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15 豪姫の覚悟(豪姫)

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 15 豪姫の覚悟(豪姫)



 宇喜多家備前岡山五十七万石――。

 夫の留守を預かり、豪は願っていた。三成や秀家が家康に勝利することを。

 まだ幼い二人の息子と共に夫の無事をひたすら祈っていたが、賢く聡明な豪は分かっていた。

 夫の秀家では家康に勝てないことに。気丈に振る舞い、悲しみを押し隠していたが、

 遂に限界が訪れた。張り詰めた糸が切れたように涙が止め処なくあふれて止まらなかった。

 豪は幼い息子達に向き直り、それでも言った。


「私はどのような結果を辿ろうとも、どんな理不尽な沙汰が下されても受け入れます。

 夫を誘った三成殿もお恨み致しません。豊臣家を灯す光が消えるわけではない。

 彼らの思いは次の者達に託されるのですから」


 豪は毅然とした態度で武家の娘の矜持を保つ。豪は母、松から、

『武門の家に生まれ落ちた者としての矜持を忘れぬよう生きなさい。

 決して見苦しい振る舞いはしてはなりません』と常日頃から言われていた。

 その精神を骨身に刻み、豪は夫の帰りをずっと待ち続けるのだった。

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