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第一章 まずは顔?

↓ こちらの絵は、あっきコタロウさんから、いただきました!

(2020/12/24 修正版をいただきました!)

挿絵(By みてみん)

「まあ! なかなかいい男たちじゃない…………じゅる……よだれが止まらないわ…………でもサツキ、どうして彼らは裸なの?」


「す、す、すみません、姫さま……わ、私は強く反対したのですが、ミ、ミナヅキがどうしてもと…………」


「ハイ! 姫さまが、いつでも好きな時に、気のすむまで彼らのチ〇コをご覧になられるように、着衣を禁じておきまシタ!」


「あら、ミナヅキ、ずいぶん気が利くじゃない。じゃあご褒美に、今夜はあなたが好きなことを何でもしてあげるわ」


「アリがとうございます、姫サマ!」


 そう言って頭を下げる侍女の前で、十四才の姫が、男たちの裸体をもっとよく見ようと椅子から身を乗り出すと、その髪の艶やかな光沢がオーロラのように揺らめく。


 それを見て、後ろに控える二人の侍女は思わず、ほうっとため息をもらすが、自分の容姿に無頓着な姫は、そんなことには気が付かないまま疑問を口にする。


「……ところで、彼らの胸と背中に、薄っすらと数字が浮かんでいるけど、あれは何なの、ミナヅキ?」


「イエ! あれは私ではなく、サツキの仕業デス!」


「え、え、えーと…………あ、あれは……ひ、姫さまが、彼らの名前を知れば、じょ、情が移って、一人を選びにくくなるのではないかと思いまして…………か、身体に番号が浮かぶように、ま、魔法をかけたのですが……」


「ああ、そういうこと…………私はてっきり、ここにいる十人のうち、九人はどうせ死ぬんだから、名前なんて憶えても仕方がないって、番号を振ったのかと思ったわ」


「い、いえ、さ、さすがに、そこまで酷いことは……」


「だけど、みんな、裸にされた上に番号まで振られて、よくおとなしくしているわね」


「ハイ! この男たちは全員が、軍人か、士官学校の生徒です! どんなに理不尽な命令でも無条件に従うのは、軍では当然のことでありマス!」


「でも、みんな貴族なんでしょう? それなのに逆らったりしないの?」


「ハイ! 確かに、ここにいる全員が、若くして伯爵の位を継承していますが、その程度の身分でなれる軍の階級は、わが国では大尉止まりです! そのため、少佐以上になれる侯爵や、少将以上になれる公爵に比べれば、貴族であっても従順なのデス!」


 ミナヅキのその言葉に、サツキは、もじもじしながら目を伏せる。


「そ、そ、それなんですが、姫さま…………こ、このような身分の低い男たちしか集められなかった事を、お、王さまも心苦しく思っておられたようで……」


「あら、身分なんて、どうでもいいのに。私が男に求めているのは、『容姿』と『性的な能力』だけなんだから」


「サスがです! 姫サマ!」


「ただねぇ…………全員がヒト族というのは、ちょっと、もの足りないわ……どうせなら、獣人やエルフも混ぜてほしかったのに」


「こ、こ、この国の王族は、だ、代々、ヒト族の純血を保っていますので、さ、さすがに獣人やエルフを、ひ、姫さまの結婚相手として連れてくる訳には…………」


「ふーん。つまらないの……あと、身体に浮かんだ番号の下に、武器のマークみたいなのも見えるけど、あれは何?」


「あ、あ、あれは、番号だけだと憶えにくいかもしれないと思って、あ、あの男たちが、軍で使っている武器も、マ、マークにして浮かぶようにしておきました……も、もちろん、武器そのものは預かって、べ、別の場所に保管してありますが…………」


「うーん……まぁ、確かに番号だけより、使う武器が分かった方が憶えやすいかもしれないわね…………だけど、あそこにいる男、武器のマークが握りこぶしになっているわよ?」


