【雇用№037】雇われ勇者 我が家は今夜は焼肉パーティーその2
テーブルの上にはどっさりとお肉のブロックの塊りがおいてあった。
「ええ~~~っ、これ全部お肉なのリュウ兄ちゃん!!!」
「リュウお兄ちゃんこれ全部取ってきたのすご~~いい。」
「リュウさんいくらなんでもこれは量が多いのではないですか。 大人三人と、子供一人で食べれる量ではありませんよ。」
子供二人は、あまりの大きさに驚いて喜んでいるが、約一名、大人のウェルザさんはびっくりはしているが冷静だった。
そう、冷蔵庫のないこの世界において、食料の保存などほとんど出来ずに、捌いたお肉や魚、収穫した野菜はその日のうちに食べるのが通例であったのだ。
「お肉はこれだけだけど、本当の猪さんはもっと大きかったんだよ。」
「え~~リュウお兄ちゃんどのくらいなの?」
「このくらいさ~」
といって、両手を広げて大きさを表現してみる。
「えっ、そんなに大きい魔猪倒したの?リュウ兄ちゃんて結構すごかったり?」
「あれっ、チルまで驚くのか? この間もお肉ご馳走しただろ。あれも僕が仕留めたんだよ。とはいっても、流石に真正面から1対1で近接で戦ったりはしないんだけど。」
「お兄ちゃん、そんなでかいの一人で倒しのすご~~い。強いんだねお兄ちゃん」
モニカちゃんがキラキラした目で、尊敬のまなざしで見つめてくる。小さい子の憧れの大人っていい感じだな。
「リュウさん。流石にその大きさは、大人一人では倒せるものではありませんよ。冒険者の方が複数人で囲んでようやく倒せるものなんですから。お怪我はありませんでしたか?見た所外傷はなさそうですが。でも、リュウさんて、この間の魔族襲撃の時も私たちを助けて、デーモンを倒してくれたし、お強いんですね。」
「ええ、ウェルザさん。ご心配ありがとうございます。この通り大丈夫ですよ。遠距離から魔法で、こうバシュッとかっこよく仕留めましたから。かすり傷ひとつありませんよ。もっとも、近接で魔猪と向かいあったら、逃げ出しますけどね。」
「ふふふっ、そうだよね。リュウ兄ちゃん、相変わらず猪倒せるほど強そうにみえないもん。筋肉だって、ぜんぜんないもんね」
といって、お腹や太もも二の腕の筋肉をぺたぺたとチルが触ってくる。なんか女の子にそんなとこ触られるとこちょばしいやら、恥ずかしいやらで、顔がにやけてきた。それを面白がったモニカちゃんも乱入して、腕は高くて触れないので、お腹周りと太ももを入念に摩すってくると思いきや、こちょがしてきた。
これにはたまらず、笑い出し、二人を振りほどいた。
「はぁっはぁっ、二人ともこちょがしいからやめて。筋肉触りたいんなら、ガンツさんのとこ行って触らしてもらってきなさい。僕はそんなに固くないから、だ~~~~め。」
と二人に軽く注意した
「は~い、リュウ兄ちゃん。お腹も腕も足もぷにぷにだったもん。ガンツさんなんて、触らなくてもわかるよカチカチだよ。カチカチ。お兄ちゃんよりも私の方が、筋肉あるかもっと。」
そういって自分自身のお腹や腕を触ってもんでみるチル。ここはお返ししとかないとね。手を体の前で上にあげて、指をもじゃもじゃわきわきと動かして、
「そうだね。チル。僕が確認してあげようか?さっき、丁寧に確認してもらったからね。」
「えっ、リュウ兄ちゃんそれはちょっと遠慮しとくよ。さっきはごめんね。」
とちょっと嫌な顔をおして、後ろに後ずさっていく。それを少しずつ前に歩み詰めると
「リュウ兄ちゃん。それ以上詰めると、セクハラだよ。セ。ク。ハ。ラ。」
その言葉で僕はがつーんと打ちのめされた。
「えっ、これってセクハラになるの?」
「「「うんっ」」」
3人揃って、同時に頷く、チル、ウェルザさん、モニカちゃん。
「うっ、調子にのってごめんなさい」
今度は僕が謝る番になってしまった。
「わかればよろしい」
とチルからありがたいお許しがでた。助かった。地球でもセクハラはあったけど、まさか、異世界でもその言葉があるとは。そして、お腹の筋肉を触ることがセクハラになるとは思わなかった。
