33 仲直り(守景)
33 仲直り(守景)
江戸城を秀忠に明け渡し、家中を二つに割った徳川家の内紛は秀忠と豪の勝利で呆気なく幕を閉じた。
守景は晴れて豪と対面し、誠心誠意謝りの態度を見せた。自分はどうかしていた。
徳川の後継者だと言われ、浮かれていた自分が恥ずかしかった。やっと自分を取り戻した。
家康の洗脳が解けて、守景は正気に戻り、元の優しい守景に戻った。
「姉上……御迷惑をおかけしました。やっと家康の洗脳が解けました」
守景は豪へと深々と頭を下げ、家康の洗脳が解けたことを告げた。
豪は優しい慈愛に満ちた顔を浮かべ、守景を慈しんだ。守景は心の平穏を取り戻した。
「守景、やっと、元の良い顔に戻りましたね。良かった」
豪は守景に優しい言葉を掛けて、ホッとしたような顔を見せる。
その途端にその場の空気は和やかとなり、両者の間の溝は完全に埋まった。
「はい。もう私は徳川家と縁を切ります。後継者の座は兄上に押し付けます。
秀忠殿ならば、何も問題はありますまい。私は全てを捨てて出て行きます」
それは本心からだった。もう家康の操り人形は御免だった。
これからは自分の自由に生きたかった。天下人など御免だ。自分でなくとも務まるだろう。
幸いにも兄、秀忠は凡百の類ではない。為政者としての力は十二分にあるのだ。
「守景……私は何も言うことはありません。貴方の好きに生きなさい」
豪は晴れやかな笑顔で守景の門出を祝う。その言葉に守景は救われた気持ちだった。
「分かり申した。それでは……」
守景は無事に豪との仲直りをすることが出来た。そのことで守景は満足し、
家康に徳川家と縁を切ることを告げ、人知れず出奔した。誰にもその行方を追うことは出来なかった。
読んでくださって誠にありがとうございます。
闇落ちした守景は家康の洗脳が解けて再び豊臣家のために尽くします。