「ハイ! あの男は『カラテ』という武術を使うので、握りこぶしが武器なのでありマス!」


「それじゃあ、あの男は? 武器のマークがドーナッツになっているけど?」


「アレは『チャクラム』という、輪の形をした武器であります! ドーナッツではありまセン!」


「へえー。そういう武器があるのね」


 ちなみに、このお話の舞台は異世界だが、大昔に転移してきた者によって、現実世界の食べ物のレシピも伝えられており、ドーナッツも一般的になっている。


 それからしばらく、姫は男たちの身体に見入っていたが、ついには我慢できなくなって、椅子から腰を浮かせ、ふらふらと男たちの方へ歩いて行く。


「それにしても、あの男、ずいぶんチ〇コが大きいわね…………じゅる……また、よだれが…………」


「お、お、落ち着いてください、姫さま……」


「なによ、サツキ。私は十才のころから、家族を除いて、あらゆる男に近寄ることを禁止されていたのよ。こんなふうに間近で男を見るのは、四年ぶりなんだから、落ち着いてなんかいられないわ」


「ひ、ひ、姫さまが、男に近寄ることを禁止されたのは、じゅ、十才の時に、公爵さまの寝室に、は、裸で忍び込んだからで……」


「あぁあ…………十才で男を襲うのは、いくらなんでも無茶だったわね……せめて十二才になるまで、我慢するべきだったわ…………」


「じゅ、じゅ、十二才でも無茶です……」


 ふざけたことを言う姫に、サツキが困っていると、ミナヅキが口を挟む。


「ソンなことよりも、姫さま! こうやって立体投影魔法で男たちの姿を見ているだけでなく、彼らの会話も聞いてみてはいかがでスカ?」


「うーん…………この男たちの話していることには、あんまり興味はないわ……この屋敷に着いてから事実を知らされて、どうせ文句ばかり言っているんでしょうから」


「サスがに、それはないです、姫さま! 彼らは本当なら、この屋敷の外にいた多くの人間たちと同じく、魔王を倒すために発動された最終攻撃魔法で、死ぬところだったのですよ! それを救われて、生きのびるチャンスを与えられたのですから、感謝しこそすれ、文句を言うなんてあり得まセン!」


「……そうかしら……サツキは、どう思う?」


「…………い、い、いくら死ぬところを助けられても、こ、この後も生きのびられるのは、じゅ、十人のうちの一人だけとなれば、か、感謝などしないのでは……」


 サツキのその意見に、ミナヅキは声を荒らげる。


「ナニを言っているのですか、サツキ! その一人は、ただ生きのびるだけではなく、姫さまと結婚できるのですよ! こんなチャンスを与えられながら、文句を言うような者がいたら、私が粛清してやりマス!」


「あらあら、ミナヅキ、この中の誰かは私と結婚するんだから、乱暴なことをしちゃダメよ」


「スミません、姫さま! つい、アツくなってしまいまシタ!」


「でも、こんなにいい男たちが一人しか生きのびられないなんて、もったいないわね……愛人として残しちゃダメなのかしら…………お父さまは、すでに冬眠魔法にかけられて、千年後まで目覚めないんだから、私を止められる者は誰もいないでしょう?」


「イエ! 申し訳ありませんが、この男たちは、姫さまから結婚対象にならないと思われた瞬間に、チリとなって消える魔法がかけられています! その魔法は、どうやっても誤魔化すことができまセン!」


「あらら、厳しいわね……」


 と、がっかりする姫を見て、サツキが事情を説明する。


「さ、さ、最終攻撃魔法が発動されたことで、こ、これから千年が経つまで、この屋敷の外では、ど、どんな生き物も生存することができません…………で、ですから、残り少ない資源を、できるだけ節約しなければならず……い、生きる人間の数を、と、とにかく制限しなければならないのです…………」


「それは分かるけど……そんなに事態が切迫しているのなら、千年が経つまで、この世界のすべてを、あなたたち魔法人形に任せればいいんじゃないの? そうすれば、私にも冬眠魔法をかけることができるから、もっと資源を節約できるわ」


「イエ、姫さま! さすがに千年もの間、この世界のすべてを、私たち魔法人形に任せるなんて無茶デス!」


「だけど、魔王も魔物たちもすべて死んで、人間だって、結界が張られたこの屋敷の中にいる者たち以外は、すべて死んだんでしょう? だったら、問題なんて何も起こらないと思うけど?」


