吸血姫リリア
第二章開幕です!!
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「こちらの部屋にリリア様はいらっしゃいます」
「ありがとうございます。助かりました」
メイドに案内されること十数分。
二人はリリアがいる部屋に問題なく到着した。
この扉を開ければ、リリアに会うことができる。
リリアに会うのは数か月ぶり。
そう考えると、ティアラと同じように少しだけ緊張している自分がいた。
「レイン、こんな大きな館見たことないぞ……!」
「俺も一回だけ来たことはあるけど、やっぱり慣れないな」
「……我の巣と互角というところだな」
「負けてないか……?」
「うるさいのだ!」
ティアラに肘でつつかれながら、レインは扉を開けるために一歩踏み出す。
ふぅ――と一息。
あまり待たせるわけにもいかないため、レインは遂に手をかけた。
「――あ、レインさん! お久しぶりでございます! 会えて嬉しいです!」
「あ、あぁ……久しぶり」
レインを見るや否や、リリアは椅子から反射的に立ち上がる。
そして、親に駆け寄る子どものように近付いてきた。
「なかなか会う機会がないものですから、お元気かどうかずっと心配しておりました! 本日はどのような御用ですか? レインさんが自ら私の館に来るのは初めてなので、とても気になっているのですが――」
「と、とりあえず落ち着いてくれ」
レインは饒舌に喋るリリアを落ち着かせる。
リリアと話す時はいつもこうだ。
あまり聞き手に回ると永遠に一人で喋り続けてしまうため、こうしてレインが話を遮る必要があった。
自分の訪問を喜んでくれているのは嬉しいが、このままでは話が一向に進まない。
「……レイン、この娘が吸血姫リリアか?」
「そうだぞ。どうかしたのか?」
「いや……我のイメージとだいぶ違っておったのでな」
そんなリリアを見て、ティアラは驚きを隠せないような反応をしている。
初対面だからイメージが違うのは仕方ないのだろうが、それにしても自分の予想とかけ離れていたらしい。
竜姫と吸血姫。
どちらも高貴な存在であるが、お互いに性格が全く違う。
どちらも良く知っているレインは、ちょっとだけその違いを面白く感じていた。
「レインさん。こちらの御方はどなたでしょう?」
「俺の知り合いだよ。ティアラって言うんだ」
「いかにも、我が竜姫ティアラだ。覚えておけ」
「え!? まさかあのティアラさんですか!? お名前は何回も聞いたことがあります! まさかこんなタイミングでお会いすることになるなんて……!」
リリアは口を押さえて大きなリアクションを見せる。
ティアラがリリアのことを知っていたように、リリアもティアラのことを知っていたようだ。
どちらも人間界にまで名が知れ渡っている有名人。
知らず知らずのうちに、お互いを意識していたのであろう。
「私はリリアと申します!」
「とっくのとうに知っておる」
「それなら、もうこれでお友達ですね!」
「う、うむ? そういうものなのか?」
「まあまあ二人とも」
と、レインは話を戻す。
「リリア。今日は頼みがあってここに来たんだけど――」
「そうなんですか? 私にできることなら何でもいたしますよ」
その頼もしい一言に促されるまま。
レインは今までのことを話し始めるのだった。
ここまでお読みいただきありがとうございます!
第二章、吸血姫編の始まりです!
これからの展開もお楽しみに!
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