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【完結】雇われ勇者の薬草農園 ~チートスキルで薬草栽培始めます~【祝18万PV達成&123大賞4一次通過!!】  作者: 近衛 愛
第6章 精霊樹の苗木編

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【雇用№73】薬儒の森 中層3 猪たちとの和解

 気落ちしたのを持ち直して、僕らは敵対関係ではなくなったので、『浮遊』を解除し地面に降りた。


 大猪が『ぷぎゅぷぎゅ』鳴きながら、他の猪たちに僕たちのことを説明してくれたので、戦闘は完全になくなった。それでも戦闘した事実は変わらず、僕たちは猪たちを傷つけてしまったので、最低限体調が戻るように、近くにある薬草を摘み、即興でポーションを作成し、傷ついた猪たちに飲ませてあげた。色々と使った魔法の効果はチルに頼んで解除してもらっている。


 一番解除が大変だったのが、木と木の間に張った蜘蛛の巣状の魔法だ。猪が空中に浮いているので、解除するとそのまま落下してしまうんだ。土ブロックを生成し足場を作って、ブロックの上面を柔らかくしてから、解除し安全に猪を助けた。


 傷が治ると、猪たちは感謝の印なのかぷぎゅぷぎゅ』鳴きながら、首をこすりつけてきた。


 いや~こうしてみると、家猫みたいで可愛いかもしれないな。


 全部の猪の治療が終わって、僕たちは先へ進もうとすると大猪が


『ぷぎゅぷぎゅ~~~ぷぎゅぷぎゅ~~~ぷぎゅぷぎゅ』


 と鳴いてきた。何かを伝えようとしているのだが、さっぱりわからない、翻訳家の先生に視線を送った。


【私達から攻撃をしたのに、殺しもせず。また傷ついた私達を治療してもらってありがとう。この恩を私共は是非お返ししたい。うちでそれなりではありますが、おもてなしをしたいので、是非うちに寄って行って下さい。】


 と言ってるわ。ティタニアさんが通訳してくれた。お仕事しているティタニアさんってかっこいいです。


「あ~お誘いありがとう。でも、僕たちは先を急いでおりますので、お心遣いは大変嬉しいですが今回は辞退させて頂きます。」


『ぷぎゅぷぎゅ~~~ぷぎゅぷぎゅ~~~ぷぎゅぷぎゅ』


【そんなことをおっしゃらずに、このようなことをしでかし、助けてもらったのに、何もせずに帰してしまったら、妻に叱られてしまいます。どうか私を助けると思って。あと、どちらに向かうつもりでしょうか。】


 これまでの経緯を簡単に大猪に説明する。


『ぷぎゅぷぎゅ~~~ぷぎゅぷぎゅ~~~ぷぎゅぷぎゅ』


【そうでしたか。そこは元々は我らが住んでおり、守護していた場所であります。今は別のものが襲撃してきたので、こっちの洞窟に避難しているのです。恩人をそんな危険に行かせるわけには行きません。行くのであれば、私もお供しましょう。】


「リュウ。こう言っていることだし、お言葉に甘えましょうよ。お昼も食べずに通訳ばっかりしてたら、喉が渇いてきたわ。もう連れて行ってもらいましょう。森を知っている人?に案内してもらった方が安全よ。一応この一帯のボスのようだし」


「そうだね。このまま話しているよりかは、お邪魔してご飯食べてさっくり出かけた方がいいね。通り道でもあるから」


「では、大猪さん。お言葉に甘えてお願いしますね。」


『ぷぎゅぷぎゅ~~』


 そうして僕たちは、大猪を先頭に他の猪に囲まれながら、彼らの住み家である洞窟まで足を運んだのであった。道中はボスが歩いているためか何事もなく進んだ。


 着くとそこには大きな猪2匹と、小さい猪10匹ほどがいて枯草の上で寝転がっていた。こっちを見て、警戒しようとするところ、大猪が『ぷぎゅぷぎゅ~~』と鳴いて、敵意がないことを知らせ、臨戦態勢にはならなかった。


 その後は、大猪が洞窟にいた猪たちと『ぷぎゅぷぎゅ~~』と話している。ティタニアは疲れているのリヤカーの上で寝転がっている。久しぶりに仕事をしたと思ったら、もうダレている。こいつ、こっちが本性だな。


 話し合いが終わったと思ったら、ピンクがかった猪が洞窟の奥より、果物をいくつか持て来てくれた。どうやら僕達に食べてくれということらしい。


 僕達はせっかくなのでそこで果物を食べながら、ちょっと遅い昼食を食べた。僕達の食べているお弁当が珍しいのか、子猪がやってきて、『ぷぎゅ』『ぷぎゅ』って鳴きながら首を傾げている。


 いやなにこれ、めっちゃ可愛いんだけど、毛並みもふわふわだし、これが噂のもふもふってやつなのなだろうか。もうね、僕も可愛いものに目がないので、おそるおそる手をのばし、子猪も後ずさりしなかったので、そのまま撫でた。


 うわなにこの触り心地。すんごくいいんだけど。ふわっふわっもふっもふっ。思わず子猪のお腹にほおずりしたくなってきてしまった。大猪の時は何も思わなかったのに、子猪おそるべし。動物の子供とはなんと保護欲をそそられて可愛いものよ。


 ちょっと可愛くなってきたので、お弁当を少し上げたら、おそるおそる口を近づけ『パクッ』と食べた。美味しかったのか。顔を上にあげて、僕を一瞬見つけてから、残りを凄い勢いで食べだした。なくなると『ぷぎゅ~~~~~~ん』って、可愛らしい声で鳴いた。


 それをみたピンクの猪が『ぴぎゅっ』っと、ピリピリした雰囲気をまとい乍)なが)ら鳴いた。どうもお客さんとして歓待しているのに、お客様のご飯を所望するとは何事ですか?と叱っていたようだ。


 ピンク色の猪は案内してくれた大猪の奥さんだったようだ。確かに子供相手にこの勢いなら、さっきの不始末を、なんのお返しもせずに帰したとあっては、こっぴどく叱られただろう。しかも、大勢の猪がいる前で。群れの長としては、そんな醜態しゅうたいさらせないだろう。


 大猪を見ると、『分かってくれた』かとばかりに首を縦に振っていた。男は人も動物も関係ないんだな。女の尻にしかれる運命なのかと思ってしまったよ。愛ちゃんも、しっかりと道理に合わないことをしたら言ってくるので、大猪の奥さん以上に怖いかもしれないな。


 でも、叱ってもらえると、あ~大切にされているんだなって感じるんだよね。いや、僕はMでもまぞでもないからね。至ってノーマルな男だよ。

お読み頂きありがとうございます。


少しでも面白い、続きが読みたいと思いましたら、

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リュウを地球に一刻も早く愛ちゃんのとこへ戻すために皆さんのパワーをお貸しください。

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