34 大坂城へ(守景)
34 大坂城へ(守景)
大坂城豊臣家摂河泉六十万石――。
後継者の座を捨てた守景は江戸を離れ。遥か遠く離れた豊臣の本拠地、大坂城の秀頼の元にいた。
成長した秀頼は既に守景と遜色ない体躯の偉丈夫となっていた。
六尺を遥かに超え、年齢的にはやや早熟気味であるが、その態度は立派だ。
上座にて守景と秀頼は久々に対面を果たす。守景は嬉し涙を流し秀頼の成長を喜んだ。
「兄上、上方では大変な事態であったな。まさか、兄上が家康の息子とは。
母上と共に兄上の心配をしていました。だが、良くぞご無事でご帰還下さった」
秀頼も薄っすらと涙を流していた。それを見て、守景は思わず目頭が熱くなる。
あの小さかった幼子が立派に成長した。月日が経つのは早いものである。
秀吉の面影を感じる佇まいに守景は太閤殿下の再来かと、感じた。
守景は再び、豊臣家に家臣として仕える事を固く決めた。秀頼を守ると言う大役は自分にしかできない。
それは豪を始め、秀家や今は亡き、三成から何度も言われた事だった。
自らの名前の由来は陰ながら豊臣を守ると言う意味であると、いつか太閤殿下が言っていた。
「秀頼様も立派にご成長なさいましたね。私は嬉しく思います」
それは本心だ。弟同然に思っている秀頼の成長は素直に嬉しい。
自分の背丈も抜き、偉丈夫となった秀頼は豊臣家の主に相応しい。
「有難う……兄上」
弟のように思っている秀頼が立派に成長した。これならば何も言うまい。
守景は豊臣の将来に安堵の声を漏らす。やはり自分は豊臣家の人間だと守景は再確認した。
やはり、大坂城にいると心が安らぐ。久しぶりに心の安寧が訪れた瞬間であった。
この時代は「大阪城」ではなく「大坂城」だったんですね。
盲点でした。なので「大阪城}と書いた個所は改稿しました。




