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こル・ココる  作者:
第一章 『憎』
7/62

談後ひとつめ くだらないとはどういうことなのか。

 



 ◆




 医月が『生徒お悩み相談室』に入部してから数日後のこと。

 僕と医月によるある日の雑談。

 部室にて。



「あの先輩。ひとつ聞いてもよろしいでしょうか」


「なんだい?医月。改まって」


「いや、そんな大したことでもないんですけど、この部の名前についてです」


「名前?」


「はいそうです。この『生徒お悩み相談室』という名前がどうも親しみにくいという話を聞きました」


「へぇ、名前の印象なんて考えたこともなかったな」


「これだから先輩は………」


「あれ?なんだか唯一の後輩に見下された気配が」


「気のせいです」


「そっか」


「こんな言葉でも『受け入れる』んですね。チョロ過ぎますよ、先輩って」


「でも『生徒お悩み相談室』という名前はそもそも顧問である天灯先生が考えたものだしなぁ。勝手に変えたら怒るんじゃない?」


「そうでもないと思いますけど。天灯先生にとってこの部が生徒の役に立てていればそれで本望だと思いますよ」


「確かになー。あの人ならもっと合理的に考えるか」


「そうですよ。だからこれから一緒に新しい名前を考えましょう」


「それはいいんだけど、急にどうしたの?」


「どうした?、とは?」


「いや、意外とこの部に対して積極的だなぁと思ってさ」


「いやですよ先輩。私はただ部のことだけを考えているだけですってば。決して『生徒お悩み相談室』なんて堅苦しくて"ダサい"名前の部活に所属したくないなぁ、だなんて思ってませんよ」


「君ってすごく責任感があるんだね、見直したよ」


「………先輩、詐欺には気をつけてくださいね…………」


「?でも、責任感があるっていうのはやっぱり良いことだよ」


「そうですね。何を隠そう私が図書委員であるというのも、私が私の責任感を見込んでやっていますからね」


「その言い草だと大分おかしなことになるけれど」


「なにはともあれ、名前ですよ名前」


「いきなり名前って言われても難しいな………」


「私が言うのもなんですけど『生徒お悩み相談室』というのはとても分かりやすかったですしね。これに代わる名前は確かに難しいかもしれません」


「だね。どうしよっか」


「試しにアルファベットで考えてみましょう」


「アルファベットって?」


「はぁ、先輩はアルファベットも知らないないんですか?一体、先輩が知っていることとは何なんでしょうか」


「どれだけ僕のことバカだと思ってるんだよ………。違うんだよ。アルファベットで考えるというのはどういうことなのかを聞いているんだよ」


「……………。例えばパソコンってありますよね。正式名称はパーソナルコンピューターといのは先輩でも知っていることだと思いますけど、これってパーソナルの"P"とコンピューターの"C"で"PC"って読んだりもしますよね?こういうことをやってみようと言っているんです」


「ああ。CDがコンパクトディスクっていうのと同じことか」


「ッ!!」


「『先輩でも知っているんですね』って感じで驚くなよ………」


「こほん、それではやってみましょうか」


「うん、どんと来い」


「S(生徒)O(お悩み)S(相談室)」


「僕たちが救難信号を出してどうする……。あくまで僕たちは助ける側だから」


「S(生徒)O(お悩み)S(相談室)団」


「それはダメだよっ。色々となんかもうダメだよ!」


「文句ばかりですね」


「君が真面目にやらないから」


「では少し原型のほうをいじってみましょう」


「嫌な予感が……」


「S(生徒)N(悩み)S(相談室)」


「一気に実体がなくなった!?」


「S(生徒が)S(生徒に)S(相談)」


「天使とは戦わないから!」


「S(生徒である)AあなたをO(お助けします)」


「命がけのゲームもしないから!」


「S(生徒の)M(面倒みます)」


「誤解しか生まない………」


「S(生徒お悩み相談室)」


「もういっそのこと?!」


「K(これ以上は)NネタがN(無いです)」


「普通に言って!」



 このように本題とは脱線しつつも、一応名前は決まったは決まった。



『ココロ相談室』



 アルファベットなんて却下。




 ◆




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