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へっぽこ

作者: ぐへへ

近所の神社で夏祭りがあるらしく、小遣い握りしめ子供達が走っていた。

そんな風景が見える田舎の小さな一軒家に私こと、咲田陽菜はいた。

「ふふっ」

小さい頃は私もあんな風に走っていたなーって思いながら少し微笑んだ。

「あら?何か可笑しい?

いつもこの声を聞くと私は背筋が凍る。

「いえ!」

「早く書かないと、どうなるか教えてあげないといけないかしら?」

私はすぐさまパソコンに向かい、鬼の様に小説を書き始めた。

どうしてこうなったんだっけ?

ーーー

昔から話を考えるのが好きだった私だけど、小心者で友達も少ないこともあって書いた話は誰にも見せた事が無かった。

高校卒業間近、自分で凄く納得のいく小説が出来上がったの。

何回読んでも面白い。

匿名なら、匿名ならバレずに読んで貰える。

そう思って小説サイトに投稿してみた。

10000人位に読んで貰えた!

信じられない位、嬉しかった!

「売れっ子の小説家になれるかな?」

私のクセにこんな事呟いたからかな?

「いいぜ!叶えてやる!」

その声と共にパソコンの画面から、あいつが出てきた。

ポーン!

「え、え、何!」

驚く私の前に黒い羽を付けた、口が耳まで届きそうな顔をした男が立った。

「よう!」

「な、な、な、」

「割りとメンケーな!」

「な、な、な、」

「さっきから何だよ。心臓止まりそうか?」

「な、何よあなた!」

「あぁん?見たら大体分かるだろ?悪魔だよ、あくま!」

「悪魔?!」

「おう!サターンNo.6、ライムラインだ。よろしくな!これ、少ないけど家族で

食べてくれ!」

仙台名物 笹かまぼこ を私の前に突き出す悪魔。

「ご丁寧に、ってなんでよ!」

「礼儀だろ?まぁいいから契約しよーぜ!これ読んでサインな。」

笹かまぼこを受け取り、更に書類も受け取る私。

ここが人生のターニングポイントだとか、何も考えずに悪魔にのせられて、騙されて、おだてられて。

流され易い性格だって、自覚はあったけど書類にサインしちゃった。てへ

「咲田陽菜が売れっ子の小説家になるまでの契約完了!で、コースの説明に入ろうか。」

「コース?」

私に悪魔がコース表なるものを渡した。

3コースあって


松~願えばすぐ。

悪魔へのお支払は

運気と気力、火事場のくそ力、寿命を割りとお支払頂きます。


竹~悪魔が割りとサポート。

悪魔へのお支払は

松より運気と気力を多めにお支払頂きます。


梅~あらゆる手段を用いて叶えます❤️

悪魔へのお支払は寿命1年分。


「なにこれ?」

「どれにする?松いってみるか?」

「ちょっと、待って。寿命取るの?聞いてない・・・」

「当たり前だろ!タダで誰がやるんだよ!俺も上からのノルマあるんだよ!」

「ごめんなさい!」

「で、どれにする?」

「せめて、説明して下さい」

「あ?何をだよ?」

「梅だけ1年って具体的だけど、残り2つは良く分からない」

「ちっ、いいか、自分がどの程度の人間か考えて選ぶんだ。運気から気力、火事場のくそ力、寿命の順に取るからそれらに自信が有れば松竹のどちらかを選ぶんだ。あと、叶えたい願いと今の自分との差に依って取る量が代わる。駄目なら梅にしとけ」

「・・・」

「なんだ?迷ってんのか?仕方ないな」

悪魔は、私にメーターの様な物を向けた。

それを確認すると、以降延々と梅を選ぶよう誘導しようとする。

時に悪魔の微笑みを、時に悪魔の様な形相で。

「・・・、だから梅にしろ!」

「寿命以外取り柄が無くてごめんなさい、ごめんなさい」

そして、梅を選んだ。

ーーー

「よし、俺の代わりにこいつをお前に付けよう」

悪魔はそう言うと、指をパチッと鳴らした。

突如20代後半位の女が現れ、膝間付いて言った。

「ラインライム様!」

「紫乃、後は任せた」

そうして悪魔は消えた。

あまりの展開に私は付いていけて無かったが、

「小説見せなさい」

女はそう言いパソコンの私の小説を読み始めた。

読み終えると

「筆責め!」

それと同時に無数の筆が私の体をなぞり始めた。

「ちょ、くすぐったい、あ、あん、、」

5分位続いて筆責めは終わった。

「どうかしら?くすぐったい気持ちいいかしら?」

私は声を出せる状態になかった。

「この程度の文章では、売れっ子なんて夢のまた夢!下らない小説書いたら、ありとあらゆる責めを与えるわ!さぁ、書きなさい!」

それから私は幾多の責めを受けながら、売れっ子小説家を目指してる。


あ、後、

紫乃さんの責め、気持ちいいの多いから目指してるのかも。てへ


























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