第四章 いいチ〇コは、〇ったチ〇コだけ!
◆ 登場人物 ◆
姫。
十四才。
わずか十才で痴女であることがバレて、ずっと男に近寄ることを禁止されていたヒト族の少女。
男に飢えているが『容姿』と『性的な能力』にしか興味がなく、好みから外れている者には、とことん冷たい。
ミナヅキ(水無月)
姫の侍女の一人。 魔法人形。
命令に忠実で、とても気が利くが、常識が欠落していて、何をしでかすか分からない。
それでも姫よりは、少しだけまとも。
サツキ(皐月)
姫の侍女の一人。 魔法人形。
ドジでのろまだが、真面目で従順。
姫とミナヅキの奇行にも、けなげに付いて行こうと努力している。
スイショウ(水晶)
メイド長。 魔法人形。
姫を上回る痴女で、性的な知識が豊富。
集められた男たちに手を出す機会がないか、隙をうかがっている。
姫の結婚相手の候補となる男たち。
十六才から二十三才のヒト族の貴族。
結婚対象から外された瞬間に、チリとなって消える魔法がかけられている。
最初は十人だったが、すでに二人がチリになって、一人が墜落死したので、現在は七人。
◆ これまでのあらすじ ◆
「……ヒメさま…………いつものように、これまでのおさらいをしたいのでスガ……」
「ああ、ミナヅキ、ごめんなさい……さっき、予想外のタイミングで男が死んでしまったから、ちょっと、ぼーっとしていたわ」
「イエ……私が、メイドへの命令をきちんとしていなかったために、チ〇コの【吊り上げ力】一位だった男を死なせてしまい、たいへん申し訳ナク……」
「ニャ! 姫さま! その責任は、私にもありますニャ! 緊急事態モードになっているメイドは、事前にちゃんと命令しておかニャいと、死の危険にも、ためらわずに突っ込んでしまうことを、私がミナヅキに説明し忘れて……」
「いいのよ、スイショウ。その釈明はもう聞いたから、先におさらいをしてちょうだい」
「ニャ、すみません! では、これまでのおさらいをしますニャ! …………魔王との戦争を終わらせるために発動された最終攻撃魔法のせいで、この屋敷の外では、あらゆる生き物が生存できニャくなって、もとの環境に戻るまでに千年はかかると言われており……」
「ソレで王さまたちは、魔法による冬眠に入り、千年後に目覚めるまで、この世界を見張る役目を、姫さまとその子孫に託されたわけでありマス!」
「た、た、ただし今は、残された資源を、で、できるだけ節約しなければならないので…………ひ、姫さまの結婚相手として集められた男たちは、ひ、一人しか生かしておくことができず……」
「ええ、分かっているわよ、サツキ…………そのため男たちには、私から結婚しないと思われた瞬間に、チリとなって消える魔法がかけられているのよね……さっきの男は、不慮の事故で死んでしまったわけだけど、その前にも、私のうっかりで、二人がチリになっているから、次こそは慎重にやらないと…………」
◆ 本編 ◆
ミナヅキから度胸試しの終了が伝えられると同時に、屋敷の上空に停止していたメイドたちは、男たちをつかんだまま、次々と中庭に降りてくる。
そこには、二番クサリガマをつかんだまま地面に激突したメイドの姿もあったが、血で真っ赤に染まっていたはずの身体は、いつの間にか、きれいになっていた。
どうやら、二番クサリガマの死が姫に認識されて、結婚対象から外れたことで、その男の遺体や血は全てチリになったようだ。
それに気付いているのかいないのか、中庭から離れた部屋にいる姫は、魔法で立体投影された映像の前で、薄紅色の唇をペロリとなめて微笑む。
