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Different world life  作者: 「」
第一章 怒りとカラーと勇者と
5/12

物語は動き出す 1

 森深くで目を覚ました神薙かんなぎ 相馬そうまは、体を起こして服についた汚れを払い落とした。

 相馬の服装は、シンプルなジャージだった。

 周りを見渡し、取り敢えず森から出るを目的とした。風景の色は、変わらずモノクロだった。

 方角が分からない。どこへ行けば森に出ることができるのか分からないが、取り敢えず歩いた。

 北極星。モノクロしかわからない相馬には、意味が無い。

 森の中は、葉が生い茂っていて、進む道にある葉を手でかき分けながら、前へ前へと行く。

 そんな時だった。「きゃーー」という、女の叫び声が聞こえた。相馬は、勇者じゃないし、面倒事には、関わるのは嫌なので、声がした方の反対方向を歩いた。

 前の葉から何かが出来た。伝説の何かと言えそうな無駄に装飾を付けた鎧を身に着け、剣を背中に背負っていたイケメン。髪が走るたびに後ろへ流れていて、額に汗を浮かべながら、声がした方へ向かっていた。

 ちらっと俺を睨め付けてきた気がするが、気にすることなく、俺は、前へ進んだ。

 次の瞬間、俺の腰に何かが抱き着いた。相馬は、後ろを振り向き、抱き着いてきた正体を暴く。

「わ、私を助けなさい」

 さっき聞こえた叫び声と同じ声。嫌な予感しかしない。

 ロングヘアー。そして、綺麗に整った顔。相馬の腰より少し上くらいの身長。これを美少女以外で何と例えればいいのだろう。

「え、いきなり、何?」

「わ、私を助けてくれればいいの!」

 何、この上から目線の言い方。腹立つ。

 美少女は、近くの葉の茂みの中に逃げた。すると、さっきの金髪イケメンが、出てきた。

「銀髪の少女を見なかったか?」

「見っ」

 相馬の足に痛みが走った。

「い、いや、見、見てないです」

「本当か」

 大きな声で威圧するように問う。

「人を信じれるようになりましょうよ」

「ふん、余計なお世話だ。勇者の我に、指図するな」

 面倒くさいタイプだ。友だちになれないランキング一位にランクインしている。自分から勇者名乗るとか、勇者主人公の片隅にもおけない。いや、モブキャラ以下である。

 それに、人を信じてはいけない。信じるといつかは裏切られる。周りについていけない人間は四捨五入で切り捨てられる。つまり、ついていけないレベル4からレベル1の人は、ぼっちとなるのだ。そして、上位の責任を全て負うことになる。

「もし、嘘をついていたら、その首は、土の上だ」

 は、何言ってんのこいつ。

 イケメンは、ドヤ顔をして、相馬の前から立ち去ったのだ。

「やっと、どこかへ消えてくれたのね」

 茂みから美少女が出てきた。

「ありがとね。え、えっと、ゾンビさん」

「それは、失礼じゃないのか?」

「だ、だって死んでるんだもん。顔が」

「……なら仕方ないか」

 こいつは、人の顔であだ名を決める人間だ。嫌いな人ランキング上位だね。

「そのまな板を揉ませてくれたらいいよ」

「まな板?」

「いや、名前を変えろってこと、ちゃんと名前言うからあだ名はやめろ」

「わかったわ。私は、リリス・ピオーネよろしくね」

「俺は、相馬だ。神薙かんなぎ 相馬そうまだ」

「そうま、そうま、ソーマ。……分かりやすいからゾンビでいい?」

 結論はゾンビなのですね。

「もう、何でもいいです」

 これ以上名前を変えろと言えばゾンビ以上の名前が出てきそうだ。悪い意味でだ。

「で、話を変えるが、ピオーネは」

「リリス」

「は?」

「リリスって呼んで」

「リリス?」

「何で疑問形なの」

「……っで、リリスは何でこんなとこにいんだ。さっきのやつはなんだ?」

「あ、話を逸らした」

「逸らしてない。戻しただけだ。てか、早く質問に答えろ」

「……はぁ。わかったわ」

 そうして、リリスは答える。

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