いきなり異世界転生!?その2
異端職人の鍛治日記、第2話!
前回に引き続き、最後まで読んでいただけると、幸いです!
よろしくお願いします!
「あいつって確かハーフエルフだよな?」
「なんでハーフなんかがあんなところに立ってんだよ。」
「まじありえないんだけど!」
会場中が罵声で溢れかえる。
今は入学式の最中、主席で入学した生徒の挨拶が行われている。…はずなのだが。
なぜこんなことになっているか。
それは人々の思考に問題がある。
この世界はシャイターン、ウンディーネ、シルフ、ドワーフ、人間という5つの種族に分かれているのだが、人と別種族とが恋をし、子供が産まれるとその子は人とのハーフとなり、人間からも同じ種族からも忌み嫌われることとなる。
それが今のこの世界の現状だ。
と言っても、俺が他のやつのことを心配できるほどの余裕はない。
俺もそのハーフの1人なのだ。
さっきから周りの視線が痛い。
早くこの場所から逃げてしまいたい。
そう思った。
気づけば、ハーフエルフの子はいなくなっていた。
あの子はどーなったのだろう?
入学式が無事に終わり、外にクラス表が貼り出される。
「えっと…俺は………1-4か。」
俺ら1年生は全部で4クラスに分かれているようだ。
クラスに向かうと、そこにはさっき主席入学者の挨拶をしていたハーフエルフの子がいた。
……俺の席の隣のようだ。
クラスの全員が俺ら2人を睨んでいる。
この視線は辛い。
彼女も同じなようだ。
俺は彼女の方を見た。肩が震えている。
すると、彼女と目が合った。
今にも泣き出しそうな顔をしている。
そこでチャイムが鳴り、1-4の担任らしき女の先生が入ってきた。
「はい、みなさんの担任を受け持つことになりました。ウンディーネのサリアです!宜しくお願いします!」
とても元気な人だ。
生徒の全員がサリア先生に注目する。
そして、ホームルームが始まる。
学校のことや、授業の仕組みなどを一通り説明され、ホームルームが終わった。
早く終わりすぎたようで、時間が余ったから自己紹介をすることになった。
俺の番だ…。
全員が睨みを効かせる。
「俺はハーフドワーフのユウキだ。よろしく頼む。」
俺の前まで起こっていた拍手も起きない。
それも仕方のないことだろう。
そして、ハーフエルフの女の子に順番が回る。
「私は……ハ、ハーフエルフのルシネです。…その…よろしくお願いします…。」
やはり拍手は起きない。
だが、あちこちから小さな声でコソコソいう声が聞こえる。
「同じクラスかよ。最悪じゃん」
「なんでいるんだよ。」
「早く帰ればいいのに。」
俺より酷かった。
ルシネは手を握りしめ、その場に座る。
俺はルシネに
「俺はユウキ。よろしく」
と手を差し伸べる。
彼女は目を見開いてこちらを見て俺だけに聞き取れる小さな声で「うん…」と言った。
しかし、俺らハーフへの嫌がらせはそれだけでは終わらなかった。
次の日、俺らの机の上には落書きがしてある。
カエレ!
近寄るな!
とても悲惨なものだった。
しかし、そのことから俺とルシネはお互いを助け合い少しずつ仲良くなった。
この学校では5年間の授業で基本的な魔法技能と戦闘術を学ぶ。
そして卒業すると冒険者の資格がもらえる。
全員それが目当てで入学する。
もちろん俺もだ。
冒険者というのは、ギルドと呼ばれる組織から依頼を受け、この世界に存在する魔物を退治する職業である。
そのためいつでも死がつきまとう。それも全て自己責任となる。
そんな危ない職業だからこそ、収入は高い。そういう職業だ。
今日は模擬戦の練習があった。
2人1組のチーム戦だ。
あぶれ者の俺とルシネは2人でペアを組む。
「よろしくな」
「うん、よろしく」
そして模擬戦が始まる。
模擬戦と言っても、俺らからしたらただの一方的な暴力だ。
人間の血が混ざる俺とルシネは純血のやつらより力も魔力も圧倒的に劣る。
最初から勝ち目のない戦いなのだ。
そうして、俺とルシネの2人は5年間いじめられ続けた。
卒業式の日。
学校で、ハーフは俺とルシネだけだったため、いつも一緒だった。
そうしないと、2人とも潰れてしまっていただろう。
しかし、それも今日で終わりだ。
無事卒業式を終えた俺とルシネはギルドに来ていた。
2人でパーティを組むのだ。
それは2人がずっと約束していたこと。
手続きが終わり、俺らはパーティとなった。
「よし、これで俺とルシネはパーティだ!!」
「やったね、ユウキ!これからもよろしくね!」
しかしこの時、ドワーフとエルフの集落で起きていた悲劇を2人はまだ知らなかった。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
今回は学校編でした。
みなさんどうだったでしょうか。
まだ始めたばかりでストーリーを組み立てるのが下手くそですが、次もよろしくお願いします。




