After.1 王国の終焉
伝説の淑女。
人類史上最強の女性として君臨したリーズレット・アルフォンス。彼女は長く続いた因縁に終止符を打ち、結婚という幸せを掴み取って一人娘を出産した。
彼女の娘であるリアラレットはガーベラの息子と結婚し、王位はリアラレットに引き継がれた。リーズレットの娘であるリアラレットはリリィガーデン王国の女王となり、リアラレット・リリィガーデンと家名を改める。
母であるリーズレットは娘が王位を継いだ後、彼女のアドバイザー兼軍事関係の総合顧問として就任。
彼女を筆頭としたリリィガーデン最強部隊であるアイアン・レディはマギアクラフトの残党が残る大陸全土の監視を継続しながら残党狩りを決行。同時にリリィガーデン王国が制圧した三か国の反抗勢力を潰して回る。
圧倒的な武力とそれを反抗する者達に対しての見せしめとなる容赦無き処刑の数々。西大陸に現存していた国々は王国を恐れ、リリィガーデン王国女王であるリアラレットが推奨する『平和協定』に調印することでリリィガーデン王国に併合された。
これによって西大陸全てがリリィガーデン王国に掌握された。いや、大陸統一を果たしたと言っても良いだろう。
最強の淑女であるリーズレット。そして、彼女の教えとガーベラによる政治教育を受けたリアラレット。この二人が生きた時代はリリィガーデン王国の黄金時代と後世にも語り継がれる。
――しかし、何事にも終わりは来るものだ。
後の学者に「王国終焉はどこから始まったか」と問えば、間違いなく「伝説の淑女とその娘がこの世を去ったのが始まりだ」と言うだろう。
リーズレットとリアラレットという親子が持つ優秀な能力とカリスマ性。それに惹かれた優秀な部下達。黄金時代の主役とそれを支えた部下達がこの世を去って以降、リリィガーデン王国は徐々に衰退の道を辿る。
現在のリリィガーデン王国は世界トップの国とは言い難い。リーズレットとリアラレットの死後から300年の時を経て、遂にこの国は終焉を迎えるのだから。
一族にとって屈辱的な選択を下し、歴史と伝説の残る淑女の国に幕を下ろしたのは時の女王であるアリアレット・リリィガーデンであった。
「1年後の王国新生の日を以って、女王制撤廃を決めました」
リリィガーデン王国首都にある城の会議室で行われる女王会議。その場に参加する貴族達の前でアリアレットはそう宣言した。
それはリリィガーデン家が代々女王を務めてきた歴史に終止符を打ち、権力と権威を完全に捨てること。
先にも言った通り、彼女にとってこの選択は屈辱的だ。淑女が救済し、彼女と娘が黄金時代を築いた国を終わらせるという、王家にとっては屈辱的な選択。
アリアレットは膝の上にあった拳をきつく握りしめ、顔を俯かせながら告げる。リーズレット譲りの綺麗なプラチナブロンドが表情を隠すように垂れ、彼女の肩は微かに震えていた。
女王会議に参加する貴族達は宣言を聞いて俄かにざわつき、各々が小声で感想を漏らすが……。
アリアレットにとって屈辱的な判断を好意的に受け入れるのが8割。残りの2割は本当に心から残念がっている、歴史ある家の者達だった。
「……陛下のご判断を尊重致します」
起立して言いながらアリアレットに頭を下げるのは、白髪と白い髭を蓄えた老人。彼はリリィガーデン家の親戚筋にあたる者であるが、女王制撤廃を影で唱えていた首謀者だ。
建前上、アリアレットに頭を垂れているものの、内心では「ようやくこの時が来た」と思っているに違いない。
「長く続いたお勤め、ご苦労様でした」
まだ終わるのに1年の時があるというのに、もう既に終わったかのように言ったのは黒い髪の若い男性貴族。
彼も先の老人と同じくリリィガーデン家の遠い親戚といった家の者。老人と同じく女王制撤廃後の政治体制となる大統領制のトップを狙っていると囁かれる忌々しい豚である。