「……まぁ、【吊り上げ力】一位の男が死んでしまったのは残念だけど、ここでクヨクヨしていても仕方がないから、とにかく試着を始めちゃいましょうか」
その言葉を聞いたミナヅキは、姫の濡れた唇から目を離せないまま、自分の不手際で男を死なせてしまったことも忘れて、ブルっと身体を震わせる。
「ソウですね、姫サマ!」
だが、そのとなりに立つサツキは、姫やミナヅキのように簡単に気持ちを切替えることができず、苦い顔をする。
何しろ、さっき死んだ男は、姫が自分の意思で結婚対象から外したわけではなく、不慮の事故で死んでしまったのだ。
そんな出来事があったばかりなのに、すぐに試着を始めるなんて、サツキの性格ではとても受け入れられない。
「ひ、ひ、姫さま…………ほ、本当に、それでいいのですか……」
サツキはそう言って、姫を諫めようとするが、ミナヅキがそれに噛み付く。
「ダマれ、サツキ! 私たちがいくら悲しんでも、死んだ男はもう帰って来ない! ならば、過ぎたことは忘れて、前進あるのみダロ!」
「そ、そ、それは、そうですけど…………」
「ヒメさま! サツキの言うことなど気になさらずに、すぐに試着を始めてくだサイ!」
と、ミナヅキは姫を焚き付けるが、己の欲望を満たすことで頭がいっぱいの姫には、そんなことを言うまでもない。
「ええ、もちろん、そのつもりだけど……チ〇コの【体積】と【吊り上げ力】の順位が微妙に違うから、誰から試着するか悩んじゃうわ…………ねえ、スイショウ、あなたなら、どういう順番でする?」
そう尋ねられて、メイド長のミナヅキは、うやうやしく頭を下げる。
「……恐れニャがら、姫さま! 私ニャら、もう少しだけ、試着は我慢しておきますニャ! なぜニャら、試着前に調べておかニャければいけない重要ニャことが、まだ一つだけ、残っておりますからニャ!」
「あら、【体積】と【吊り上げ力】以外にも、重要なことってあるの?」
「はい! それは【ストレス耐性】ですニャ! どんニャに優れたチ〇コでも、ストレスに弱くて、〇たないことがあるようでは、意味がないですニャ! うっかり、そんなチ〇コに惚れてしまったら、結婚した後に、地獄の苦しみを味わうことにニャりますから、ストレスに弱い、情けニャいチ〇コは、試着する前に排除しておくことを、お薦めしますニャ!」
と言われて、姫はちょっと考え込む。
その可憐な容姿とは裏腹に、いろいろと行動に問題がある姫ではあるけれど、腐っても王族だから、より良い結果を得るためには、手間を惜しんではいけないことくらいは分かっている。
「なるほどね……確かに、私が望んだ時に、必ず〇ってくれないと、理想のチ〇コとは言えないわ…………じゃあ、あの男たちに、精神的な圧力をぎゅうっとかけて、それでもちゃんとチ〇コが〇つか試してみましょう!」
「…………ほ、ほ、本気ですか、姫さま……」
サツキはそう言ってドン引きするが、姫はそれを無視して、さっそく新しい指示を出す。
「ミナヅキ。さっき私が言ったことを、実現できる方法を考えてちょうだい。いつものように、あの男たちには目的を悟られない方法でね」
「ワカりました、姫さま! お任せください! あの男たちに、ものすごい精神的な圧力をかけて、その状態でもチ〇コが〇つかを、調べてご覧にいれます! ウヒヒヒヒ……おい、スイショウ、お前も手伝ダエ!」
「仕方がないニャ…………ヒソヒソ……ミナヅキの手伝いをしていれば、あの男たちとイイコトができる機会があるかもしれニャいから、好都合ニャ……」
「ナニか言ったか、スイショウ?」
「ニャ! 何でもないニャ!」
