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Different world life  作者: 「」
第一章 怒りとカラーと勇者と
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3

 森深くで出会った美少女リリスと異世界転移者、神薙かんなぎ 相馬そうまは、リリスから教えてもらった『召喚』した。

 そして、相馬が召喚した獣は、首が八つ生えた大蛇だった。


「あ、あなた、一体何者?」


 リリスは、驚いた表情で相馬を見つめた。


「さぁ、一体何者なんでしょうか?」


 相馬はリリスをからかうように言った。今思えば、リリスからは賢者一族の子孫ということしか知らない。


「オマエか、ワレを呼ぶものは」


 首の八つ生えた大蛇、八岐大蛇は、相馬を見る。


「そうだけど」

「なら、オマエのとなりオナゴは、生け贄か?」

「リリスの事を言ってんのか?」

「知らん。ワレはオマエのとなりにいるオナゴのことを言っているのだ」


 何言ってんのこいつ。俺の隣には、リリスしかいないっての。幽霊ですかね。幽霊がいるのか。


「わ、私はリリス・ピオーネ。高貴な賢者一族の子孫よ」

「コウキなケンジャイチゾクのシソン?そんなの知らんわ!」


 八岐大蛇は、リリスに怒鳴った。そして、


「ワレには、エサにしか見えない」


 と、言い放った。

 リリスを見ると、目が死んでいた。面倒くせぇ。異世界に転移して面倒事にしか絡まれない相馬。悪運というスパイスが効きすぎていて、刺激的だ。

 そんな時、ごつい鎧を着た勇者が現れた。


「砂煙が起こった方へ向かってみれば……やはり、リリスはそこにいたのか!」

「あ、」


 リリスは勇者を見ると、俺の上のジャージ裾を掴んで怯えていた。

 よく見れば、リリスの小さな手には斑点のようなのがあった。


「面倒事。さらに増えた」


 相馬は小言を言った。


「さぁ、リリス。勇者の俺と一緒にくるんだ!」


 勇者は無理やり、リリスの手を引っ張ている。


「ゲミンが!ワレをほおっておくとは何事だ!」


 八岐大蛇は、吠える。怒鳴るのではない吠えるのだ。

 面倒が増えていく。異世界に転移した瞬間これですか。面倒だ。面倒くさい。面倒くせぇ。

 相馬の心は黒くなっていく。


「お前は、リリスの何なんだ」


 相馬は、勇者を睨む。


「リリスは俺の仲間だ。勇者のパーティーには、賢者がテンプレだろ」


 ドヤ顔で言う勇者。


「おい、オマエら」

「おい、蛇」

「ワレには、名前が」

「ちょっと黙ってろ」


 相馬は、いきなり喋りだした八岐大蛇を睨む。

 八岐大蛇は、相馬の姿を見て黙った。

 相馬の身体の右半分が、黒い炎、黒炎を纏っていた。


「なんだ、その見掛け倒しっぽい姿は、勇者の俺に敵うものなどいない!」


 勇者は、相馬に切りかかった。

 相馬は、勇者の胸元に右手を当てる。

 勇者は、動きを止めた。


「何がしたい。俺の身体はこの神聖なる鎧で守らている。無駄だ」


 勇者は、不敵な笑みを浮かべた。これは、完全に勝ったと思ったとき、油断して出る下等種族の人間の行動だ。

 元・人間の相馬だからこそわかったのだ。

 相馬は、静かに告げた。


削除デリート


 黒炎が勇者を包む。


「な、なんだこれ」


 勇者は、焦り始めた。やっと焦り始めたのだ。

 勇者が焦り始めた時には、もう体全体に黒炎が回っていた。


「ぐぁぁーーーーー」


 勇者は叫ぶ。そして、


「タスケテ、クダサイ。タスケテ、クダサイ」


 と、連呼を始めた。

 相馬は、勇者を見てこう言った。


「リリスが助けてくださいって言ってたから無理」


 リリスが相馬のジャージの裾を持った震えた手。怖かったのだろう。多分、助けて欲しかったんだ。

 相馬は、そう解釈してやったのだ。

 そして、深呼吸をして、ゆっくりと述べ始めた。


「リリスの身体に斑点があった。あざだろう。数日すれば綺麗に無くなる。でもな、心の傷は一生消えない。どれだけ、忘れたくても忘れることはできない。人間の心ってのは、そんなもんだ。だから、それを戒めとして、一度犯してしまった過ちを二度と繰り返さないためにするんだ。そして、お前みたいな都合が悪くなれば助けを求めるのも人間だ」


 そう告げて、リリスの手を握る。


「お前は、今日から俺だけの女だ」


 少女漫画の展開。ご都合主義なのはわかっている。それでもここまでしないとダメなのだ。

 相馬は、リリスの柔らかなぷっくりとした唇に、自分の唇を当てた。

 リリスの顔色は段々と赤くなっていく。


「勇者。言い忘れたけど、その魔法の止め方は知らん」


 そう勇者に言った時には、勇者の姿が無く、まだ、燃え続けている鎧だけが残っていた。

 そして、地面には足跡がくっきりと残っていた。

マジで、こんな展開になるとは、思っていなかったです。作者でもこの先の予定は未だ未定でございます。

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