彼等を筆頭に国の政治を司る貴族達の8割が女王制撤廃を喜んだ。
何故、こんな事になっているのか。それは時代の流れが望んだとは決して言えない理由があった。
リーズレットがマギアクラフトを殲滅して以降、リリィガーデン王国は東大陸の統一と同時に西大陸にある国々へ牽制を仕掛けてきた。
当時は最大の戦力と抑止力の象徴であるリーズレットとアイアン・レディの遺産があった。それ故に西大陸の者達は迂闊な事できず、彼女の脅威にただ怯えることしかできなかったろう。
しかし、淑女の恐怖に怯えた西大陸の国々はいつか来るかもしれない侵略に備えて準備を始める。それが後に西大陸全土に影響を及ぼした魔法技術の革命に繋がった。
西大陸で育っていた独自の魔法技術と併せ、微かに与えられたマギアクラフトの技術を融和させて、今では世界トップクラスの魔導技術にまで成長。現在ではリリィガーデン王国で主流であったアイアン・レディ式の技術よりも数倍優れた性能を持つ兵器類を生産している。
一方で、リリィガーデン王国は当時から続く『実弾至上主義』を貫いていた。アイアン・レディの持つ独自技術を貫き、魔法に対する研究を疎かにしすぎたのだ。
世界的な技術競争に負けた原因は歴史と伝統を重視しすぎた事だろう。特にアイアン・レディ隊が存在しており、当時の城内各部署において権力が強かった軍部はこの流れを頑なに譲らなかった。
同時にアイアン・レディ式の技術を更に昇華できる優秀な技術者が誕生しなかった事も原因の一つと言えるだろう。
ただ、総合的に見れば原因は技術面だけじゃない。
現在の世界情勢、社会性は『王』というものを必要としなくなった。
起因となったのは、やはり西大陸。あちら側では王家や貴族といった格差を生む存在に対する憎悪が膨らみ続け、下層に属する国民達による権利の主張が始まる。それらは徐々に大きくなって、国民達の暴動や改革派によるクーデターが巻き起こる。
こうした流れもあって西大陸の国々は王政や貴族制度を撤廃。
『本当の自由を手に』
そんな掛け声と共に国民達による社会改革と国の在り方というものに変化が訪れた。
そして、西大陸で起きた流れはリリィガーデン王国のある東大陸に流れ着く。絶対的な王政を敷いていたリリィガーデン王国内では「王家という絶対的な存在を必要としない」という建前と共に欲深い貴族達による王家撤廃の活動の兆しが始まったのだ。
女王が消えれば、次は自分がトップに立てるかもしれない。そんな甘く輝かしい未来を夢見て。
黄金時代のリリィガーデン王国であれば、これらの騒動など軍によって制圧されていただろう。しかし、この国は長く繁栄が続き過ぎた。
大陸から戦争が消えた事もあって、国内では軍縮の空気が強まった。軍の維持に掛かるコスト、実弾至上主義の象徴である軍正式装備の備品である実弾生産に掛かる割高なコストの削減。削減した分を国民の生活に回せ、国民の血税はタダじゃないと一部の貴族達が意見を挙げた。
更に数代前の女王は歴史的に見ても最悪と評価されるだろう『融和政策』を実行して、他国との平和的国交及び自国の軍縮を開始。
これにより縮小を続けていたアイアン・レディ隊は完全に解体。同時期に実弾至上主義の要である強力なアイアン・レディ式兵器を動かす動力炉「リアクター」を製造する為に必須な資源の国内枯渇――完全に枯渇はしていないが、リアクターの生産数が減少して稼働できる兵器数が激減した――が起きる。
西大陸から資源を輸入しようにも、相手は当時の恐怖を自ら再現しようなど思わないだろう。結果、リリィガーデン王国は世界的にも技術力が遅れた状態で国防能力の低下を引き起こすという最悪の事態に陥った。
優秀な血筋から必ずしも優秀な子が生まれるわけじゃない。繁栄を手に入れた者達が必ずしも勤勉さを持ち続けるわけじゃない。その良い例が今のリリィガーデン王国と言えよう。