といったやり取りを、ミナヅキとスイショウがしているころ…………。
最初の十人から、あっという間に七人にまで減った全裸の男たちは、屋敷の離れの部屋で、椅子を寄せて話をしていた。
ただ、さっきの度胸試しで、口ぐせが『御座る』だった二番クサリガマが墜落死したせいか、いつもその男といっしょにいた三番カラテに元気がない。
胸と背中に三の番号と握りこぶしのマークが浮かび上がった男の傷だらけの身体が、心なしか小さく見える。
「……押忍…………自分もまさか、ただの度胸試しで、死人が出るほど危険なことをするとは思わなかったであります……もちろん軍では、訓練中の事故による死も日常だったので、そのことに意見するつもりはありません…………ただ、あの二番クサリガマも、姫さまの結婚相手の候補の一人だったわけですから、その判定が下る前に死んでしまったのは、残念であります……押忍…………」
三番カラテが、そう言いながら短髪の頭を両手で抱えると、その斜め前に座った四番チェーンソーが、ため息を吐く。
「フぅ……いくラ姫でも、オレサマたちの度胸を試すタめだケに、一人の男を犠牲にスるわけハないかラ、あの『御座る』が口ぐせの男が死んダのは、意図シていナかっタ事故デ間違いなイだろう…………ならバ、そのこトを、いつマでも嘆いてイても仕方がナい……それヨり、アの度胸試しノ真の目的が何ダったノか、そレを知ルこトの方が重要ダ…………オレサマの勘デは、○ったチ〇コが、どのクらいノ風圧にまデ耐えラれるのかヲ、調べてイたのでハないかト思うのダが……」
そう話す四番チェーンソーは、やせているが高い身体能力があるらしく、少し動いただけで筋肉が浮き出す。
そんな男がいま口にしたことは、前に一番ヌンチャクと九番ハンマーがチリになった時と同じく、偶然ではあるが、姫たちの本当の目的を見事に言い当てていた。
けれど、今回もまた、それに同意する者は一人もおらず、五番金属バットが大声で怒鳴る。
「ふざけるなっっっ! 〇ったチ〇コがどのくらいの風圧に耐えるかなんてことを、姫さまが調べるわけねえだろっっっ! 何度も言わせてもらうが、テメエはもっと考えてから、ものを言えっっっ! あと、テメエが静かに話すと調子が狂うから、それも止めろっっっ! 前みたいに『ギャハハ』と笑われた方が、まだマシだっっっ!」
日に焼けた野性的な身体を怒りで震わせながら、五番金属バットがそう叫ぶと、いつものように六番ブーメランが、それをなだめる。
「グス……二人とも、どうしてもっと仲良くできないんですか…………確かに、いきなりこんなところに連れて来られて、姫さまの結婚相手に選ばれなかったらチリになるなんて言われたら、平常心でいられないのは分かります……でも、ボクなんか、異世界から転移してきた上に、こんな状況に巻き込まれているんですよ…………そのボクが我慢しているんですから、二人だってもっと我慢できるはずです……グス」
六番ブーメランが涙をぬぐい、小柄だが均整のとれた身体を椅子の上で丸めると、七番カタナがそれを見て口を開く。
「ふふふふ……そういえばきみは、魔物に錯乱魔法をかけられて、その後遺症が残っているんだったっけ…………自分が異世界から来たと思い込むなんて、なかなか変わった症状だけど……でも、きみは士官学校の生徒だったよね? 戦場に出たわけでもないのに、どこで魔物に襲われたんだい?」
ヒト族とは思えない、ネコ科の獣のような、しなやかな身体を長椅子に横たえた七番カタナが、けだるげにそう言うと、六番ブーメランは顔をしかめる。
