【雇用№008】雇われ勇者 初クエストはバイトです。薬草拾いはお手の物
朝起きると、隣にはチルが寝ていた。昨日は、かなり夕食を食べた後、二人で部屋にいって夜通し話してたんだっけ。
女の子と二人で夜しゃべるってしたことなくて、何か起きるんじゃないかとドキドキしてた。
うん、何も起きなかった何も。期待はしてたよ。ちょっとだけ。でも、僕には愛がいるから。
「ふぁ~、おはようございます」
「リュウさん。おはよう。眠そうですね。今日からガンツさんとこでバイトなんでしょ。そんなことでどうするんですか?宿にこれから泊まるためにも、頑張って働いてきてくださいね。」
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「ガンツさん。おはようございます。リュウです。今日から宜しくお願いします」
「よく来た。リュウよ。やってもらいたいことは、昨日も言ったが色々ある。うちは雑貨屋ではあるが、実の所なんでも屋みたいなとこもある。うちで販売しているポーションは、ここだけの話でもないが、俺が錬金術で作っている。昨日の襲撃で、ガンツ特性ポーション。別名ガンツナインもストックがなくなってな。定期的に城と役所に納める必用あるんだが、そのストック分も使ってしまって、在庫がなくなってんだわ。ひとまずうちとしては、ポーション作りをする必要がある。そのためには、薬草の採取と清流水の準備とポーションの作成を行う。」
「リュウには簡単な。薬草の採取をお願いする。薬草は町を出て、道沿いに行ったとこにある、薬儒ノ森に生えている。欲しいのは、アップルミント草、ローズマリー草の2種類だ。アップルミント草で、初級のポーションをローズマリー草で中級のポーションを作ることが出来る。形はだな。在庫が切れてて現物がないんだが、こういうのだ。」
と地面に薬草の絵を描いていく。
「わかりました。こういう感じの葉っぱを集めてくればよいんですね。ところで、薬草は採取だけなんですか?どこか町の中で栽培してたりはしないんですか?」
「わざわざ、森にいけば、生えているものを自分で作るやつはおらんだろう」
「なるほど。(畑を作って、そこで育てた方が簡単なんだけどね) 試しに育ててみたいので、袋か何かありますか?」
「あー、採取籠は背負い用のものがあるし、それを使ってくれ。布袋は、薬草採取では使ってないんだ。いるんなら、売るぞ。」
「あっ、なら下さい。小さいシャベルもあれば、それも料金はバイト代から引いといてください」
「よしでは行ってこい。リュウよ。道中はスライムだけだし、問題ないだろう。森の奥には入るなよ。浅いとこだと魔物は出ないが、奥にいくと魔猪やら魔熊がでるぞ。昨日の戦いっぷりだと、相手にならん。絶対に入るなよ」
「わかりました。んじゃ、籠借りていってきま~す。」
雑貨屋を離れて、次は武器屋へ。昨日の戦いでわかった。僕の魔法はまだまだ魔物に通用するレベルじゃない。スライム相手でも戦闘は出来るが、時間がかかりすぎる。武器が必要だ。
「ごめんくださ~い」
「は~い、あっ、リュウ兄ちゃん。来てくれたんだ」
「マインちゃん。おはよう。ちょっと武器を見に来たんだ。森に行くんだけど、いい武器あるかな?」
「森だと、道中はスライムで稀に魔猪でるんだよね。リュウ兄ちゃんだと。筋肉なさそうだし、剣とかだと重くて、持てそうにないですね。なら、確か、マインがこないだ作ったやつが……あったあったです。これでどうですか?マイン・ザ・ブレイド。精霊樹の枝で作った、木剣です。1.5mの長さで、振り回せる代物です。金属じゃないので、そんなに重くはないですし、武道の心得のない人でも中距離からの攻撃なら安心なんですよ。」
「うん、確かに非力な僕でも持てるし、扱える。それに、堅い、そして、しなる、いい木を使ってるんだね。これがいい。いくらになる?」
(でもマインちゃんこれって長刀じゃないのかな?)
「はい、リュウ兄ちゃんお買い上げありがとうなのです。精霊樹の武器はちょっとお値段高いのです。でも、金属製よりかは安いので安心して下さい。お値段は、20万ループです。ちなみに鉄剣だと、30万ループなのです」
「げっ、意外といい値段する。命には代えられん、木の棒だと、スライム相手だと、短くてしゃがまないとだめだし。うん、これにする。はい」
お金を渡す。所持金が60万ループを切ってしまった。
「ありがとうなのです。リュウ兄ちゃん頑張ってなのです」
そう、ゲームなら鉄の剣を装備して、無双できるはずなのに、現実世界では無双するためのお金が大量にいるのだった。
近況報告で雇われ勇者の第一回人気キャラ投票を行ってます。
お気に入りのキャラとあのシーンやあのセリフを募集してます。
もし、そのキャラが1位だったら、ストーリがまた変化するかも知れません。
うちのストーリは、キャラクターが勝手に動いて作ってるよ。
なので、1位のキャラの動き次第では、大きくストーリーが変わることもあり得ます。
ストーリーを動かすのは、読者の皆様かはたまた作者の私か、それともリュウなのか?