この最悪の時代に女王となったのが、現在の女王であるアリアレット・リリィガーデン。
彼女は歴代女王の中でもリアラレットに次ぐ優秀さを持っていた。どうにか状況を変えようと足掻いたが、結果としてはご覧の有様だ。
技術的にも世界経済的にも打撃を受けた国内情勢、先代女王による政治の失敗、繁栄が続いた副作用として歴史と建国の経緯を忘れた欲深き愚か者達の量産。
これら全ての要因が絡み合い、アリアレットの奮闘虚しくリリィガーデン王国は終焉を迎える。至った問題をリーズレット流で簡潔に述べるのであれば「国全体が飽くなき欲望を求める豚に成り下がった」だろう。
しかし、本当にこれらの要因がタイミングよく重なるだろうか? 一番そう思っているのはアリアレットに違いない。
事実、西大陸の思想革命とそれが東大陸に流れ着くまでの時間は然程無く、向こう側で革命が起きてから僅か2年という短い時間で東大陸貴族内での思想変化が始まった。
彼女は内心でこう思っているに違いない。これは西大陸にいる何者かが起こした『思想侵略』だ、と。
「来年までに新しい政治体制の地盤を整えるように」
とはいえ、女王制撤廃の判断を下したのは、あくまでも国民のためである。このまま王位にしがみついて、女王制撤廃を唱える貴族達との内戦に発展しないようにと考えての決断だった。
内戦が起きれば傷付くのは国民だ。王家として国民に無駄な血が流れないよう努力した結果である。国内貴族の暴走と西大陸からの思想侵略をも飲み込んでやれば、国の政治体制は変われど本格的な戦争は起きまい。
もう恐怖で圧倒する力もないリリィガーデン王国王家が切れるカードは、女王制撤廃という強制的に引き起こされた時代の流れに乗ることしかなかったというのも事実である。
「承知しました。次期体制につきましては、現在構想しているものをベースに我々で協議を進めて参ります」
白髪の老人は内心ほくそ笑みながら言っているに違いない。我々で、とあるように次期政治体制の枠組み作り――大統領制とする新しい政治体制について女王は介入するなと暗に言っているのだから。
アリアレットが王位を捨て、政治家として立つ事すらも許さないと思っているのだろう。
「ええ、頼みます。それと……」
だが、アリアレット・リリィガーデンはタダでは転ばない。なんたって彼女は偉大なる淑女の血を受け継ぐ女王なのだから。
彼女はニコリと笑いながら告げる。
「最後の女王命令です。半年後、貴族制度を撤廃します。次期政治体制における議員の選出と大統領の選出は国民投票によって決めることとします」
女王制が終わるのであれば、貴族制度も道連れに。彼女の宣言は会議室の時を止めた。シン、と数秒静まり返る会議室の中に阿鼻叫喚のような声が徐々に漏れ始める。
女王制を撤廃して貴族制度は継続させるつもりだった貴族達は想定外の事態となっただろう。上位貴族の威光と派閥や身内の繋がりを駆使してトップ層に食い込もうとしていた者達は次々に顔に苦々しい表情を浮かべた。
「陛下、それは――」
「言いましたよね? これは女王命令です。私はまだ女王ですよ?」
異を唱えようとする貴族に対し、アリアレットは頑として譲らない。これは絶対的な命令であると宣言し、最後の最後で豚共の顔面にクソを塗りつけた。
「今日の昼にはこの女王命令が大陸全土に告知されるでしょう。半年の間に貴族としての仕事を片付け、各家が担当する仕事は全て文官に引き継ぎなさい」
城で行われる各貴族の政治的な仕事は全て現在の文官に譲渡し、貴族の位はただの称号に成り下がる。実家で何か商売でもしていない者達は半年後から実質的に無職となるだろう。
それこそ、目先の餌に釣られて女王制撤廃を喜んでいた8割の貴族達は、国民の信任を受けて議員にでもならなければ食い扶持が得られない状況に陥る。
