強くなるため。その3
第6話目、異端職人の鍛治日記
今回も頑張りました!
最後まで読んでいただけると幸いです。
な、なんだこれ…。
どうやってあんな普通の家の地下にこんなに広い場所が……!?
・・・もしかして俺、とんでもない人に弟子入りしちゃった…??
「さて、この辺でいいだろう。まずお前の実力を見させてもらう。」
おもむろに腰のポーチから魔法の杖を取り出し、術式を展開させていく。
「なるほどな…。」
目の前の俺に聞こえるギリギリの声でそっと呟く。
「なるほどってどういうことだ?」
聞こえてしまったか。っという表情でこちらを振り返る。
「ん?ああ、それはな、今私が使った魔術は、簡単に言えば相手のステータスを見ることができる魔術なのさ。魔術というのは基本魔法の属性に含まれていないもののことそう呼ぶって…まぁこれは学校で習っているだろう。」
俺は頷き、返答する。
「そのことは習った。それに、今使った魔術に関しても、ある程度予想はできていたよ。でもその魔術って自分よりも相手の力が上なのか下なのかを見る程度の魔術じゃなかったっけ??」
ちょっと、顔をしかめたあと、光魔術で空中に文字を書きながら説明を始めた。
「ん〜、どこから説明しようか。そうだな。スキルは知っているか?すべての生き物はスキルと呼ばれるものを持っている。スキルは努力でどうとでもなるものだが、上達する速度や上限は才能や素質で決まってしまう。そしてスキルには剣術や弓術、体術などもあれば、もちろん魔法にも存在する。エルフなら風魔法のスキル、お前のようにドワーフなら土魔法のスキルがある。もちろん私の使った魔術にもスキルはあるってことだ。そして、スキルの熟練度を上げれば新しい技が使えるようになったり、既存の技の効果が上昇したりするんだよ。」
一通り説明し終わり、どうだ?と言わんばかりにこちらを向く。
「つまり、さっきの魔術はフィラが熟練度を上げたから、俺のステータスを見れたってことか?」
「そういうことだな。まぁ…私が見たのはステータスだけじゃなく、お前のスキルもだけどな。」
フィラはニヤリとこちらを見た。
「ん?ってことは、俺のすべてが見えていたと?」
いたずらっ子のような笑顔でさぁ?といいながら舌を出して逃げて行った。
「それでは、まずは自分の現状を把握してもらう。今から、お前のスキル欄を可視化してここに表示する。」
ユウキ : ハーフドワーフ
・土魔法
・剣術
・鍛治師
・治癒魔術
フィラが感心している。
「ハーフドワーフでこのスキルは優秀だな、特にドワーフで治癒魔術持ちは希少だ。あと、お前の魔力量は素晴らしいな。だが土魔法も治癒魔術も初歩のものしか使えないみたいだな。」
フィラが呆れ顔で言う。
俺はその顔に少し腹が立った。
それに気づいたフィラはわざとらしく咳払いをしてから
「なので、お前には魔力を使用して戦う魔闘技というものを習得してもらう。」
「魔闘技??ごめん、俺は初めて聞いたんだが?」
そう言うとフィラは目を丸くし、笑った。
「ふふっ、そうか。なら、そこからみっちりと教えていこう。」
その時のフィラの笑顔に背筋に恐ろしいものを感じ震えた。
最後まで読んでいただきありがとうございます!
やっと読み応えのあるところまで来たのではないでしょうか?
次も楽しんでいただけるよう頑張ります。
宜しくお願いします!