週1に制限しないとな…
パインの教育も早急にせねば色々な意味でやばい。
次の日のダンジョンはイエロースライムがエロスライムになってた。
服だけ溶かすという高等技術を入手していたがあれはどうやってるんだ…。
犠牲になった獣人達は死んでこそいないが目が死んでいた。
脇道の奥の部屋に落とし穴トラップを設置し、落ちたドジな奴だけ行為の許可を与えることにする。
いいストレス解消になるだろう。