さて、抗ってみせろ。そう言わんばかりに笑いながら、アリアレットは席を立った。
「では、あとは頼みます」
愚かな豚共を道連れにしたアリアレット。彼女の胸にあったモヤは少し晴れたと言うべきだろうか。
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同日の夜、アリアレットは城を出て魔導車に乗り込むと南にある王家の別荘へ向かった。
そこは嘗てリーズレットが国から譲り受けた海の見える家。偉大なる淑女の家と言える場所に向かい、そこで心から信じられる忠臣達との会合が始まるのだ。
未だ綺麗に保たれるリーズレットの家に到着したアリアレットは一人の老人によって迎えられた。
「陛下。お待ちしていました」
「ありがとう、タンザー公爵」
運転手が開けたドアから降りたアリアレットを迎えてくれたのはタンザー公爵家の先代当主。彼は嘗てリーズレットの部下にしてアイアン・レディの一員であったオブライアン・タンザーの子孫である。
家は既に息子に継がせ、今ではリーズレットの家を管理する管理人業をしながら余生を過ごしていた彼は女王を迎えると深々と頭を下げた。
彼と共に家の中に入り、応接用の広間に向かうと中には忠臣たる面々が。彼等の中には女王制撤廃を告げた際に落胆していた2割の貴族達を含め、リーズレットとリアラレットが存命していた黄金期時代から国に仕える者達が勢揃いしている。
「陛下。この度の判断は……。心中、お察し致します」
「我等の力及ばす、誠に申し訳なく」
広間の中でアリアレットを迎えた忠臣達は現状の責任は自分達にあると詫びた。
「いいえ。貴方達の責任ではありません。私が……。王家がもっと早く気付いていれば……」
西からの思想侵略、先代女王達が残した負の遺産、それら全てをもっと早くに解決できていればマシな未来はあったのかもしれない。アリアレットもまた深く頭を下げて忠臣達に詫びる。
「しかし、私達は前に進まなければならない。リアラレット様の掲げた大陸全土の安定と平和のために」
そう、彼女には――リリィガーデン家にはまだ役目が残っている。それはリーズレットの娘である真の女王、リアラレット・リリィガーデンが王家に託した未来永劫続く使命。
統一した西大陸から戦争を失くし、再びこの世を欲深き豚共に支配されないよう努めること。
その使命を続ける為ならば歴史ある王位だって捨てよう。欲深き豚共に影で罵られようとも、偉大なる淑女と淑女の子が託した使命は絶対に存続させてみせると決意の眼差しを忠臣達に向けた。
アリアレットは一拍置くと、大きく深呼吸をしてからタンザー公爵へ問う。
「時間がありません。状況報告を」
「ハッ。現在、息子とブルーコスモス家が動いております。進捗は7割ほど」
既に王位を捨てる予定のリリィガーデン家とその忠臣達が活動の場とする土地は選定済みであると彼は告げる。
タンザー公爵が現状の計画進行率を告げると次に手を挙げたのはローマイン侯爵家の者。嘗て、リーズレットと共に戦った北の女傑の血筋と情報部に勤めていたサイモンの血筋を受け継いだ子孫であった。
「既に世界各地に工作員を紛れ込ませております。現在手元にある情報だけを見ても……。やはり今の世界情勢は裏で糸を引く者がいると考えられます。アルテミス研の準備が終わり次第、情報統合を始めようかと」
そう告げたローマイン家の者は隣にいた技術者――リリィガーデン王国最高技術研究所であるアルテミス研究所、通称『アルテミス研』の所長である男性に視線を向ける。
「現在、スカーレット家と共同作業を行っているリトル・レディの復元作業は順調です。進捗は6割ほどまで進みました」
所長である男は眉間に皺を寄せて難しそうな顔を浮かべた。
現在、アイアン・レディの情報ネットワーク中核を担っていたリトル・レディは休眠中。これは彼女を動かすリアクターが製造・修理できなくなったことで稼働が不安定になった故の処置であった。