「グス…………ボクは魔物に襲われてませんし、錯乱魔法もかけられていませんよ……違う世界にいたボクと、この身体の本当の持ち主との意識が入れ替わった後、ここに連れて来られるまで、士官学校の外に出たことすらなかったんですから…………何でみんな、ボクの話を信じてくれないんですか……グス」
すねた六番ブーメランがそう言うのを聞いて、椅子に座って目を閉じていた八番ハルバードがつぶやく。
「ふむ……我は信じる気はないのだが、異世界からこの世界への転移を信じる者がいるのは確かだ…………軍で我がいた部隊には、キリスト教や仏教が、異世界から転移した人間によって広められた宗教だと主張するヤツがいて、かなり面倒だったからな……」
腕を組んで、彫刻のような身体を椅子の背に深く沈ませながら、八番ハルバードがそう話すのを、六番ブーメランはくやしそうに見つめる。
「グス…………それに関して何か言うと、ボクの言葉をよけいに信じてもらえなくなるので、もう何も言いません……グス」
と言って六番ブーメランが完全に黙ってしまうと、それを哀れに思ったのか、十番チャクラムが声をかける。
「……ぼくも、みんなと同じで、異世界から転移してきた人がいるなんて、信じられないんだけど…………国の偉い人たちが、そういうことを隠しているっていう、うわさは聞いたことはあるよ……だから、ひょっとしたら姫さまなら、何かを知っているかもしれないなぁ…………」
少女のような美しい肌をした十番チャクラムがそう言うと、六番ブーメランが目を見開く。
「グス……え? それ本当? …………グス」
「えーと……本当かどうかは、ぼくも分からないんだけど、姫さまと直接お話しできれば、何か新しいことが分かるんじゃないかと思って…………あっ、でも、あんまり期待しちゃ……」
と十番チャクラムが話している途中で、突然、部屋の中に、ミナヅキの声が響き渡る。
『ヨシ、憩いの時間はそこまでだ! 今から、キサマらには、我慢くらべをしてもらう! 今回は、その部屋の中で行うから、他の場所に移動する必要はない! ただし、互いの身体がぶつかると危ないから、全員、壁際に行って、できるだけ距離をあけるノダ!』
その指示を聞いた三番カラテは、沈んでいた気持ちを切り替えて、他の者に注意をうながす。
「押忍! 体力測定、度胸試しと来て、次は我慢くらべでありますか…………しかし、今回もきっと、本当の目的が別にあると思われます! 各自、十分に気を付けてください! 押忍!」
「……姫が何ノために、こンなことヲしていルのか、まダよく分かラないが…………前回ノ度胸試シの本当の目的が、〇ったチ〇コが風圧にドれだけ耐えラれるのかを測っタのなら、きっト今回も、オレサマたちのチ〇コに関スる何かヲ調べるはズだ……」
「おいっ、四番っっっ! テメエは、まだ、そんなこと言ってんのかっっっ! 姫さまが、オレたちのチ〇コのことなんか、調べるわけねえだろっっっ! あと、テメエが静かに話すと、オレの調子が狂うんだって、何べん言えばわかるんだっっっ! もう怒らねえから、前みたいに笑えっっっ!」
「グス……あなたこそ落ち着いてください…………姫さまが、チ〇コのことなんか調べるわけがないことくらい、みんな分かっていますから……ボクは、そんなことよりも、早く姫さまにお会いして、ボクの他にも異世界から転移してきた者がいないか、確かめたいたいです…………グス」
「ふふふふふ……わたしも、早く姫さまにお会いしたいよ…………直接会ってお話しする機会さえあれば、誰が結婚相手にふさわしいか、すぐに分かるだろうからね……ふふふふ」
