【雇用№051】雇われ勇者 眼鏡と魔法その1
【新作】始めました。
雇われ魔法少女と魔法創生になります。
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こちらも是非読んでみてくださいね。
翌朝起きて、段取りを3人に話して動いてもらった。
本日の魔力の確認はこういう測定結果になった。
ウェルザさん:2→15→18
モニカちゃん:6→8→9
チル: 6→15→20
僕: 103→337→340
うん、この結果を見ると、微妙ながら、上昇しているような気がする。明日も確認してみて、この調子で上がっていけば、間違いなく、魔猪の肉が魔力に効果があるとわかる。しかも、男女、年齢、関係なしにだ。この情報はかなりでかいぞ。
僕はというと、眼鏡をどうするか考えていた。
メガネ超重要です。これの代替する方法をどうにかしないと、命取になりかねないのです。自室で考えごとをしていたのですが、そこにはチルもポーション作りの作業をしているのです。
「う~~~ん。困ったぞ」
「リュウ兄ちゃん。さっきから、何をそんなにじっとして考えてるの?」
「うん、それはね。チル、このメガネをどうやって、交換部品?代替品を手に入れるかってことを考えていたんだよ。」
「へ~眼鏡って、私もリュウ兄ちゃんで見るのが初めてだから、どこで扱っているか知らないよ。ていうか、それがないとどう困るの?なにか意味があってかけてたの?」
「あ~~うん、そうだね。これがないとこの位置でも可愛いミリィの顔がぼやけて見えないんだよ。」
「リュウ兄ちゃん。二人っきりの部屋で可愛いって……。」
リュウには聞こえない小さい部屋でチルが顔を赤く染め乍ら、つぶやく。
「でも、ぼやけるって、どういう意味?」
「う~~ん。そうだね。例えば。今僕を見てるけど、くっきりはっきりわかるだろう。これがみんなが見ている普通の光景なわけだ。」
「うん」
ペットボトルに水を入れたやつがあれば、分かりやすいんだが……。
あっ、水があればいいから、魔法で浮かせてればいいのか。
『ミネラルウォーター』
ちょっと水球状態ではなく、薄い円盤状に形状を変更して、僕とチルの間を遮るように展開する。このとき凸レンズのように、真ん中をちょっと膨らませて設置してある。僕もこの数週間で、器用になったものだな。
「ほら、こうして水を通してみると、僕からはチルの姿がゆがんで綺麗な形状で見えなくなっている。チルからも僕の姿がいつもと違って見えるだろう。」
「ホントだ。この水面?を通してみると、リュウ兄ちゃんクネクネして、変な姿勢なのに、ちょっと位置をずらしてみると、いつも通りに見えるよ。不っ思議~~~」
「で、僕がこの眼鏡を外すと、そのもっと酷くて、この距離でも顔が判断できなくなる位に歪むんだ。」
「あ~~それは、大変だね。モノの位置や人との挨拶なんかも影響でてきて、生活が厳しそうだね。」
「うん、そうなんだ。それでちょっと困っててね。どうやって、この眼鏡の代用を作ろうかと。」
「えっ、でもリュウ兄ちゃん。今みたいに魔法でしたら、見えるんじゃないの?だって、これ通してみたら、歪むんでしょ。反対のことをしたら、出来るんじゃないの?」
「えっ、うんっ、そうなのか?必ずしも、ガラスやプラスチックでする必要はなかったのか?確かに、これでレンズの代用で屈折率を変更出来るのであれば、理論上は可能だな。おっ、これは解決の兆しが見えてきたぞ。」
と言って、感動のあまり僕はセクハラのことは頭の片隅にも残らず消えて、チルの手を握り、肩を抱き締め、チルの背中をバンバンと叩いていた。
「ありがとうチル、君のおかげで、僕の悩みが一瞬で解決したよ。君は僕の幸運の女神様だ~~。よ~~し、次の戦闘まで時間がないし、それ以外でも壊れたら、魔法の実験もやりづらくなるから、今から頑張ってやるぞ~~~~」
