8話
久々に通る通学路は新鮮に感じた。
「おっ! 不良少年発見!」と遠くの方から友人の声が聞こえた。
「おい、俺は不良ではないからな。あくまで俺は"任務"で休んでいたんだからな」
「それより知っているか。今日テストなんだぜ?」
「テストと言っても実技の方だろ? 大丈夫だと思うぜ」
「ああ、お前なら大丈夫だろうな」
「……テスト受けさせて貰えないからな」
そうなぜか俺はテストを受けさせて貰っていない。特別措置が取られているようだ。
「それにしてもこんなにゆっくり行って間に合うのか?」
「まだこんな時間……って、もうやばいじゃん!」
そしてあっという間にその場からいなくなった。――あれ、あいつ魔法使えたっけ?
俺は校長室でくつろいでますかね。
校長室まで空間転移した。
「おや、来るのが早いんじゃないか」
じじいがこの時間に来させたんだろ。まぁ、声には出さないが。
「今日は偶々ですよ。校長」
「それならいいんだがな。――霧夜ちゃんはどうしたんだ?」
「家に居ますよ。あいつだって休息が必要なんですよ」
校長は顔をゆがませた。
「家に帰ったら怒られるんじゃないのか」
「そうでしょうね……」
「君が優秀な国家クラス狩り人でも女には弱いんだね」
愉快そうに笑っているのをみた俺は、
「いくら校長でも容赦しませんよ?」
「それが若者の良さなのだよ。分かるかね、刀祢君」
俺は異空間に入れておいた刀を左手に持つ。
「ほう。私と戦いのかね」
「さすがこの学校の理事長でもあり校長。ここの学生では敵いませんよ」
持っただけで気付きあがった。
「ほう。それは君が言うことかね?」
「あの時は校長が手加減してくれたお蔭ですよ」
スピーカーからチャイムが鳴った。
「これで失礼します」
俺は扉を開けて校長室から出た。