「ふん。早く結婚相手を決めてほしいのは確かだ。そうすれば、こんな茶番に付き合う必要もなくなる…………」
「でも……姫さまが本当に、ぼくたちのチ〇コを調べているんだったら、それには何か、深い事情があるからに違いありません…………ならば、それがどんな事情でも、ぼくは姫さまの力になります!」
姫に深い事情など何もなく、ただ本能のおもむくままに行動しているだけなのだが、男たちは、そうとは知らないまま、ミナヅキからあった指示に従って、互いに距離をあけて壁際に立つ。
その様子を、離れた部屋から立体投影魔法で見ている姫は、後ろに控える侍女たちの方を振り向いて尋ねる。
「それで、ミナヅキ。あの男たちに、どんな方法で精神的な圧力をかけるつもりなの?」
「ハイ、姫さま! ある魔法を習得しているメイドたちを、スイショウに選ばせて、男たちの部屋に向かわせました! もう間もなく、到着するはずデス!」
そう言われて、姫が前を向くと、ちょうど二人のメイドが男たちの部屋に入ってきたところで、それを確認したミナヅキは、再び魔法で、自分の声をその部屋に響かせる。
『ヨシ、キサマら! さっきも言ったとおり、今回は我慢くらべだ! 今からキサマらに、特別な幻覚を見せるから、しっかりと正気を保つノダ!』
というミナヅキの言葉を聞いて、意外そうな顔をする姫。
「あら、男たちに精神的な圧力をかけるのに、幻覚なんかを使うなんて、あなたにしては、ずいぶんと平凡ね」
「スミません、姫さま……最初は、私が直接手を下して、身の毛もよだつ精神的な圧力をかけようと思っていたのですが、スイショウが、自分もいっしょにやると言ってうるさかったので、メイドを使って男たちに幻覚を見せることにしました…………スイショウを男たちに近寄らせたら、何をするか分かりませんノデ……」
ミナヅキにそう言われて、スイショウがすぐに抗議する。
「ニャ! 少しは私を信用してほしいニャ! いくらニャんでも、姫さまと結婚するかもしれニャい男たちに、手は出すようニャことはないニャ!」
「ウソつけ! お前が、あの男たちを狙って、私たちの隙をうかがっていることくらい、すかりお見通しだ! 絶対にお前は、あの男たちには近寄らせないかラナ!」
などという会話が続いている間に、男たちの部屋では、メイドの一人が幻覚魔法をかけ始め、それを受けて三番カラテがうめく。
「押忍! ……いま周りに見えているのは王都…………そして、あそこに見えるのは、魔王軍でありますか!」
どうやら男たちは、幻覚によって、魔王軍が王都に侵攻した時の様子を見せられているようだ。
長く続いた魔王との戦争で、まともに戦っても勝ち目がないことを悟った王さまは、お城があった王都そのものを囮にして、最終攻撃魔法の爆心地に魔王軍の主力部隊を誘い込んだのだが、罠があることを気取られてはいけなかったので、そこには軍の総力が集められ、壮絶な戦闘が繰り広げられたのだ。
いくら幻覚だと分かっていても、そんな激しい戦闘の真っ只中に放り込まれては、男たちだって冷静ではいられない。
「ムぅ! コの場所ハ、あノ戦争で、最モ戦闘が激シかっタところジャないカ! いクら軍人デも、コれはキツいゾ!」
「くそっっっ! オレは、まだ士官学校の生徒だってのに、現役の軍人と同じ幻覚を見せるのかよっっっ! 虐待じゃねえのか、これはっっっ!」
「ぐす……いくらボクが異世界の人間で、この幻覚がアトラクションにしか思えなくても、倫理チェックすらしてない戦場の様子を見せるのは反則です…………ぐす」
「ふふふ……こういう幻覚は、むしろ軍人としての経験が長い方が堪えるんじゃないかなぁ…………さすがのわたしも、変な汗が出てきたよ……ふふふふ」
