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牛乳を買いそびれたスナイパー 2

作者: 森島十也

目の前から凶悪犯が逃げてきたら確保をする

それが今日の俺の任務だ


特殊強襲部隊に配属されて2年

初めての大掛かりな作戦に少し緊張をしていたが


閃光弾、催涙弾のてんこ盛りに5分もかからず制圧できるとタカをくくっていた

全世界の特殊部隊が任務で命を落とす確率は隕石に当たるのと同じ確率らしい


宝くじで言うと1000万円ぐらいがあたるくらいだと言う・・・知らんけど


そんな事を思ってると


催涙弾の煙から逃げるように人影が二つ出てきた


煙で上半身が隠れていて視認がおくれた

相手は銃を持ってる


一瞬の躊躇が生死を左右する

教官から言われて事が走馬灯のように蘇る


撃たれる!?引き金を引き切る前に一発の銃弾が煙の向こうから来た二人のうちの一人片手に持ってた牛乳を破裂させ、男二人の目にかかり、牛乳を打ち抜いた銃弾はもう一人の男が持ってた小銃を打ち落とす


「助か・・・確保」


刹那、安堵してしまうが自分の行動を思いだし二人の男を取り押さえる


手錠をかけ、銃弾の飛んできた方向を見上げると狙撃手が見え、今もスコープを覗きライフルを構えている・・・


助かった・・・今度礼を言おう・・・そう心に誓うと再び俺は現場へと目を向けた



牛乳ッッ!!

牛乳には何の恨みも無いが何故か打ち抜いてしまった


スコープを覗いて偶然の結果には驚いたその時


ピーガッ


無線が入る


「裏手に逃げたのが何人かいる確保しろ」


その言葉にスコープをずらし裏手を見るとボートに乗り込む影が数人見えた


まさに、エンジンをかけ発進したのを確認したので引き金を引く


狙ったのはエンジン部分、狙い通りに打ち抜き動きを止める


10分後無線で全員確保の報告が入り、撤退となり俺は立ち上がり


「牛乳を買いに行くか・・・」


確認をするように呟いた


スーパーの自動ドアが開き、籠を取ると乳製品売り場に足を走らせる


昨日と違い荷物がそれほどないので4本の牛乳をカゴにいれレジへ向かう


支払いが終わり、外へ出ると夕焼けのシルエットに妻と娘が手を繋いで立っていた


「おとーさん、おかえりぃ」


娘が駆け寄ってくる

右足にぎゅっと掴み顔を見上げニッコリとほほ笑む


「おかえりなさい、お疲れ様」


妻からも優しくねぎらわれる


「おとーさん、ぎゅーにゅー買ったの?もう買ったの???」


娘は目線の先にある牛乳を見て喜んでくれた


「ねぇ・・・あなたソレ・・・」


「あぁ、ちゃんと買ったよ牛乳」


妻は言い淀み口を開いた


「いつも飲んでるやつじゃなくて特濃やん」


「違うの?」

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