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自分が薬の副作用で味覚障害になった時にノリで書いた話です。

短編なので気軽に読んでください。感想お持ちしております

「やぁ」

「おはよう」

彼は僕の大学の頃の友達。味覚障害を持っている。

「聞いてよ。今まで全く味のしなかったハンバーグを友達から一口貰ったら少し味がしたんだよね。」

「それはよかったね。どうだった?美味しかった?」

「それはそれは。君らがあたり前のようにその味を感じられているのが憎たらしくなるくらいにはね。」

「じゃあ今日は美味しいハンバーグを食べに行こうか。」




「先輩。」

「何?どうした?」

彼女は高校の時の部活の後輩。嗅覚障害を持っている。

「聞いてくださいよ。今日友達の連れてた彼女がつけてた香水がそれはそれは変な匂いがして。」

「ほー。どんな匂いがしたの?」

「うまく例えれないんですけどそれはそれは花の奥をずっとくすぐられてるみたいな。それでいて偶にくるどぎついのがそれはもう地獄で。」

「そうか。じゃあ今日は好きな匂いがどんなのか探しに行こうか。」





トントン

「ん?」

肩を叩いてきた彼は母方の従兄弟。聴覚障害を持っている。

昨日、外で人が路上でライブをしてて、その歌を聞いている人、がみんな気持ち悪そうにしてた。

「歌声が、変、だったの?」呟きながら手を動かす。

多分?でも私には、綺麗に、聞こえた。

「そっか。じゃあ今日は、好きな声を、探しに行こうか。」





「おい」

「なんですか?」

彼は会社の先輩。触覚障害を持っている。

「なんか最近、プッシュポンプだとかいうやつが流行ってるだろ?それって押してて何がいいんだ?」

「なんか押してて気持ちよくて、ストレス解消になるらしいですよ。」

「そっか。俺には一生わかんねぇ感覚だな。玉押して何がいいんだか。まぁそれならたくと喜んでくれるかな。」

「いいですね。帰りに玩具屋さん寄ってみましょうか。」





「ねぇ?」

「何?」

彼女は私の母。視覚障害を持っている。

「昨日、涼くんのお母さんに会ってね。涼くんもう子供できたんだって。孫の顔が見れてもう死んでも悔いないって言ってたわ。」

「そっか。」

「孫の顔なんて。私は今の息子の顔すらわからないってのにね。だったら私、一生死ねないじゃない。でも孫は欲しいの。抱けたら私泣いちゃうかも。」

「実は今、結婚しようと思ってる人がいるんだけど、会ってみない?」



五人集まったらどんな会話するのか。ほんの出来心から出来た疑問だった。それぞれに紹介したい人たちがいる。そう伝えてカフェに集めた。

全員を向かい合うように座らせて、一人一人紹介した。そうすると各々が軽く自己紹介とそれぞれのエピソードを話した。その後予想外のことが起こった。


でも結局は 私 が一番辛いですよ。


全員が同時に口を開いてそういった。そうなるとは思っていなかった。

各々がなぜか誇らしげに自分の辛かったエピソードを話している。



じゃあ…これはどうなるかな。

「ちょっと移動しましょうか。」

そう言いながら病院に案内した。

病室の扉を開けて奥にいる人の近くに案内する。

「久しぶり、僕です。」画面に打ち込む。

「君か。久しぶりだね。」画面にそう表示される。

彼は僕が入院してた時に出会った人物。味覚、嗅覚、聴覚、触覚、視覚障害者だ。

彼と話すには「脳に直接語りかけるすごーい機械」というものを使う。

打ち込んだり話しかけると彼の思考が返事として帰ってくる。

「何気まずそうにしてるのさ。さ、座って座って。」各々機械の前に座らせる。

「五人もこの機械に一斉になんて珍しいね。皆さん初めましてですよね。自己紹介をして頂いても?」

各々がそれぞれのやり方で自己紹介をしていく。

その中で一人があることを言った。

「流石にあなたには敵いませんけどね笑。」

そういうと確かにと少し笑いが起きた。

「はて?なんのことです?」

「さっき私たち不幸自慢してたんですが、あなたいたら無双してたなと思いまして。」

「そうかねぇ?」

「当たり前ですよ。」

「私はこの中で、一番幸福だと思うよ?」

「え?」五人は困惑していた。




「たとえば君たちが不幸だと感じる時はどんな時かな。

多分、それは何かを感じた時に、足りない感覚で感じたいと思う時じゃないかな?

美味しそうな見た目の物を美味しく味わいたい。

友達の匂いをいい匂いと感じたい。

家族の声を聞いて自分で話してみたい。

綺麗な景色に触れて感触を知りたい。

愛する人を一度でも見て感じたい。

感じたい。そんなふうに思うのは自分が感じているからでしょう。

でも私は元から何も感じない。だから何かを足りないと思ったことはない。自分を不幸だと言う事はない。

君たちとは違ってね。

幸福があるから不幸がある、ということを忘れてはいけませんよ。」

五人は動かなかった。

「だから私は、唯一出来ることである、話すことができて今、1番幸せだよ。付き合ってくれてありがとう。」

五人が機械に何かを打ち込むことはなかった。

私は変わらない彼に微笑んでいた。


自分が辛いと言った時になぜか不幸度で張り合ってくるやつ。いますよね。

そんな人は自分が恵まれてることに気づいていないのだと思います。

辛いと言うこと自体罪ではないし、色々あるのもわかります。でも恵まれているところもあるはずなのに、そこからは目を背けて、自分はずっと辛いだけと言うのは違うと思います。

辛いと言えてる時点で少しは恵まれている環境に気がついたほうが良いと思います。

でも特別誰かを貶したいわけでもないです。この話は、完全フィクションで思いつきで書いたので、実際違うこともあると思うし。でも嘘は書いてないです。まぁ少し思うとしたら

環境に甘ったれんなよ恵まれたくせに、とかですかね。

読んでくれてありがとうございます。

タイトルがないので考えてくれたら嬉しいです。

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