そして、歯車の回転は加速していき壊れてしまう 1
「な、なんで、俺と同等の力を持った存在がいんだよ」
下着のみのダサい姿。背中には勇者の持つようなカッコいい剣を背負っていた。
金色の髪をなびかせながら、額には汗を浮かべていた。どんどんどんどん、深く深くへ走っていく。右手の甲に十字のあざがある。
「なんで、勇者の俺が、負けないといけないんだ」
勇者、名を相場 勝人は、相馬から逃げるために走っていた。
・・・
相馬は、自分か召喚した八岐大蛇と話をしていた。
「お前って名前があるって言ってたけど、何て言うんだよ」
「オマエ、ワレの存在の意味はわかっているのか?」
「蛇」
「違う!ワレは八岐大蛇、名は『クサナギ』だ!」
「……蛇」
「クサナギだ!」
この「……蛇」、「クサナギだ!」というやり取りを複数回繰り返した。
リリスは、手を自分の唇に近づけて、赤く染まっていた。
相馬と八岐大蛇は、そんな事をするリリスを見つめて、
「ナニをしてるんだ、あのコムスメは」
「さぁ」
視線に気が付いたリリスは、さらに赤く染まる。
「本当にナニをしてるんだコムスメ」
「思い出し笑いと関連したことじゃない?」
「ワレが訊いているんだ。ギモンで返すな」
「あ、ごめん」
いつの間にか、軽い感じで会話できるようになっていた相馬とクサナギ。
リリスは、深呼吸をして、自分を整えていた。
来週の水曜日に長文を投稿しますので期待してお待ちください。
そういえば、明日は誕生日だったと思い出しつつ、ポメラの購入を自分の財布と相談しています。自分へのご褒美も財布という母親に相談しないと買えないとは、もっと頑張ろうかな。