【雇用№045】雇われ勇者 現地民の魔法の学び処その2
家に帰るともうお昼だったようで、ウェルザさんはお昼の準備をしていた。
「ただいま~ウェルザさん、ちょっと聞きたいことあるんですが、後の方がいいですかね?」
「リュウさんごめんなさいね。ちょっと今準備で忙しいからお昼ごはんの時か、その後でお願いします。」
「わかりました。」
お昼ごはんが終わった。ちなみにお昼は醤油がないけと、猪の生姜焼きだった。うん、美味しいけど、日本の味を知っている僕にはちょっと物足りないな……。
「ご馳走様でした」
「お粗末様でした」
「で、なんですか?私にお話ってリュウさん?」
「それはですね。お医者さんや教会にウェルザさんに知り合いの方っていますか? それと魔法で、照明に使用したりするものはありますかね。ウェルザさんの知っている魔法を教えてもらえたらと思います。」
「えっ、お医者様と教会ですか?ええ、主人が存命だったころ色々とお世話になってましたよ。それが何か関係あるのでしょうか?」
ほっとする、リュウ。なんか新しいことを探す時って、あっち行ったりこっち行ったり、たらい回しにされてる気がするんだよね。知っている人がいて、よかったよ。
図書館があって、そこで魔法に関する本が並んでいればサイコーなんだけどな……。あっ、本を借りるんじゃなくて、買えばいいのか。どこだろう雑貨屋さん?
いやダメか。そもそも紙をどうしようって、考えて探している所だから、本なんて仮に売っているとしても、上流階級相手の商館か……。それも金額は今の僕でも手に入らないくらいになるんだろう。
「教会とお医者様の件に関しては、今後魔族の襲撃が再びあった場合に備えてと言ったところです。もし、そこでポーションみたいに体を治したり、病気を治癒したりする回復魔法があれば今の内に取得したいと思ってます。」
「お医者様に関して言えば、その回復する魔法っていうのは、使えません。私も何度か風邪を引いた時にお世話になってます。その時は、口頭で診断して、手持ちの薬草を処方するという方法を取られていましたので……。教会に関しては、もしかしたら神父様でしたら、ご存知かもしれません。私も知り合いがいるとは言っても、女神フェリシア様に祈りを捧げるのに週に一度訪問してるだけなので……。
神父様に関しては、上流貴族の方ではないとアポイントも難しいと思いますよ。この大陸で唯一の神父様なので。私の旦那は元下級貴族でしたので、そこまでの繋がりはありませんね。」
「そうですか。色々と偉い人は会いづらいもんですね」
世の中大きくなればなるほど、伝手、コネ、金の3拍子が必要なのはどこの世界も一緒か。
「再来週くらいに、薬儒の森に行く用事がありましてですね。森の奥って、日がたくさんの木の葉によって、遮られるから暗いじゃないですか?森の中でカンテラを使ってもよいのですが、万一のことを考えると、安全に魔法で灯りが出来たらいいな~と思いました。それで、その魔法を知っている人を探してたんですよ。他にも色々魔法を知っていたら、教えて欲しいと思ってます。」
「私も使える魔法はそんなに多くないのよね。魔力があまり少なくて使えないから。『ポケットライター』『ミネラルウォーター』くらいね。あっ、リュウさん昨日やってた、あの冷やす魔法教えてもらえませんか?教えてもらえたら、交換条件で、貴族のお友達に今のお話聞いてみますよ。魔法って普段づかいの、私の使っているもの以外って秘匿されているケースが多いんですよ。たまに頭の良い方がどなたかの使った魔法を聞いて、一言一句を記憶して、自分で使用されているみたいですけど。
基本的に、宮廷魔術師様たちが作られた魔法を貴族に教えたり、欲しい人が高いお金を出して買っているので、なかなか難しいんですよね。」
んん、そうなるとなんでエルザさんは僕に『フレイムガトリング』と『アイスクーラー』を教えてくれたんだろう?あっでもあれは、僕が使わないとエルザさんのお仕事が片付かないからか。
納得。そういえば、僕もこっちの世界に来た時はチルにチップを渡して、魔法の基礎を教えてもらったし。情報もタダではないか。
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