桃太郎
むかしむかし、ある所に。おじいさんとおばあさんがいました。おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川へ洗濯に行きました。
おばあさんが川で洗濯をしていると、ももが流れてきたので家に持ち帰りました。
「おじいさんや。今日は川でこんなに大きな桃が流れていましたよ」
「え? まじ? でかっ!」
「早速、割ってみましょう」
おばあさんがナイフで桃を割ると、なんと中から赤ん坊が出てきました。
「危ねぇ! まじ危なかった! 何なんだよ、あんた。桃の中に子供が入ってる可能性あんじゃん? 殺人未遂だよ? なぁ」
「なんじゃ、よく喋る子じゃのう。言ってることはほとんど分からんが」
生まれた時から反抗期の桃太郎はすくすくと育ちました。
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「桃太郎! 本当に行くのか? やめた方がいいんじゃね?」
「そうじゃよ、桃太郎。無理することはない」
「いんや。じじい、ばばあ。俺は努力が嫌いだ。だから、鬼が村人から取った金目のものを全て奪ってやるんだ」
真っ黒に育った桃太郎は、鬼退治を決意しました。
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「おい、そこの犬! 俺の犬になれ」
「なんかうまい感じに言ってんじゃねぇよ! 嫌だよ!」
「……殺されてぇのか?」
「えっ……」
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犬を連れた桃太郎は鬼ヶ島へと急ぎます。
「お、猿じゃねえか。俺の下僕になれ」
「は? 嫌だし」
「この犬が殺されてもいいのか?」
「なぜに俺が!?」
「ああ、いいぜ、そんな奴。殺したきゃ勝手に殺せ」
「おいこのクソザルがぁ!」
「そうか、犬猿の仲だから、人質……じゃなかった、犬質くらいじゃダメなのか」
「何言ってんだ? 俺はもう行くからな」
「いやまて。お前が俺の下僕にならないなら、お前の一族を滅ぼしてやる」
「えっ……」
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犬と猿を下僕に、桃太郎は鬼ヶ島へと急ぎます。
「あ〜、いい天気だなぁ」
「キジも泣かずば、なんとかしゃんっ!」
「ぐえっ……! いきなり首掴むんじゃねぇ!」
「おい、キジ。俺の下につけ。」
「んな易々と俺が他人の下につくわけねぇだろ?」
「俺様に逆らうとは、いい度胸だな。チキンの癖に」
「上手いっ」
「犬は黙ってろ! んで、俺に歯向かうと?」
「くっ……相手は3人。部が悪いか」
「いや、俺たちはお前側だぜ」
「ああ」
「え? まじ? じゃあそいつ倒せんじゃね?」
「たしかに……」
「よっしゃやるか!」
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犬、猿、キジを連れた桃太郎は、鬼ヶ島へと急ぎます。
「なぁ、俺たち要らないんじゃね?」
「な。あんだけ強けりゃ十分だろ」
「ほんとそれな」
ぶつぶつとうるさい三匹を連れた桃太郎は、ついに鬼ヶ島へ着きました。
「おい、犬。とりあえずお前タイマン仕掛けてこい」
「なぜに俺ばっか!?」
「いいから行けって!」
「は、はいぃ!」
そして犬は二度と帰ってくることはありませんでした。
「くそっ、鬼のやつ強えな。おい猿! お前の知能を見せてやれ!」
「おうよ!」
猿は知恵を絞って、絞りに絞って、逃げ出しました。
「くっそあんにゃろう、おいキジ! 空からの攻撃で鬼を翻弄してやれ!」
「……ああ」
キジは鬼の食料となりました。
「キジのやつ本当にチキンになりやがった。期待を裏切らねえな!……おーい! みーに(作者)のやろう! これ難易度高すぎだろ! 無理ゲーだわ!」
「……くそ、何も起こらねえじゃねえか。あ、そうだ」
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「鬼はー外!」
「ぐぁああああああああ!」
「ぶふぉっwww 豆で倒せるとかマジありえねぇわ、面白すぎ」
こうして鬼から宝物を取り返した桃太郎は、全て貯金し、老後まで幸せに暮らしましたとさ。
めでたしめでたし