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赤ず金太郎熊

むかし、ある所に小さな女の子がいました。彼女は「赤ずきんちゃん」と呼ばれ、みんなから慕われていました。


ある日、赤ずきんは森の奥に住むおばあさんのお見舞いに行くことになりました。


「どうして森の奥に住んでるのかしら、面倒くさい」


思ったことはすぐに口に出す赤ずきんは、文句を言いながらも森へと入っていきました。


しばらく歩いていると、熊がいました。


「熊さん、こんにちは」


しかし熊は赤ずきんを見て驚いた表情を浮かべ、赤ずきんに言いました。


「今すぐこの森から逃げるんだ! ここには狼がいる!」


しかし、この森にはおばあさんが住んでおり、狼がいるということはおばあさんの身の危険を表しています。


「私、行かなきゃ」


赤ずきんは、熊の横をすり抜け走り出しました。しかし熊は赤ずきんのあとを追ってきます。


「待って、ほんとに危ないから!」


「しつこい熊ね。金太郎! やっておしまいっ!」


「ははっ。赤ずきん様」


赤ずきんの声を聞きつけ、どこからともなく現れた少年が熊に立ち向かう。


「熊のパーさんめ、俺が相手だ!」


「僕いつからパーさんになったの!?」


―――――――――――――――――――


しかし。


「く、くそ……なかなかやるな」


「いや、人間が熊に勝てるわけないから」


「ちっ。仕方が無い。本気を出してやるぜ」


「出たよ、これまではお遊びとかいうやつ」


「いくぜっ、熊のピーさんよぉ」


「なんか放送禁止用語みたいなのやめて!?」


―――――――――――――――――――


「くっ……熊のぺーさんの癖に、なかなかの強さじゃないか。認めてやるぜ」


「いや普通に僕のが上だから。それに毎回呼び名変えるのやめて?」


「仕方ねぇ。今回だけは見逃してやるよ、熊のポーさんよぉ」


「無視しないで!? それにそれ僕が言う立場!」


もはや呼び名には言及せず、熊は金太郎に構う暇はないと赤ずきんを追う。


「あばよ、熊のプーさん」


「なんかやっとそれらしくなったな。じゃあね」


その頃赤ずきんはおばあさんの家に着いていました。


「おばあちゃん! 赤ずきんよ!」


「おぉ、よく来たねぇ」


「……あれ? おばあちゃん、なんでそんなに耳が大きいの?」


「遺伝じゃよ」


「どうしてそんなに目が大きいの?」


「そういうDNAじゃよ」


「どうしてそんなに口が大きいの?」


「デオキシリボ核酸」


「え? なあに? でお……?」


「それはいいとして、他人の外見についてどうこういうのは良くないぞ? わしも傷つく」


「ごめんなさい。じゃ、じゃあ、その手に持ってるのは何?」


「ああ、これは猟銃。赤ずきん、お前に……っ!」


「ひぃっ!」


「お前に、狼肉を食べさせてやるためじゃよ!」


「やったぁ!」


「さっき狼が家にやって来ての。ちょうどよいから仕留めてやったわい」


「さすがおばあちゃん!」


「早速食事の準備じゃ!」


「おばあちゃん、病気じゃなかったの?」


「わしがそんなに弱々しく見えるか?」


「うーん……見えないっ!」


ハッハッハッ! フフフッ!


「あ、あのぉー」


「あ、熊さん!? 金太郎、あんにゃろうあとでぶっ殺す。……おばあちゃんっ! 熊さん怖いよう!」


「おお、可哀想に。わしが仕留めてやるからの?」


ズドドドドドッッドドッ


「今日はご馳走じゃぁ!」


「ありがとう、おばあちゃんっ!」


二人は仲良く、狼と熊の肉をいただきましたとさ。

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