リアクターの稼働数が減った事でリトル・レディの稼働が維持できなくなってしまい、完全に機能が停止する前にネットワークを遮断。最小稼働に切り替えてシステムの維持と膨大な量の情報をバックアップするべくパワーを使っている状態である。
リトル・レディは彼女達が活動するための要となる。彼女の復活は絶対に必要だ。故にスカーレット家――侍女長であったサリィが後に家名を得て誕生した家――と共に急ピッチで作業を進めていた。
「女王制が撤廃される前に、どうにか完全稼働できるようにして下さい」
猶予は1年。それまでにリトル・レディを完全稼働できる環境を作り、移設しなければ国内の豚共は貴重なシステムを過去の遺物として破壊するに違いない。
「承知しております」
ただ、そう言う所長の眉間には皺が寄ったままだ。
「何か問題が?」
アリアレットが問うと所長は首を振った。
「いえ、私自身の問題でございます。魔女の技術を用いる事に未だ抵抗がありまして……。それに、スカーレット家も自ら名乗り出たとはいえ……」
「貴方は敬虔な淑女教の信仰者ですからね。信仰に背くような事をさせて、本当に申し訳ないと思っています」
使命を果たすために、彼女は嘗て敵であった魔女の技術すらも利用することを計画の提示と共に決断した。これは伝説の淑女であるリーズレットを神格化するリリィガーデン王国の愛国者達からしてみれば『異端』と言えよう。
だが、今の状況から考えると手段を選んでいる暇は無い。使える技術は何でも使う。対抗できる手段があればどんな物でも利用してみせる。例えそれが、長くリリィガーデン家に仕えるスカーレット家を生贄に捧げるような事であっても。
苦しい決断であったが、決断したのはアリアレット本人。しかし、彼女の顔にも陰りがあった。
彼女は一度顔を俯かせると、広間の中に飾られれていた娘を抱く淑女の肖像画――幼き頃のリアラレットを抱きながら微笑むリーズレットを見つめる。
「私は地獄へ堕ちるでしょうね」
「陛下……」
嘗て国に繁栄と栄光を齎した伝説の淑女。その淑女が滅した魔女の技術を復活させて活用する。一族の異端者、恥知らずと罵られてもおかしくはない。
「それでも……。それでも私はッ!」
アリアレットは両手をテーブルに叩きつけた。瞳には憎悪を宿し、この国を蝕む豚共への怒りと恨みの念を表すような表情を浮かべて――
「それでも私は勝利を諦めないッ! 必ず勝つのがリリィガーデンだッ! 勝利の為ならば地獄にだって堕ちてやるッ!!」
嘗ての黄金時代は過ぎ去った。今の国にあるのは欲に満ちて臓物を腐らせた豚達と歴史ある国を食い物にしようとする愚か者たちの思想。
伝説の血筋は力のほとんどを失い、今は無様に地べたを這い蹲る。
もう、この世に淑女は現れないだろう。もう二度とこの世に淑女が蘇る事は無い。
だが、それでも勝利への渇望を宿した王国最後の女王が、淑女と淑女の子が残した精神を後世に残すのだ。
「我がリリィガーデン家は必ず勝利を掴む。私が泥水を啜ろうとも、私の子とその子孫が……。必ず国を終わらせた愚か者共を血祭にあげてみせるッ!」
これはリリィガーデン王国最後の女王が成し遂げる小さな物語。そして、淑女の血を受け継ぐ彼女の子孫達が成し遂げる復讐の序章。
――この会合から一年後、王国は終焉を迎えて元王家であるリリィガーデン家は表舞台から姿を消す。淑女の血を受け継ぐ者達は復讐の為に世界の闇へ潜った。
GWだったので続編っぽい雰囲気のを書きました。
この話の続きっぽいのは短編で投稿しています。よかったら読んでみて下さい。
→ 『彼氏を奪われましたので家の掟に従って必ず殺します』
→ 『最悪魔法少女☆リゼ・スカーレットは世界を浄化する ~獣人民族戦争編~』




