22 天才策士の秘策(黒田官兵衛)
22 天才策士の秘策(黒田官兵衛)
黒田官兵衛は九万の軍勢を関ヶ原へと到着させた。しかし、すぐには動かず、
東西両軍が消耗した頃合いを見計らっていた。物見の報告では西軍は総崩れ。
西軍は笹尾山近辺にある砦に籠城したと官兵衛は報告を受け、遂に動き出そうとする。
砦を包囲する東軍の脇腹を突き、一気に殲滅する戦略を取ろうと動いた。
官兵衛にはある秘策があった。自軍の兵を大幅に強化する秘策だ。
「儂は予てより、古代中国の三国時代……南蛮の国に伝わる藤甲鎧の研究をしていた」
官兵衛は側近であり、全軍の指揮を命じている栗山利安に語るように秘策を明かした。
利安は、首を傾げながら、官兵衛の話を聞いている。武辺一辺倒の利安には難しすぎたか、と。
官兵衛は陽気に笑いながら饒舌に続ける。利安は耳を傾ける。
「官兵衛様が全軍の兵士に装備させた鎧の事ですね。
藤の蔓を編んで油を染み込ませて乾かすと言う工程でしたか?」
利安は思い出すように答える。官兵衛は利安に藤甲鎧について説明を始めた。
「そう。藤の蔓を編んで油を染み込ませ、ある秘密の工程で見事、完全再現させた。
装備すれば水に浮き、矢も剣も槍も通さない正しく最強の鎧。
それを儂は全軍に装備させた。さすれば、この戦の勝敗は決した」
官兵衛は自分の智謀が恐ろしくなった。九万の兵力を動員し、最強の鎧まで作り出した。
豊臣も徳川も滅ぼし、征夷大将軍に任命される自分を想像し、官兵衛は口元を緩めた。
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