第一話
とりあえず都にはしばらく近づかない方がいいと思い北のとなり街を目指した。
途中モンスターがよく出る森があるため1人じゃ危ないと思いその街に寄るという馬車に同行させてもらった。
といっても荷物置き場になるが。
小石とかに車輪がぶつかり衝撃でガタガタしていてお尻が痛くなる。イテテ…。
いつでも逃げられるように都で買った剣を抱えるように手に持っていた。
「お兄さん、もうすぐ着くぞ、尻大丈夫か?」
と、強面のおじさんが聞いてきた。
「はい、大丈夫です。」
こんな素性が分からないやつを心配してくれるなんていい人そうだな〜なんて思った。
途中モンスターは出たがおじさんが持ってる魔除の呪いの石のおかげでモンスターは逃げたため襲われることはなかった。
野宿をしたり、おじさんと世間話なんかしたりして2日目にしてやっと街に着いた。
「おーい、アレンついたぞー」
念のためおじさんにはアレンと私は名乗っておいたのだ。嘘ついてごめん!おじさん!
「あ、はい!ありがとうございます」
「お前さ、ここで何をするんだ?」
「そうですねー。冒険ギルドに行ってみたいですね。そのあとは特には何もないです。」
「そうか!よかったら俺と飯でも食わねーか?割り勘だけどな」
ガハハッとおじさんは笑いながら食事に誘ってくれた。
二日間で仲良くなったので誘ってくれたのだと思う。
おじさんは商人なのに正々堂々としていて嘘をつくような人には思えなかったがこの時少し警戒した。
これ…嘘だったらどうする?騙してるのでは?とか色々勘ぐっていたら
「そんな、無理なら無理だと断っていいんだぞ」
気をつかわせてしまった。まぁ…なんかあったらその時対処すればいいか…
「いえいえ、こんな自分で良ければご一緒したいです!」
「そうか!」
美味い店があるんだーとか言って嬉しそうに馬をひいた。
門について門番に身分証明を提示するように言われた。検問チェックだ。
「あの…私ここの冒険者になりに村から出たものなんです。なので身分を証明するものなんてとても…西から来たんですが入れませんかね?」
と困ったように言った。ほんとは嘘。
「そうか、それならここに名前と村の名前を。あと冒険ギルドで登録したら階級カードをもらうはずだからそれを持ってここに来なさい。」
「はい、ありがとうございます。」
書名をして了承を得た。村は本や地図でみたところを書き、名前もアレンと書いた。
「俺の言ってたところでいいか?」
「はい、楽しみです。」
ちょうどお腹もへってきた頃なんだよね〜
馬車をとめて降りた。
「こっちだ。」
おじさんの案内で街の広場に行き、少し曲がったところに食所はあった。
「ちょいと危ないやつもいるところだがまぁ味は格別美味いところだ。」
何回も言うのでそんなに美味しいのかと期待を胸に店に入った。
中は普通のレストランの様なところだった。が、一番奥で人が集まってカードゲームの様なのをやっていた。それは…
「ギャンブル?」
「そうだ、だが手は出すなよ。なんでもなかなか勝てない相手がいるんだ。魔法はできないようになっているんだが…どうなってんだかな。みんなあいつはいかさましてると言っているがどうやっているのか証拠も掴めてないから何もできないのさ」
やれやれ…と言い私を席は案内して、おすすめのメニューを紹介してくれた。ほんとだ美味しそう。