と言って、自室から飛び出し、居間の方へ僕は走って行った。
「リュウ兄ちゃんと抱き合っちゃった。幸せ。幸運の女神…。」
「えへっ、えへへへっ」
チルは見事に「セクハラ」の言葉を発することもなく、脳がトリップしてしまったようだ。そのことに気付かないリュウは全くもって、残念な男である。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
居間に来て、ウェルザさんやモニカちゃんが外にいるのも忘れて、ユーザーインターフェースを召喚し、プログラムコードを呼び出していた。
まずは、『ミネラルウォーター』のコードを『CTTL+Aで全選択』し、『CTTL+Cでコピー』して、で別の標準モジュールを立上げ、そこに『CTTL+Vで貼付け』ると。で中の『ミネラルウォーター』のスペルを『輝け、僕の眼鏡』に変更と。
さてこっからが本番だぞ。
まず、形状の指定と大きさを現状のレンズのサイズになるように、寸法値を固定に変更して、いちいち全部変更するのは手間だから。
変数を『Megane-L』,『Megane-T』に変更して、これに値を代入すると。で、作成するのは同じ形状のものを二つ。使用者の目の前の位置、約50mmになるように設定してと。おお~~っと、今は試作で行うから、50mm手前だと確認がしづらいな。
なら30cmにしておこう。魔法の持続時間は、途中で消えたら困るから、発動してから12時間は継続にしてと。強制解除の呪文は、『消え失せろ、僕の眼鏡』にしてと。
よし、これで多分出来るはずだ。
『輝け、僕の眼鏡』
「お~~出来た。水のレンズだ。」
これを覗いて見ると、あれ、いつもとあんまり変わらないな。
『消え失せろ、僕の眼鏡』
で解除してと。
んっ、あっ、そうか、薄い円をそのまま作ってしまったのか。これって、凹レンズにする必要があるから、結構入力が難しいんじゃないか。直径と厚みだけの入力だけでは、凹レンズの形状の指定は出来なかった。となると、中学の数学か高校の数学の内容になってくるな。
2次関数で曲線が描けるから、それで微調整していくか。いやいや。それだとどれだけ実証に時間がかかるか、わからんぞ。となると微積分をfor文とif文を使ってなんとか、半円球を直径と、厚みを指定して作成し、それを反転さえせてくっつけたら、それっぽい、凹レンズの形状になるっぽいな。
よ~~~し、なんか知らんけど、調子がのってきたぞ。
それからは、数式をプログラムで表現し、厚みを変更しながら、自分の現在使用しているレンズの視力に近づけていくの繰り返しの作業を行っていた。
「よし完成だ。」
「ガチャン」
と自宅の玄関の扉が開いた。
「あら、リュウさんお疲れ様です」
ウェルザさんが、ちょうどお昼の準備をしに入ってきた。
「で、何が出来たんですか?」
「はい、眼鏡が出来たんです。これですよ。これ。『ミネラルウォーター』の形状を変更に変更を重ねて遂にできましたよ。この水レンズが。」
ウェルザさんは、何を言っているかわからなかったが、
「それは、よかったですね。ではお昼の準備しますね」
と言って、調理場の方へ向かっていった。
「え~~もっと聞いてくれてもよかったのに……。うん、ちょっと待てよ……。あっ、まずい。何も考えずに居間でユーザーインターフェース召喚して、延々と魔法の改良を行ってたよ。でも、ウェルザさんの様子だと気付いてないみたいね。」
僕は、その姿を見てほっと肩をなでおろした。危ない危ない。もっと自宅だからって気をつけてやらないと、いつか、スキルも勇者の存在もバレテしまうぞ。そうなると、今の生活なんてとてもじゃないけど出来なくなる。
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リュウを地球に一刻も早く愛ちゃんのとこへ戻すために皆さんのパワーをお貸しください。




