雪
白い光が舞っていた
空から降り注ぐ 白の華
あなたのために そっと囁くわ
音を奪う白の世界
耳を塞ぐその両手に唇を寄せて
言えなかった言ノ葉
届かなかった気持チ
今なら その胸に響くでしょう
くるくると くるくると
廻るこの身は欠けた翼
震える身を包みたいのに 足りない
それでも精一杯 両腕を伸ばすわ
ぬくもりをくれた あなたのために
触れれば消える 儚い散華
指先から奪われた あなたの感触
忘れたくないのに 声が聞こえない
塗り潰される ふたつの影
思い出の中 刳り抜かれた心
だから私は
あなたのために 今 歌うわ
ひらひらと ひらひらと
踊るこの身は空ろの欠片
重なる一片を探して
幾度も天を仰ぐわ
さらさらと さらさらと
流れる涙は想いを満たして
あなたの笹舟を送るわ
あなたとの約束だから
笑って見送るわ