「ふむ…………この幻覚は、今までの茶番と比べれば、ずいぶんと歯応えがあるな……まぁ、男をふるいにかけるのなら、このくらいのことを毎回やってくれないと……」
「ちょ、ちょっと、姫さま! いくら何でも、これはやりすぎです! ぎゃー!」
と、それぞれの反応に多少の差はあるものの、現実には何も起こっていない部屋の中で、魔王の幻覚を見せられて、右往左往する男たちの姿はとても哀れで、いつもはのんきな姫も、珍しく男たちに同情する。
「……あの男たちが見ている幻覚がどんなものか分からないけど、さすがにこれは可哀想ね…………ミナヅキ、なるべく早く結果が出るように、急いで彼らのチ〇コが〇つか試してちょうだい」
「ハイ! 分かりました、姫サマ!」
ミナヅキがそう答えると、となりに立つサツキが心配そうな顔をする。
「え、え、えーと、ミナヅキ……ま、魔王軍が暴れている幻覚を見せられているこの状況では、い、いくらあの男たちでも、チ、チ〇コを〇たせるのは難しいと思うのですが…………」
「ナニを言ってるんだ、サツキ! どんな状況でも、チ〇コを〇たせるのが、立派な男というものダロ!」
「……そ、そ、そんな無茶な…………」
「イイから、私に任せろ! ちゃんと、チ〇コを〇たせるための幻覚も見せられるように、幻覚魔法を使えるメイドを、二人用意したんだカラ!」
というミナヅキの言葉を聞いて、姫が驚く。
「え? ミナヅキ。あの男たちのチ〇コを○たせるのは、いつもみたいに、魔法で体内の血液をチ〇コに集中させるんじゃないの?」
「イエ、今回は、いつもの魔法は使いません! 精神的な圧力をかけた状態で、ちゃんとチ〇コが〇つかを調べるには、男たち自身の意思で、チ〇コを○たせてもらわなければいけませんので! ……そうだな、スイショウ?」
「ニャ! そのとおりですニャ! 魔法で体内の血液をチ〇コに集中させてしまっては、男たちに【ストレス耐性】がニャくても、チ〇コが〇ってしまいますニャ! それでは調べる意味がニャくなってしまうので、今回は、精神的な圧力をかけるための幻覚と、チ〇コを〇たせるための幻覚を、二つ同時に重ねて見せるのですニャ!」
「え? そんなふうに幻覚を重ねて見せて、男たちは大丈夫なの?」
「モチろん、多少の危険はあります! ですが、あの男たちは、姫さまの結婚相手の候補ですから、そんな危険くらい、乗り越えてもらわなければ困りマス!」
と言ってミナヅキが胸を張るのを見て、姫は一瞬あきれるが、すぐに気を取り直して、椅子のひじ掛けにほおづえをつく。
「…………まぁ、そうね……どうせやるなら、徹底的にやりましょうか…………いいわ、ミナヅキ。あなたの思うとおりに、やってみなさい」
姫がそう答えると、エーという顔をするサツキの横で、ミナヅキは邪悪な笑みを浮かべる。
「ワカりました、姫さま! ……ウヒヒヒヒヒ…………」
そしてミナヅキが軽く指を振ると、魔王の幻覚を生成しているメイドのとなりにいる、もう一人のメイドも、新しい幻覚を生成し始め、二つの幻覚を重ねて見せられた男たちは、それまでとは比べものにならないほど、あわてだす。
「お、押忍! 自分は今、魔王軍が暴れている街で、それとは別のものに襲われているであります! 押忍!」
「オレサマもダ! しかモ、そノ相手は複数いルぞ! 何だコの状況は!」
「くそっっっ! 意味が分かんねえっっっ! 何で魔王軍が侵攻している王都で、こんなものに襲われなきゃいけないんだっっっ!」