軽いカルチャーショックである。女は男の腹や、筋肉を触ってもいいのに、逆はダメなの?何それ美味しいの?でも、ま~3人がそういうなら、そういうことなんだろうとあきらめた。今度からは注意しよう。
「えっと、横道に逸れてますので、話を元に戻しますね。リュウさんこの量だと食べきれずに、余るので腐ってしまいますよ。もったいないので、ご近所におすそ分けするのでしょうか?」
「い~え、ウェルザさん。そんなことはしないですよ。このお肉全部、この今いる4人で食べてしまいます。もっとも今日全部食べるわけではないですけど。」
チルとウェルザさんが一瞬固まったが、全部食べるわけではないと聞いて、硬直がとけた。
「えっ、じゃあどうするんですか?干し肉やウインナー、ハムなどの加工品にするんですか?もっとも、干し肉以外はそれほど日持ちはしないのですが?」
「あ~そういう方法もありましたね。いえいえ、加工とかはしないですよ。このまま保管するだけですよ。ツボの中に入れてね?」
「「「???」」」
3人の頭がクエッションで一杯になる。えっ、この人何考えてるの?頭おかしいの?って具合な視線でこっちを見てくる。
うう~~~ん。地球で暮らしてた僕だと当たり前の知識なんだけどな。
「モニカちゃん。こっちに来て、このツボの中に手を入れてみてくれる?」
『アイスクーラー』
みんなには聞こえないようにこっそりと、魔法を発動させる。ツボの中は冷気で満たされた状態になった。よくわからず、こっちに来て、ツボの中にとりあえあず言われた通りに入れるモニカちゃん。
「えっ、なにこれ冷たいっ」
ビックリして、ウェルザさんの方を見て、感想を述べた。
「「えっ、冷たい???」」
二人はどういうことかわからないようだ。二人ともツボに手を入れて確かめてみた。
「ホントだ冷た~~い。ひんやりして、気持ちいいよ。リュウ兄ちゃん」
「確かに冷たいですわ。でも、どうして、冷たいのかしら?」
「それはですね。魔法を使って、ツボの中身を冷やしてあるからですよ。こうして、冷やしたツボの中にお肉を入れて、倉庫にいれとけば、長期保存少しくらいならできますよ。ま~1週間くらいなら、ってとこですけどね。」
「すごいですね。それが本当なら、居酒屋さんや宿屋さん。ううん、全国の主婦がこぞってこのツボを買いたがると思いますよ。主婦の悩みは毎日の献立と、いかに食材を余らさずに、腐らせずに美味しく料理するかですから。」
「リュウ兄ちゃん。魔法で冷やしたって言ってたけど、私にも使えたりするのかな?暑いときに自分自身にかけて涼みたいんだ。今とくに、ランニングしてると熱くなりやすいから。」
「私も出来ることなら教えて欲しいです。主婦の一人として、この魔法は使えるようになって、お友達にも伝えてあげたいのです。」
「二人ともちょっとまってね。魔法は教えるよ。今はその話はちょっと横に置いといて、興奮した気持を一旦落ち着いて冷静になろうか。はいっ、二人とも深呼吸して、すーーーっ、はーーーっすーーーっ、はーーーっ」
「「「すーーーっ、はーーーっすーーーっ、はーーーっ」」」
モニカちゃんも面白がって、深呼吸のマネをする。
「ど?二人とも落ち着いた?」
「はい」「ええっ」
「これなら、お肉は全部食べられるから、この問題は片付いたよね。僕はお昼食べてないから、さっそくだけどこのお肉焼いて、バーベキューをしよう。冷たい魔法や仕組みに関しては終わってからね。まずはお肉を美味しく味わおう。」
「「「おおお~~~っ。」」」
今回もお肉のお話です。
近年は冷蔵庫や冷凍庫があって、食料も保存が効き、長期保存できる時代になってますが。
できなったころはどうだったんでしょうかね?
毎日好きなものが食べられず、あるものを日ながら食べてたのかもしれないですね。
そして、今回終わらせる予定だったけど、話の収まりがつかずに次もお肉のお話です。
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リュウを地球に一刻も早く愛ちゃんのとこへ戻すために皆さんのパワーをお貸しください。




