2
異世界に転移した神薙 相馬は、森深くでリリスとそれを追う勇者に出会った。
相馬は、勇者からリリスを見ていないと、伝え、勇者からリリスを助けた。いや、足を踏まれて強要されたの方が正しいのではないだろうか。
とにかく、相馬はリリスになぜ、勇者から逃げているのか理由を聞くことにした。
「私ね、有名な賢者一族の子孫で、私が一番賢者の素質があるの」
自分で私は天才っていうやつは、結構な雑魚が定番でお決まりなんですけどね。
「いま、嘘を言っている思ったでしょ」
あ、面倒くせぇ。
「いくわよ、私の力に見惚れなさい!」
何で見惚れないといけないの。そう思いつつ、リリスが何をやるのか見ることにした。
「高貴な魔獣よ、私と共鳴しなさい!出でよ、フェンリル」
そして、リリスの周りには煙がたつ。そして、「ニャー」という鳴き声が聞こえた。
―ニャー?フェンリルは群れることない一匹狼の神獣のはずだ。猫はおかしい。
煙が段々と薄くなり、リリスが呼び出した高貴な魔獣とやら現れた。
……どうやら、リリスは天然らしい。
そこには、しっぽが二つある猫がいた。手の上に顔を乗せて、のんびりと寝転んでいる。
フェンリルじゃない、猫又。
「あースゴイ、わースゴイナ」
「ふん、どうでしょ、私の力に見惚れたでしょう」
棒読みにも関わらず、ドヤ顔で言ってくるあたり、芸人としての才能があるのだろう。
それに、そのフェンリル、相馬の見立てでは猫又の神獣は、すやすやと寝ていた。
マイペースな神獣ですね。
「そうだわ、ゾンビも召喚してみればいいじゃない」
ゾンビは確定なのね。認めたけどさ。
「俺は、一人で生きるのが得意なので、群れるのは、嫌いだな」
「何よ、その持論」
「長年の経験と知識によって完成した持論だ」
「あなたの経験や知識には出会いや幸せはなかったのかしら」
「……女子からの誹謗中傷を受け」
「やめて、結構つらい現実を聞くとは思ってなかった」
「さいですか」
実際、一人で生きるとは大変なことだ。一人はみんなの為にが、自分は自分の為にと変化しているのだ。
「さ、こんな暗いのは嫌だから、召喚について説明するね」
リリスは淡々と説明する。
要点をまとめると、召喚獣は、能力や考え方、知識によって変わる。誰もが召喚獣を出せれるとは限らない。召喚獣の召喚は、一日三時間まで。
相馬は、取り敢えず、リリスの言う通りにした。
手を空に掲げた。そして、召喚という。
すると、目の前が煙で覆われた。
咳払いをして、煙を手で扇ぐ。
そこにいたのは、八つの首をした大蛇だった。