5日目のあさ
今日も清々しい朝が来た!
だけど私達の気分は、全く以て清々しくなかった。
まぁちゃんはもう、いつ目覚めてもおかしくない。
睡眠薬の連続投与は危険だから、次に目を覚ましたら何らかの手段を講じないと…。
もしも不穏なことになっても、後の為だと許してもらわなきゃ。
私達は目覚めて、軽く準備を整えます。
先行きはもう、ぎりぎりまで急ぐ必要がありますから。
何しろ昨日は、結局足止めに引っかかって1日を費やしてしまいました。
このままずるずると時間を掛ければ、本気の本気で怪獣大戦争が起こる…。
その場合、確実に危険人物と化すまぁちゃん。
いざというときは、彼を諫める為にも、弱味を握っておかないと。
私は決意も新たに、笛を吹きました。
副団長さんは、未だに戻りません。
まあ、お遣い頼んだ先が結構な遠方ですからね。
それに昨日はなんだかんだと、虹龍のせいで時間を食っていたでしょうし。
でも、多分その内にでも合流するでしょう。副団長さんは信頼できる人です。
私はマリエッタちゃんを呼び出すと、その背中に先ずはまぁちゃんを固定。
ロープなんて生温いことはいいません。
そんなものでいざというとき、まぁちゃんを止めることは不可能です。
だから私は。
封魔効果の付与されたミスリル銀と、強化されたオリハルコンで作られた鎖を手に取りました。
ええ、これでガッチリまぁちゃんのことを縛るつもりですが、何か?
若干、引き気味の勇者様が何か言いたげに此方を見ていました。
でもそんなものは、今日もなんとなくスルーの方向で。
私達は巨大怪鳥マリエッタちゃんの背に乗り、目指すべきを目指しました。
虹龍にも聴取は済んでいます。
かの龍の証言も加味して、最初の目指した方角をちょっと軌道修正。
あの馬鹿竜ナシェレットさんがどちらに向かったのか。何を目標としているのか。
分かる範囲で聞き出した結果、やっぱり殴らないとと決意を固め。
私には物理的に不可能なんで、勇者様、頑張って下さい。
竜の居る場所を目指し、可愛い従妹姫の安否を求め。
私達はロック怪鳥を操り、空へと飛び立ちました。




