【雇用№010】雇われ勇者 野望をもつ、プログラミングは楽しい
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「これまで、お世話になりました。ありがとうございます」
「えっ、リュウさん宿屋に泊まらなくなっちゃうんですか?チル寂しくて泣いちゃいますよ。」
しくしくしくしく
「チルちゃんごめんよ。仕事のあてがついたんで、賃貸に住むことにしたんだ。よかったら遊びに来てよ。昼はガンツさんとこでしばらくは仕事してるからね」
「はい、チルはリュウ兄さんのためなら、遊びに行きます」
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さて、念願のマイホームではないけど、拠点を手に入れたし。今後のプランを考えて行こう。まず、明日は、ガンツさんとこで錬金術でポーションを作成する。終わったら、自宅に戻り、魔法で畝を作って、薬草を移植する。(今日は水やりのみ)
魔王討伐に関しては、状況が理解しきれていないし、まずは生活基盤を安定させてから考える。期限もなにも決まってないし、そもそも考えもなしに行っても倒すことも出来ないだろうし。
そう生活基盤を安定させるために。
1.魔猪を安定して確保できるようにする
2.薬草農園を経営し、作業は他の人に任せて、安定的に収入を得られるようにする。
3.1をより簡単に行えるようにするため、現状の魔法の改良を行う。
4.猪も不意打ちならなんとかなるが、魔女の一撃は頻繁に使うとリスクがある。
魔法の改良もそうだが、防御力を上げる。防具の購入が必須。
5.一人でやろうとすると限界があるので、仲間を増やす。戦える人に限らず、情報収集、経営補助、錬金術、魔術師といったところかな。
おっと、転送ゲートの時の魔族の襲撃がばかにならん。命あっての物種。死んだら元の世界に戻してもらえるかもわからんし、命は大切。防具を購入は近日中に行おう。
さて方針はある程度決まったし、寝るまでに時間もある。肉が傷むとまずいな。せっかくの高級品なのに。
布に『水球よ。ウォータ』水を入れて。その中に密封したお肉を入れる。
ま~冷蔵庫がないから、一時的な処置だな。近いうちに食ってしまおう。一切れだけ、味見してみよう。
『灯よ。ファイア』
ま~、調理器具もないし、軽く火を通すだけだな。
「……ちょっと焦げてはいるけど……う、うまい。」
特上の牛肉並のうまさ。あの引き取り額もうなづける。もうちょっと食べたいが、魔法開発をしとかないと後後が大変だ。我慢我慢。さて、寝るまでの空いた時間で魔法の開発をしとかないと。まずは、魔猪対策用に落とし穴の呪文だな。「アース」のみの魔法だと、詠唱回数が多いし、何より穴というより、轍のレベルだからな。
魔素を集める時間を増やして、一定量になったら、指定場所に穴を開ける。よし、出来た呪文は『落下せよ。アースホール』だな。時間は15秒ほどか。とっさには使えないが、事前の罠としては十分だろう。穴は、うん、これで大丈夫直径1メートル、深さ1メートルだな。
あとは、突進して来たときの防御壁もあるといいな。畝を作るようにして、高さと密度を変更するから、プログラムのベースは『耕せ土よ。アース』をコピーして、変更しよう。これも、出来上がりを優先して、魔素の収集時間の条件を容量に変更。大きさは、横1メートル、高さ1メートル、幅5cmぐらいかな。よし、呪文は『我を守る盾よ。アースシールド』だな。
うんうん、時間は30秒ほど。意外と時間がかかるのね。突発で使えん盾っていったい?。あとは、強度だな。これがある程度に堅固でないと、作る意味がないし、目くらましにもならん。
「う~ん、エイっ」
と、飛び蹴りを放つ。
『ずぼっ』
えっ、僕の攻撃で穴があくとか、猪の突撃防げないじゃん。がっくりだよ。長い時間かけて詠唱して、もろいとかはダメじゃないか。ま~使えないものよりは、時間をかけても使えるものを作ろう。強度に関する数値を2倍くらいに設定してと。
再度、
『我を守る盾よ。アースシールド』
お~今回は前よりも大分時間がかかったな。3分くらいか、強度2倍だからといって、詠唱にかかる時間が2倍になるわけではないのか。
詳しくテストをしてみたいが……魔法の検証はあとあと。まずは、実用できる魔法を作成することが肝心。検証は時間のあるときにじっくりと取り組もう。ひとまず、メモのモジュールにメモメモと。
さてはて肝心の強度は、
「う~~んエイッと」
『コン』
おっ、飛び蹴りで今度は穴が空かなかったぞ。とりあえず合格だな。ま~実践で罠を張るときにテストしてみよう。猪に耐えられるかどうかは別ものだしね。あとは攻撃魔法を作成ですよと。飛行する敵にも、魔猪を挑発するにも、遠距離攻撃は必須なのです。森で火の魔法使ったりした日には延焼して、大火災になることもあるしね。
安全なのでいけば、水か。フレイムボールの魔法のコードをコピーして、火を水に変更してと。あっ、まずはフレイムボールの詠唱を短縮しないとだね。
『敵を燃やせ。フレイムボール』 「ボンっ」
『敵を水浸しに。ウォーターボール』っと、「パシャん」
これでよしと。威力は、両方とも土壁に傷はつかないと。まーこれも魔物で今度テストしよう。
土に変更してと、
『敵を穿て。アースボール』
「がん」
っと、こっちは結構いい音したな。傷はちょっとついたかな。野球のボールより少し小さいくらいか。硬度もそこそこあるけど、土壁よりかは低いし、ま~あたれば破損はするか。
眠くなってきたけど、あともう一つだけ。移動時間がかかるから、短縮しておきたい。常時追い風が吹いていれば、多少は早くなるよな。
『弱風よ。ウィンド』
うん?これは指定対象を自分の後方に指定できないのか?これはこのウィンドのコードをちょっと変更して。指定対象を常時自分の背後に自動設定と。効果時間はなるべく永続にしておきたいけど、必要な魔素量を集めるのに時間がかかるし。短縮呪文と長文呪文の二つを作成しよう。
『追い風よ。順風』
おっ、後ろからそよ風が吹いてきた。どれくらい早くなったかな。効果は……うん、時間が測定できないからよくわからん。継続時間は5秒くらいか。
『我に疾風の足を。疾風』
うんうんこれもいい風だ。おっ、気分的にさっきより早く走れた気がする。継続時間は3分ほどか。ま~、移動中とか、戦闘前の準備なら活用できそうだな。
は~~~、色々作れて楽しかった。やっぱり、プログラムは作ったコードをコピペすると、圧倒的に早く作れるのがいいね。一度本気で、効果の高いプログラムを作って、戦力あげときたいけど。時間かかりそうだしな。あとは、魔力を上げる方法があるか確認しないと、自分の魔力だと、魔力容量タイプの呪文に時間がかかりすぎて、使いづらいからな。
これは誰に聞いたらよいんだろ?もう、遅いし、帰って布団で寝よう。
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