強くなるために。その1
どうも、小兎姫です。
今回も精一杯書かせていただきました。
最後まで読んでいただけると幸いです!
その日の俺は、何を考えていたのか、いつも1人で受けるクエストよりも3つも難易度が高いクエストを受けていた。
クエストには素材の収集から魔物討伐、遺跡や洞窟の探索などいろいろな依頼があり、その中でクエストの難易度に応じて、FからAまでランク付けされた通常のクエストがあり、例外としてSという規格外のランクのついた超危険なクエストまで様々なクエストがある。
ユウキが通っていた学校は卒業時には、Dまでのクエストならこなせるぐらいの実力は嫌でもつく。
しかし、今日ユウキが選んだクエストは、リザードマンの群れの退治。Bランクのクエストだ。
マニュアル通りならば、このランクのクエストは5人パーティでこなすのが基本となっている。
定石破りもいいところだ。
もちろんユウキの実力ではクリアは不可能だ。
案の定、ユウキは瀕死の傷を負い、リザードマンとの戦いで倒れてしまった。
血の匂いを嗅ぎつけ、周りからさらに大勢のリザードマンが寄ってくる。
「あ…やばい。俺死んだ。」
「クリーブウィンド」
死を覚悟した時、旋風のような強い風が起こる。
一瞬にして、リザードマンたちは風の刃に切り裂かれ、その場に倒れた。
しかし、そこで俺の意識は闇に落ちた。
目が覚めるとそこは見たことのない天井だった。
起き上がると綺麗な紫色の髪のエルフがいた。
彼女の名はフィラ。魔女だ。
そして、相当強い。
あの量のリザードマンを一瞬で八つ裂きにしてしまった。
そんな力の持ち主はこれまで見たことがなかった。俺は迷わず彼女に申し出た。
「あの、助けていただきありがとうございました。いきなりなんですが、俺…いや僕を弟子にしてください!あなたの実力に、魔法の腕に感動しました。お願いします!」
彼女は俺の眼を見つめて、透き通るような声で言った。
「お前は何のために戦う。」
いきなりの質問に戸惑ったものの、俺は素直に伝える。
「強くなるため。」
・・・
その場が静寂に包まれる。
そして彼女が口を開く。
「強くなるためか。本当にお前の戦う理由はそれだけか?もしそうなら、弟子にはできない。」
俺は必死になる。
「なんでだ!?」
「強くなるためだけに戦うやつに教えることはない。なぜダメなのか、それがわかるまで弟子にすることはできない。」
俺はなんのことを言っているかわからなかった。
早く強くなんなきゃいけないのに…。
俺は泣く泣くフィラの家を後にした。
第4話目、異端職人の鍛治日記を読んでいただきありがとうございます!
どうだったでしょうか?
まだまだ下手くそですが、これからも付き合っていただけるよう、頑張ります!
宜しくお願いします。