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【完結】雇われ勇者の薬草農園 ~チートスキルで薬草栽培始めます~【祝18万PV達成&123大賞4一次通過!!】  作者: 近衛 愛
第7章 ひとときの日常休暇編

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【雇用№98】リュウと幼児とお説教

「ねぇ、リュウ。ちょっと聞きたいいんだけど、いいかしら」


 地下で僕が一人で改装作業をしている時に、ふらっとティタニアがやってきて話しかけてきた。


「ティタニアか、改まってどうしたんだい?今一息ついている所だから大丈夫だけど。」


「ねぇ、私との約束の内容は覚えているかしら?」


「どの約束のことかいまいちよくわからないけど、覚えているよ。多分チルへの報酬のことかな?」


「ほっ、覚えているんならよかったわ。それで。いつするの?」


「そうだな。今はバタバタしているし、落ち着いてからになるかな?」


 ティタニアが頭に手を添えて「あっ、こいつダメだわ」って冷たい視線を送ってきている。


「はぁ~~~」


 ティタニアが盛大にため息を吐く。いや、僕そんなに間違えたこと言っている?優先事項で言えば、魔族襲撃に対する安全対策の方が上だよね。人の命がかかっているんだし。


「リュウ。ちょっとそこに座りなさい」


 ティタニアが小さな子供姿でもあるにも関わらず、威厳のある口調で地面に指をさし言ってきた。


「はい、座りました」


 僕は、土の地面の上に胡坐あぐらをかいて、言われた通りに座りました。


「なにやってんのよ。正座よ正座!!」


 ティタニアさんが切れて、怒鳴り口調で言い直してきました。


「はっはい」


 小さなお子様に怒られることで喜ぶようなドSの趣味はありませんので、ひとまずこれ以上怒らせないように従います。地面の上で正座なんて、産まれてこの方一度もないよ。いや、2~3歳児ほどの小さな子に、怒られること自体がまずありえないんだけど。


「リュウ。あなたなんで正座させられるか、わかってる?」


「いえ、分かりません」


「はぁ~~~~~」


 これでは、本当にチルが不憫だわね。私からの報酬でリュウに約束させておいてよかったわ。でも、こんな女心のわからない激ニブチンのどこがいいのかしらね?私は、女心のわかる白馬の王子様がやっぱりいいわね。


「リュウ。私は報酬は達成した時にすぐ渡したわよね。もし、私が渡さずに延々と1週間も2週間もしなかったらどう思ったのかしら?」


「それは、あ~こいつあれだけいいこと言っておいて、結局は払う気なかったんだろうな~とか、忘れているのか、どうでもいいと思っているんだろうな~って思ったと思います。」


「そうね。その状況を今あなたがチルにしていると言えば、わかりやすいかしら?」


 が~~~ん。いや、そんな積もりは全くないんだよ。ちゃんと時間を作って、いいものを見繕ってプレゼントして、デートプランをじっくり考えて、魔族襲撃が終わって一段落したらするつもりだったんだよ。いや、でも説明はしてないから結局は同じか。あれ?そうすると今回頑張ってくれたチルに対しての、僕からの報酬って一銭も出してないことになる?


 いや、でもあれは仕事の一環としては一環だし。仕事に対しては月一でちゃんと給料を支払うことになっているから問題はないよね。う~~、こんな時に愛ちゃんがいてくれたら、相談に乗ってくれるのに。


「どうやら自分のしている状況が理解出来たようね。じゃ~どうすればいいかは分かっているわね。」


「ええ、はい分かっております。約束を達成すればよいのですよね。でも、近日中はデートは無理なのでありますよ。」


「ねぇ、リュウ分かったんならさっさとやる。でももしかしもないんだよ。」


「いえ、聞いて下さいティタニア様。僕もチルには報酬やご褒美を上げたいと思っております。でもですね。現状次の魔族襲来はこの1週間の内に来るでしょうし、そうなるとチルとデートして楽しんでもらったとしても、その時に魔族が襲撃してきたら、せっかくのデートが台無しになって、逆に悲しくなってしまいませんか?

 それに、その襲撃が起きた時に僕がここにいないと、ウェルザさんやモニカちゃんが危ないと思っています。セバリンさんなら自衛出来るので大丈夫でしょうが、それでも2人を護衛出来るほどの余力はないと思いますので。」


「なるほどね。リュウの言い分は分かったわ。でもそれで、じゃ~いつなら出来るのかしら?それに終わったら終わったで、次は魔霊樹討伐の準備でバタバタするんじゃないのかしら?それに、魔族襲撃でチルがまたあなたを助けてくれたら、あなたはどんどんと溜まっていく報酬をどうする気なの?」


「そっそれは…………。返せるタイミングで少しずつ返して行こうかと。」


「はぁ~~~~。リュウあなたね~。お金を借りました。いつ返すのって言われて、余裕が出来たら返しますって言う人にお金を貸す人がいると思うの?」


「いえ、おりません。仲のいい人なら支援的な意味ではありですけど…………。」


「そういうことを聞いているんじゃないわよ。お金を借りる時は『いついつまでに返済します』、でするわけよね。銀行なら利率や担保を預かって。それで一括で難しいことがわかっているから、月々いくらずつ返済して、2年や3年かけて返済するってケースが多いわよね。」


 なぜ、ティタニアさんが銀行や融資に関しての知識がおありなんでしょうか?若干日本の知識も混ざっているような…………。


「ちょっとリュウ聞いているの?」


「はいっ。聞いております。確かに予定をちゃんと決めて、少しずつ返済して言ってます。」


「なら、計画を立ててそれを私に言いなさい。でもとしかしは聞きません。」

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