「ぐす……こんな無茶苦茶な幻覚を、ボクたちに見せて、姫さまは一体、何がしたいんでしょうか…………グス」
「ふふふふ……我慢くらべと言うから、激しい戦闘の中で、どれだけ正気を保てるか競うものだと思っていたんだけど、そんな単純なものじゃなかったみたいだね…………ふふふふふ」
「ふん……こんな幻覚など見せて、何がしたいのやら…………まぁ、正気さえ保てばいいのなら、問題はないが……」
「姫さま! 何なんですかこれは! いくら何でも、こんな状況には付いて行けませんよ!」
と苦しむ男たちの様子を見て、少し不安になった姫は、ミナヅキに尋ねる。
「…………ねえ……念のため、あの男たちに、どんな幻覚を見せているのか、私にも説明してくれる?」
「ハイ、姫さま! あの男たちがいま見ている幻覚は、魔王軍が暴れまわっている王都の中で、ヒト族の女たちに襲われて、イヤらしいことをされている、というものデス!」
「……ちょっと待って…………それって、かなり支離滅裂な状況じゃないの……そんな変な幻覚なんか見せて、ちゃんと男たちの【ストレス耐性】が調べられるのかしら?」
「モチろんです、姫さま! こんな幻覚を見ながらでもチ○コが○つなら、どんな精神的な圧力がかかった状態でも、チ○コが○つことは間違いありません! そうだな、スイショウ?」
「ニャ! ミナヅキの言うとおりですニャ! 安心してください、姫さま! …………ヒソヒソ……本当は、こんなメチャクチャな幻覚を見せたら、むしろ【ストレス耐性】が低い男ほど、正気を失ってチ〇コを○てると思うニャ…………でも、男たちを襲うチャンスがニャい以上、こんニャ我慢くらべなんか続けても意味がニャいし、このままさっさと終わらせてしまうのニャ……」
「ナニか言ったか、スイショウ?」
「ニャニャ! 何でもないニャ!」
そんなやり取りをしている間も、男たちは、わけの分からない幻覚に苦しんで、もともとおかしかった四番チェーンソーの言動がさらにおかしくなる。
「ギャハ……ギャ……ギャハハハ…………何ダか、だンだん楽シくナってきたゾ……ギャハハ……ギャ……ギャハハハハ」
「おいっっっ! しっかりしろ、四番っっっ! こんなところで脱落するんじゃねえっっっ!」
「ぐす……このままじゃ、四番だけじゃなく、みんなの頭がおかしくなっちゃいます…………ぐす」
「ふ……ふふふ…………さすがのわたしも、これには長く耐えられそうにないよ…………ふ……ふふふふ」
「むう……我をここまで苦しめるとは…………これを指示した者は、かなり切れるヤツに違いない……」
「ぐぎぎぎ……ひ、姫さま…………も、もう、ぼくは限界です……」
「押忍! お、各々、い、意識をしっかり保つのであります! お、押忍!」
という感じで、明らかにヤバくなっている男たちの様子を見て、サツキがあわてて、となりに立つミナヅキの身体を揺さぶる。
「こ、こ、これはもう、ちゅ、中止したほうがいいです!」
「マダ、大丈夫だ、サツキ! このくらいのことに耐えられないヤツを、姫さまと結婚させらるわけにはいかんダロ!」
「で、で、ですが……」
そう言って、サツキがおろおろしていると、スイショウが何かに気が付いて叫ぶ。
「ニャ! あれを見るニャ! ついに、この状況でチ〇コを○てた男がいるニャ!」
その言葉に、みんながスイショウの指さす先に目をやると、四番チェーンソーが笑いながらチ〇コを〇てている。
「ソラ見ろ! ちゃんと○ったじゃないか! もうちょっとすれば、他の男たちダッテ…………」
と、ミナヅキが得意になった瞬間に、チ○コを○てた四番チェーンソーが、ハジけてチリになる。
バン!
