prologue
連載はじめました。お話は年上の事務所社長とちょっぴり恋に臆病な女の恋愛になるまでのお話です。
第一章はWhen love comes offとは恋が落ちるときという意味です。恋にではなく、恋ががポイントです。
これは恋愛じゃない。
なぜなら恋愛にはなり得ないから。
だってこれは、私の一方的な恋だ。
‘恋’という単語を辞書で調べると、出てくる意味は
『特定の異性に強く惹かれること』
じゃあ‘恋愛’はというと…。
『特定の異性に特別な愛情を感じること』
そして、これが‘恋’と‘恋愛’の意味が大きく違うところ。
恋愛にはもう一つ意味がある。
その意味というのが、『男女が互いにそのような感情を抱くこと。』
そう辞書には記されている。
だからこれは恋愛じゃない。
あなたに好きになってもらえない私だけの思いであり、一方通行な恋。
‘恋’はたとえ叶わなくても思い続けることができる。
でも、‘恋愛’はあなたなしでは成立しないから。
あなたは知らない。こんな風にあなたを思っている私がいることを。
あなたが、私を部下として接するたびに感じるのは痛み。
なのに、それが悲しくもあり、うれしくもあるなんて。
部下としてでも優しくされるとうれしくて、勘違いしそうになるそんな思い。
今だって本当はあなたのことを独占したくてしょうがないって私が思ってることなんてしらないでしょ。
「社長。」
「どうした?」
「私……私、社長のことが好きです。」
「柳井、俺は……」
その言葉の続きは聞かなくてもわかってる。
社長が私を部下としか思えないことを。
あなたは私を絶対に見てくれない。
だからこれは私一人の恋で、絶対に恋愛にはならない。
だからこれは恋愛未満な恋でしかない。
恋と恋愛の意味については、大辞泉の意味を記しています。