疑惑
ブロロロロ・・・・・・・。
車は林の中を抜けていく。
「ねえ・・・。本当にこの道で合ってんの?林なんだけど。」
「そんなことぐらい俺にだって分かってるよ、でも俺はここに何年も何年も通ってきたんだ。
見失うわけねーだろ!!!!」
私たちは広人曰く『キスをするため』になぜかこの林の中を抜けてきている。なんで?
「ねぇ、今からどこに行くの?」
「ん?秘密基地。仲間もいるぜ♪」
「え、仲間?!聞いてないんだけど!!」
「仲間っつっても一人しかいないんだ。お前もきっと仲良くなれる。」
「ふ~ん・・・・・・。」
「そいつは博士なんだ。星座のことや星のことなどを研究している。天才だよ、あいつは。」
「若い人なの?」
「うん、俺と同じくらい。」
「ってことはあたしと同じくらい?」
「まあ、そうなんだろう。」
「へえ・・・・・、興味ある。カッコイイ?」
「駄目だろ?そういうことを彼氏の前で言っちゃ。」
そう言って私に痛い視線を投げかける。
「ああ~・・、ゴメン。気づいてなかった。」
「お前、気づいてなかったってな、ちゃんと俺の彼女だっていう認識はあんのか?」
「ある・・・・、と思う。」
「全く・・・・・。」
いつも(いつもっていうけどカレカノになってから数時間しか経ってない。)
こんな感じ。
「もうそろそろだからな。身支度しておけ。」
「ねぇ、建物らしきもの無いんだけど?」
「地中にある。あそこは一面プラネタリウムって言ったほうが早い。すんごい綺麗なんだ。」
「ええ~っと、一つ、二つ、三つ・・・・・・。」
「さっきからなに数えてるの?」
さっきから質問が多い私。
「階段があるだろ、入り口までの数だ。でないと分からないから。」
「はあ・・・・。」
しばらくして広人が叫んだ。
「21!!」
「着いた?」
「おう。行こうぜ。」
広人に案内されて階段を降りる。
ドアがあったが、一向に開く気配が無い。
広人がうつむいて何かを考えている。
五分が経った。私は待つことに耐えられなくなり、広人に声をかけた。
「ちょっと」
「・・・ああ、そういうことか。」
私の声を無視して広人は壁にある機械に指を押し付けた。
ピーッと音が鳴り、ドアがするっと開く。
「勝弘!またセキュリティが手の込んだやつになってんな!最初分かんなかったよ。」
「ああ、すいません。でもこれは広人さんのためでもあるんです。分かってますよね?」
「・・・分かっているが」
「だったら文句は言わないでください。・・・そちらの方は?・・・ああ、広人さんもそういう年
に・・・・・」
「違うよ!!こいつはただの人質だよ!!」
勝弘の言葉を酷く否定するように、広人は言った。
その言葉に引っかかるものがあった。どうしてそんな強く否定するの?
それとも私のこと本当に彼女と思ってない?あんなに自分とお前はカレカノだって言ってたのに。
笑い合っている広人と勝弘の姿が見えた。
「こいつはさ・・・・」
「そうだったんですか・・・・」
そう言い合う声が聞こえた。
嘘だったの・・・・・・・?
貴方が話を振ってきたくせに?キスしたいとまで言ってきたくせに?
それを言うためにここに来たの?それとも勝弘に会いたかったからそういう理由をつけたの?
分からない。貴方の気持ちが分からないよ・・・・・。
「広人・・・・・。」
私が呟いた声も二人の笑い声に吸い込まれていって、消えていった・・・・・。
ちょっと短め。しかも内容を無理やり打ち切ったかんじ。
すいません・・・・。