「あっ!」
それを見て呆然とする女たち。
みんな心の中では、今回も誰かがチリになるだろうと予想はしていたものの、最初にチ〇コを○てた男がチリになるのというのは、さすがにタイミングが早すぎる。
「……………………ヒメさま…………なぜ、最初にチ〇コを○てた、最も【ストレス耐性】が高いと思われる男を、チリにしてしまったのでスカ……」
「ああ、ごめんなさい……でも、こんな状況で最初にチ〇コを○てた男なんて、どう考えても普通じゃないでしょう? そういう男と結婚するのは嫌だなぁって…………」
実はチリになった四番チェーンソーは、【ストレス耐性】が最も低かったからこそ、最初にチ○コを○ててしまったのだが、ミナヅキも姫もそうとは知らず、この場でただ一人、そのことを知っているスイショウが、それを隠したまま、しれっと言う。
「ニャ! 確かに【ストレス耐性】があまりにも高すぎる男は、頭が変かもしれニャいから、結婚は避けた方がいいですニャ!」
「フザけるな、スイショウ! 今さら何を言ってるんだ! そもそも最初に【ストレス耐性】が低い男とは結婚したらダメだと言ったのは、お前ダロ!」
「ニャニャ! 【ストレス耐性】に関しては、低い男もダメだし、高すぎる男もダメということニャ! 私は何も間違ったことは言ってないニャ!」
とか何とか二人が言い争っている間も、男たちの我慢くらべは続き、残りの順位が以下のように確定していく。
二位。異世界から転移してきたと主張し、いつも泣いてばかりいる、小柄だが均整のとれた身体の、六番ブーメラン。
三位。常に怒りをみなぎらせて、語尾に『っっっ』を付けてしゃべる、日に焼けた野性的な身体の、五番金属バット。
四位。姫に一方的にあこがれている、少女のような肌の、十番チャクラム。
五位。『押忍』が口癖で、傷だらけの身体の、三番カラテ。
六位。いつも余裕の笑みを浮かべている、ネコ科の獣のような身体の、七番カタナ。
七位。感情を表に出さない、彫刻みたいな身体の、八番ハルバード。
その順位は、実際の【ストレス耐性】とは正反対になっているのだが、姫はそれを知らないまま、椅子の背もたれに身体を預けながらつぶやく。
「……前回の【吊り上げ力】もそうだったけど、今回の【ストレス耐性】も、けっこう意外な結果になったわね…………まぁ、今回は、ストレスでチ〇コが〇たなくなるような、情けない男をふるいにかけるのが目的だったから、順位はどうでもよかったんだけど……とにかく、残っている男たち全員のチ〇コがちゃんと〇つことが分かって、良かったわ」
と、姫は満足そうだが、四人目の脱落者が出たことで、男たちの数は、とうとう六人にまで減ってしまった。
果たして、この状況を生き延びて、姫と結婚できる男は誰になるのか……。
男たちの悪夢は、まだまだ続く…………。
◆ 次回予告 ◆
「ソレでは、姫さま! 男たちのチ〇コの【ストレス耐性】も問題ないと分かったわけですし、いよいよ試着を始められますヨネ!」
「そうね、ミナヅキ……じゅる…………ついに、あの男たちのチ〇コを堪能す……」
「オホホホホホ。お待ちになってほしいザマス、姫さま。結婚相手を決める前に試着をするのは、たいへん結構でございますが、まだ調べおかなければいけないことがあるザマス」
「うわ…………その声は、家政婦長のツキヨ……面倒なのに見付かっちゃったわ…………」
「……聞こえているザマスよ、姫さま。それはともかく、姫さまの現在の使命は、どんなことをしてでも子孫を残すことザマス。であれば、試着する前に、相手となる男の【射〇の飛距離】を調べる必要があるザマス」
「ニャ! 【射〇の飛距離】ニャんて、妊娠する確率とは何も関係ニャいって……」
「黙らっしゃい、スイショウ! メイド長の分際で、お城に仕えて八百年を超える、このツキヨの言うことが間違っているとでも言うザマスか!」
「あらあら、ツキヨ。あなたの言う【射〇の飛距離】も、後でちゃんと調べるから、そんなに怒らないで…………ただ、それを調べるよりも先に、試着を……」
「だめザマス! 先に試着してしまって、気に入った男ができたら、その後で【射〇の飛距離】が短いと分かった時に、もめるザマス! 試着など後回しザマス!」
「…………ふぅ……こんな調子じゃ、いつまで経っても試着なんてできないわ…………まずは、ツキヨをどうにかしないと……」
次回、第五章 『射〇魔法は攻撃魔法?』 お楽しみに。