【雇用№91】薬儒の森からの帰還
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ようやく森を抜けることが出来た。
「さぁ~後は、リヤカーに乗ってビュンビュン走っていくぞ。」
僕とチルがリヤカーに乗りこんだ。リヤカーの上には荷物にさらにボス熊の死骸が載っている。うん、これ以上のスペースがないな。
「ウリ走って着いて来れるか?」
『ぷぎゅ~~~』
「問題ないって言ってるわよ。私はウリの上に乗っていくわね。」
「ちょっとリュウ兄ちゃん。このまま街に着いたら。ウリが討伐されるんじゃない?魔物と対して外見が変わらないよ。それにティタニアちゃんもその姿だと、人に見られるんじゃないのかな?」
「そっ、そうだよな。なにかわかりやすいものを、ひとまずは、白い布を首に巻き付けて対応しよう。先に僕らが着いて説明する事でなんとか対応しておきたいな。ティタニアはどうなんだ。完璧に人の目から隠れるのか?その服はチルの服だろ。服だけ浮いているように見えるのか?」
「そう言えばその問題があったわね。う~~ん。モニカちゃんとウェルザさんに確認してからでないと厳しいわね。体調は完全回復しているから、問題ないとは思うんだけど。私もそっちに乗ることにするわね。」
「ティタニアちゃん。いらっしゃい。私の膝の上なら大丈夫だよ。羽根さえ隠していれば、そう簡単に妖精だとはばれないよ。一応、毛布で体を隠しておくわね。後、熊もなんか言われると嫌だから隠しておくわね。」
「ええ、それでお願いするわ。う~~ん、でかくなった弊害よね。服は着れないし、チルのカバンにも身をひそめられないし。ちょっと動きづらくなったわね。」
「よし、じゃ~気を取り直していくぞ。『空飛ぶリヤカー』」
浮いたような気はしたが、実際は地面についたままである。
「あれっ、浮かばない?でも前には進んでいる?あ~~リヤカーが重くなったために浮かばなくなったのか。」
「ねぇ、リュウ兄ちゃん。それって私が太ったって言いたいの?」
チルが怒気をはらんだ声で聞いて来る。
「リュウ。私のせいで重量オーバーしたと言いたいのかしら?」
ひんやりとした声でティタニアも詰め寄ってくる。
「いやいや、二人ともそんなことはないよ。二人はきっと来るときとまったく変わらないさ。ほら、行きと帰りで違うものがあるだろ。ボス熊だよ。これがきっと重すぎて、『空飛ぶリヤカー』の浮力以上になってるんだよ。だから」
『浮遊』
リヤカーが上に浮かび前にサクサクと進みだした。
「ほらね、君たちのせいではないよ。でも言い方が悪かったね。ごめん」
「もうわかったわ。でも次同じ用な発言をしたら分かっているよね?リュウ兄ちゃん?」
「わかってるわよね?リュウ?」
「ええ、わかっておりますとも。」
その場をなんとか納めて、先に進んだ。雑草は先一昨日刈ったばかりなので『ウィンドカッター』の出番はなかった。
さて、そろそろ街に近づいてきたから、『解除』とリヤカーから降りて、リヤカーを引きながら歩いた。降りたのは僕だけで、チルとティタニアはそのまま乗っている。ウリには所有権がわかりやすいように、紐で僕と繋げてある。これで文句を言われることはないだろう。
「おいちょっと、そこのリヤカーの人止まってくれ」
「はい、お疲れ様です。門兵さん。中に入ってもいいでしょうか?」
「その魔猪はお前のものか?」
「ええ、薬儒の森で子供を捕まえたので、うちで飼育しようと思って連れてきました。」
「なるほどな。うん、大人しいようだし、入っていいぞ。ただ、街で魔獣を買う時は、役所への届け出が必要だから、後で登録してきなさい。」
「はい、ありがとうございます。」
「さ~街の中に入ったし、懐かしの我が家へ向かいますか。」
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