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ファーストコンタクト

第三章・魔王編突入!



「レインさん! あそこの城ですか!」

「うん。ティアラ、近くに着地してくれ」


 ようやく見えてきた魔王城。

 館からはかなり距離が離れている。


 魔王城というだけあって、その風貌は恐ろしいものだ。

 近くでは魔物がうじゃうじゃ歩き回っていた。


「レインさん。私たち攻撃されたりしないのでしょうか……?」

「大丈夫。近くにいる魔物は、全部アイツに飼いならされてるから」


「アイツ?」

「ああ……魔王のこと」


 そんなことを話していると、ティアラはドラゴンの声で入り込んでくる。


『掴まるのだ』

「――っう!?」


 ティアラの注意と共に急激に下がる高度。

 心配するリリアなどお構いなしに、ティアラは魔物たちのど真ん中に着地した。

 その行動に迷いはない。


 そして。

 あまりにも堂々としているためか、魔物たちに攻撃されることもなかった。


 レインが着地の衝撃でフラフラしていると、いつの間にか人型に戻ったティアラが肩を支える。


「レイン、着いたぞ。ここでいいのだろ?」

「う、うん。ありがとう」


 何とか無事に到着した。

 した……のだが。

 周りに魔物がいることに変わりはない。



「レインさん、魔物に囲まれちゃっていますけど大丈夫でしょうか……?」

「我はいつでも戦えるぞ」

「いや、刺激しちゃダメだ! もうアイツが出てくるはずだから」


 ポキポキと指を鳴らしながら構えるティアラを、レインは一歩踏み出す前に止める。

 ティアラとリリアは魔王と初対面の存在だ。


 大事なファーストコンタクトが攻撃で始まったら、レインでさえどうなるか分からない。

 今の段階で言えるのは、間違いなく反撃がくるということだけである。


「本当に何もしなくていいのだな……?」

「うん。俺が魔王と話をするから、二人は静かにしてくれるだけで大丈夫だ。かなり難しい性格だから、気を付けてくれ」


 魔王は難しい性格。

 取引する相手のことを悪く言いたくはないが、どうしてもその情報は伝えないといけない。


 レインがこれまで取引してきた中でも、ある意味一番やりにくい相手だと言える。

 ティアラやリリアとはまた違った難しさだ。


「レインがそういう風に言うのは珍しいのだ」

「確かに。レインさんにしては珍しいです」

「まあ……何というか。二人もアイツに会ってみれば分かると思うよ」


 と。

 レインが説明になっていない説明をしたところで。


 魔王城の扉が勢いよく開いた。

 レインはゴクリと唾をのむ。


「レイン……! 待ってた……!」


 やはりそこには、自分の良く知っている魔王が立っていたのだった。




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