表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/5

市場とセレーヌ

前にコメント始めてくれた人がいて嬉しかったです!!

コメントしてくれたら嬉しいので、是非お願いします!!!

王子は、よく姿を隠して市場に遊びに行っているようだった。メリンダのもとを訪れる際は、大抵市場で買った奇妙なものをプレゼントしてくれた。


不思議な手作りの鏡や、変わった模様の石など、お金のかからない、変に愛着のわくものを持ってくる。



メリンダは、王子が持ってくる妙なプレゼントが嬉しくてたまらなかった。

しかし、メリンダは少し寂しい気持ちもあった。もしかしたら、王子がくれたプレゼントは、市場で出会ったセレーヌという少女と一緒に選んだものかもしれないと思うと、胸がギュッとなった。


ゲームでは、幼少期にセレーヌと出会って一目ぼれをしたと書かれていたが、一回だけしかあってないという設定だった気がする。

しかし、もしかしたらゲームの設定が変わって、頻繁にセレーヌと会ってるのかもしれないと勘ぐってしまうのだ。


会ってなくても、もしかしたら市場で彼女の姿を探しているのかもしれない。


私が、もやもやと悩んでいると、王子は気軽にメリンダに話しかける。



「ねえ。メリンダも市場に行こうよ!面白い場所なんだよ!」


「え、ええ。」


メリンダは、曖昧にうなずいた。





王子と、市場に行くのは初めてだった。王都は、華やかで貴族や王族が訪れるような場所もある。その一方で、王城から離れると一般市民が店や家を構える市場になっている。


メリンダたちは、市民の格好に着替えた。基本的には、市民にばれないようにお忍びで市場に出る。



準備を終えた王子は、メリンダを出迎えた。いつもの王子とは違い、ボロボロの服を着ている。メリンダがよくおしゃべりする庭師によく似た服で、シンプルなウールのシャツに頑丈そうな黒いズボンを着ている。王子は深く青色の帽子をかぶっていた。


帽子の下から、澄んだ綺麗な青い瞳がメリンダを覗いた。


「市民の姿も似合うね。」


王子は、優しく微笑む。


いつもより少し無邪気な気がして、メリンダは少しドキリとした。


「王子は、とても馴染んでますね。」


「そうかな?もう何回も言ったから馴染んだのかも。」


王子は、少しテンションがあがっているようだった。


「メリンダと一緒に行けて嬉しいな。面白いところなんだよ!変わった白いもちもちした食べ物があるんだ。」


メリンダは首をかしげる。


「もちもち?」


「行ったら案内するよ!」





王都のとある門を超えると、そこから先は市場になる。門から先は一定以上の地位がないと通れないようになっている。


その門を超え、しばらく馬を走らせると、下町のような活気のある市場が通りにずっと並んでいた。







「え、セリーヌ?」


王子は、驚いた様子だった。

少し脇道にある小さなパン屋の前で、かわいらしい少女が店に入っていくのが見えた。


メリンダは、その少女を見て固まった。





ゲームの主人公、セリーヌ本人だった。




私は、遠慮気味に王子を見る。王子は、驚いていて、そのドアの先をずっと見つめていた。



私の目線に気づいた王子が私の方見る。


「あ、ごめん。実は知り合いがいたんだ。」


「あ、あの、パン屋に入っていった女の子ですか?」


王子は頷く。


「そう。僕が初めて市場に遊びに出かけた時、お金を取られて困っている子がいて。その子を助けてあげたんだ。その代わりに色々、市場のことを教えてもらって。」


王子は、セレーヌを見つけたことに、嬉しそうな顔をしていた。


メリンダは、王子の袖をひっぱる。そして耳打ちした。


「もしかして、王子の好きな人だったりしますか?」



王子は、ギクッと体をこわばらせた。そして顔を真っ赤にしている。


「え、え。なんで?」



メリンダは、分かりやすいなと思った。そして、顔を真っ赤にしている王子にきゅんとする。

なぜ、王子が恋をしている姿にときめいてしまうのだろうか。




再びパン屋の扉が開くと、少女が大きなパンをもって出てきた。買い出しを終えたようでこちらに歩いてくる。


王子は、「行こうか。」とその場を離れようとしたが、少女は王子を見つけたようだ。



「あ、あれ?あの時の!」


少女は、王子を見つけると満面の笑顔で、こちらに走ってくる。

大きなパンを抱えて、必死に走ってくる姿は、メリンダがみても可愛かった。


「久しぶりね!」


セレーヌは、王子のことを平民だと思っているようで気軽に話しかけてくる。


「久しぶりだね。あの時は案内してくれてありがとう。」


王子は、なんだかんだありながらも、セレーヌと会えてうれしそうだった。


「なんで?こっちが助けられたのよ!お礼を言うのはこっちだわ!!」



セレーヌは、王子に挨拶をすると、こちらを向いた。



「まあ!かわいらしい子!!こんなかわいい子見たことないわ!!」



セレーヌは、人懐っこい笑顔で私の方を見る。どう考えても憎めない、純粋な笑顔にメリンダも心を許しそうになる。


「初めまして!!私セレーヌっていうの!」


メリンダも遠慮がちに挨拶をする。


「私は、メリンダ。よろしくね。」





セレーヌは、嬉しそうに王子とメリンダを見る。


「ちょっと待ってて!家近くなの!せっかく会ったんだし、二人を案内していい??」


メリンダは、セレーヌの勢いに引きながらうなずいた。


「え、ええ。」



次回、主人公ピンチに!

ブックマークしてくれたらうれしいです!!!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