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Different world life  作者: 「」
序章 異世界への片道切符そして、不明
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異世界行きの片道切符 1

 家で一人、誰と話すことも無く、パソコンと睨めっこしてオンラインゲームをする日々。

 俺の部屋にあるカレンダーは、去年の2019年のままだった。今年は2020年で東京オリンピックが開催される。

 俺、神薙かんなぎ 相馬そうまは、可もなく不可もなくといった顔でだが、良い思い出は無い。

 ふと、窓の外を見ると、桜の花びらが見えた。


―もう一年が経つのか。


 俺は、高校三年生の時に事件に巻き込まれて引きこもりになった。後、一年頑張れば卒業できたのだが、事件に巻き込まれてから、クラスから異物を見るような目で俺を見ていた。そして、俺の方を見て、こそこそと何かを話していた。

 そもそも、俺がなぜ、こんな目に合わないといけなくなったのか、答えは簡単だ。

 『冤罪』である。

 俺は痴漢をしたと冤罪の罪で捕まったのだ。俺を訴えた女は、「示談で済ませてあげる」と上から目線で言ってきた。俺は必死に無罪を主張したのだが、無駄だった。両親は俺を信用してくれなかった。お金を女に渡して俺に向かって言ってきた「お前は我が家の子供じゃない」と。はっきりとした声で。怒りと憎しみ、哀れみが入り混じった声だと感じた。

 警察にも、もちろん無罪を主張したが無駄。冤罪は人生を狂わせた。

 だから、俺は、マスクとサングラスを付けて、顔を隠して、俺の人生を狂わせた冤罪女をストーカーした。

 やられたらやり返す。やり方は人それぞれだ。正解は無い。

 俺は、女の動画を撮り続けた。すると、冤罪の証拠が撮れる。スマホの容量限界まで撮り続けた。

 これの動画が入ったUSBを女に送り付けた。


―何度もだ。


 家の住所はストーカーをしたおかげで分かっていた。日に日にやつれていく女の顔。これだけじゃもったいないから、冤罪という罪を擦り付けられた男どもにUSBを送った。

 手紙に「使い方は自由。あの女を地獄に落としたいなら示談をしろ。そして、示談で済ませてあげると、言え。応じないなら覚えてろと、言え。精神的苦痛を与えろ。肉体的だから傷害罪にならない」という内容を書いた。

 そして、気が付けば俺の目はいつからか、虚無感を漂わせていた。

 何をしたって無駄。努力だって嘘で無駄になる。冤罪という嘘で無駄になった。仕返しをしてもスカッとしなかった。もっと地獄に落とせばよかった。

 全てにおいて何をしても無駄だと思った。だから俺は、家に引きこもるようになった。お金は、母親の財布から気分次第で抜いていた。そして、そのお金を使ってコンビニへ行き、プリペイドカードを購入していた。

 たまに、俺の部屋の前で母親が泣いている。父親は、声を荒げ、怒鳴っている。

 俺は、ヘッドホンをして聞こえないようにする。聞く音楽は毎日のように変わるポップソングではない。固定の曲をリピート再生しているのだ。

 歌詞にある「望んでしまえば遠ざかるように、臨界点。既に後はない」が一番気に入っている。それにリズムが好きだ。この曲だけを毎日のように聞く。動画の履歴には、同じのしかない。一年も聞き続けているから俺だけで再生回数が百万を超えている。

 俺は、現実から逃げるためヘッドホンを付けてその上に手で耳を覆った。

 『Different world life』。日本語で異世界生活。未だ異世界に転移していない主人公ですが、どのような感じで異世界に転生するのか未定でございます。アイスコーヒーを片手に毎日投稿を頑張っていこう思っています。

 

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