最終話:心の中に
俺、秋月優斗はもう27歳だ。
双葉が亡くなってから10年の歳月が流れた。
少し向こうで、柳双葉は料理をしている。
俺と柳双葉は、一ヶ月前に結婚した。
「ねぇ優斗、ご飯できたよ」
「分かった。今行くよ」
「なんか、優斗嬉しそうだね」
「そうか?」
「うん、なんかあったの?」
「大切な人との約束は守れたって事かな」
「へぇ、どんな約束なの?」
「必ず幸せになる、だよ」
双葉は少しだけ顔を赤くした。
「じゃあ、優斗は今、幸せなんだね」
「あぁ。とってもな」
「なんか私も嬉しくなってきちゃったな」
「そぅだな。きっと俺達二人は幸せだ」
「なんか照れるな」
赤い顔をさらに赤くしながら双葉は言った。
「あぁ。俺もちょっと照れるな」
俺達二人は笑いあった。
時々ふと思うことがある。
もし、双葉が生きていたら俺の隣にはあいつがいたのだろうか?
きっといたと思う。いや必ずいたはずだ。
なぜなら双葉はまだ俺の中で生きている。
双葉聞こえてるかな?
双葉、俺さお前との約束通り幸せになったよ
それでも、やっぱりお前が俺の中で一番大切な人だ。
前にも言ったようなそれだけは変わらないから。
いつか、きっとまた会えるよな。
その時までは俺の中にいてくれよな。
そういえば、こんなタイトルの映画があったよな。
君はいつまでも僕の心の中に。
まるで今の俺達二人みたいだな。
双葉、お前はいつでも側にいてくれる。
そう、俺の心の中に。
これで、心の中にも終わりを向かえました。
読んでくださった方々、本当にありがとうございました。