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42 天下の行く末を見守る者(宇喜多秀家)
42 天下の行く末を見守る者(宇喜多秀家)
八丈島にて宇喜多秀家は豊臣と徳川の最後の決戦を見守っていた。
秀家は八丈島での暮らしに耐えながらも、上方の動向を把握するのに余念が無かった。
それは全て豪と守景の為である。彼らは大坂城で幕府軍四十万と戦っている。
秀家に宛がわれた屋敷にて、秀家はお茶を飲みながら、思いを馳せていた。
「豪……無茶をしておるようだな。其方らしい。大坂城に入ったと知らせを受けた時、
心底心配したが、もう何も言うまい。お主らしく生きればそれで良い」
空を眺め、遥か遠くにいる豪に言葉を投げかける。そしてお茶を啜り、一息つく。
思いを馳せながら、屋敷の縁側で寛いでいると、寺の住職が土産を持って来た。
「秀家様。私も話に混ぜてくだされ。饅頭を持ってきました」
「おお、それは旨そうだな。住職もお茶でも飲むか?」
「ええ、頂きます。大坂は今、豊臣と徳川の戦の最中でしたな」
住職が、秀家の心中を察する。住職も秀家の正室、豪が大坂城に入ったと言う報せを耳にしたらしい。
秀家は無茶をやらかしている豪の身を案じつつ、お茶を口に運ぶ。
傍に置いてある急須から、住職にお茶を入れてあげると、住職もお茶を啜った。
土産物の饅頭を食べながら、秀家と住職は語らっていた。八丈島での暮らしも存外悪くはない。




