12 天才策士の野望(黒田官兵衛)
12 天才策士の野望(黒田官兵衛)
黒田官兵衛(琉球王国を秘密裏に滅ぼし、琉球王として即位した)は、
三成の挙兵の動向を凄まじき読みで掴んでおり、既に琉球の地を征服し、王として即位を果たしていた。
その後は内政に力を入れて、その手腕で肥沃な地へと琉球を変貌させた。
天下を取る準備を終えた官兵衛は九万にも及ぶ軍勢を率いて、九州に上陸した。
諸大名は皆、関ケ原の地にて集結している。故に各城は蛻の殻。
官兵衛はその隙に掠め取るように九州全土を制圧し、九万の兵を関ケ原の地へと促した。
その行軍速度は電光石火の如く。単純な兵力だけならば家康にも三成にも優っている。
そして、それを率いるのは天才的軍略家……あの伝説の竹中半兵衛と並び称される黒田官兵衛孝高。
その昔、秀吉の軍略の師であった頃からの老練にして巧みな軍略は他の追随を許さない。
「儂はあの天下人、秀吉の軍略の師であった。儂の智謀は家康にも三成にも優っている。
そして九万の兵力が合わされば天下は自ずと儂に転がり込んでくる」
官兵衛は日本全土を征服する絵図を頭の中で描きながら、九万にも及ぶ軍を無人の荒野の如く進ませる。
「官兵衛様、勝てる! この調子ならば家康にも勝てますぞ!」
側近の譜代家臣、栗山利安(現在は官兵衛が簒奪した琉球王国の大将軍となっている)
が、九万の軍勢の指揮を任されて有頂天になっていた。それを見て、官兵衛は誇らし気に、
「当り前の事を申すな。儂の天才的軍略と圧倒的大軍勢が合わされば当然の事よ」
さも当然とばかりに栗山利安を窘めた。官兵衛も内心では有頂天だった。
後少しでこの世の全てを我が手に入れられるのだから。
官兵衛は浮かれながらも、厳しく兵を叱咤し、稲妻の如き速度で、関ケ原の地へと向かう。