「い、い、異世界からの侵略とか、あ、あるかもしれませんし…………」


「そんなことになったら、私だって何もできないから、すぐにお父さまたちを目覚めさせるわよ」


「ソウいう問題が発生した時に、王さまたちを目覚めさせる役目は、ちゃんと信頼できる人間でなければいけません! そのために王さまは、姫さまだけを冬眠魔法にかけなかったのでスヨ!」


 ミナヅキにそう言われて、姫は顔をしかめる。


「はぁ…………そんなんじゃなくて、きっと、千年後に世界を再生させる作業に、私が必要なかっただけよ……この世界を見張るのが、本当に重要な役目だったら、お父さまは、あのクソ野郎に任せるはずだもの」


「ひ、ひ、姫さま、じ、実の兄である王太子さまのことを、そ、そのようにおっしゃってはいけません……」


「あなたも、ミナヅキも、もうちょっとで、あのクソ野郎に初期化されるところだったんだから、気を遣うことなんかないわ。私が、あなたたちを侍女にするって言わなければ、二人とも今の人格を消されて、他の魔法人形みたいな無個性なヤツにされたのよ」


 姫のその言葉に、ミナヅキは深く頭を下げる。


「ヒメさまに引き取られたことは、私もサツキも、本当に感謝しています! ですが、私たちはしょせん魔法人形ですので、王族の方のことを悪く言われれば、たとえ姫さまであっても、お諫めするしかないのです! 申し訳ありまセン!」


「……まぁ、いいわ…………とにかく私は、この男たちの一人と結婚して、なにか問題が発生した時に、お父さまを目覚めさせる役目を、子孫に受け継がせればいいんでしょう…………その代わり、それ以外のことでは、たっぷり楽しませてもらうわよ……うふふふふふ」


「ひ、ひ、姫さま、こ、怖いです…………」




 姫と二人の侍女が、そんなやり取りをしているころ……。


 その屋敷の離れに集められて、裸で生活することを強要された十人の男たちは、姫たちとはまったく違うことを話していた。


「…………やはり、どう考えても、あの戦争で何もできなかったおれが、姫さまの前に出るなど、おこがましいと思うんだが……」


 鍛えられた身体の胸と背中に、数字の一の番号と、二本の棒を鎖でつなげたヌンチャクという名の武器のマークが浮かんでいるその男は、長椅子の背もたれに体重をかけて、ため息を吐く。


 二十才になったばかりの一番ヌンチャクの男は、戦争で自分の無力さを思い知り、落ち込んでいた。


 その様子を見て、となりに座る細く引き締まった身体の二番クサリガマの男が、声をかける。


「拙者たちは、ただ与えられた役割を果たすだけで御座る。お主も、そろそろ気を取り直して、姫さまの意に沿えるよう努力すべきではないで御座ろうか?」


 二番クサリガマが、長い前髪を指で払いながらそう言うと、二人のななめ前の椅子に腰かけている、短髪で身体中が傷だらけの三番カラテの男もうなずく。


「押忍! 自分たちをどうするかは、姫さまが決めることであります! 貴殿が、それに気を回すのは、姫さまに対して失礼であります! 押忍!」


 二人にそう言われて、一番ヌンチャクは、幅の広い肩を落としつつも反論する。


「…………しかし、おれたちが魔王を倒せなかったせいで、この屋敷の外にいた人間たちが、すべて死んだんだぞ……それなのに姫さまと結婚して、のうのうと生き延びるなど……」


「お主が、あの戦争で何もできなかったことに責任を感じるのなら、なおのこと、姫さまの前に出なければいけないで御座る」


「押忍! 自分もそう思うであります! 姫さまとその子孫は、これから千年もの間、世界に新たな危険が迫らないか見張るよう、王さまから託されたのであります! その結婚相手となって、姫さまのお手伝いをすることは、軍人ならば絶対にお引き受けしなければいけない、重要な役割であります! 押忍!」


「…………それは分かっているが……」


 一番ヌンチャクはため息を吐いて、言葉を続ける。


「……姫さまの結婚相手は、この世界の未来を担える、もっと立派な人間から選ばれてほしかったと思ってな…………あの戦争の最中に、極秘に集めることができたのは、おれたちのような身分の低い軍人に限られたというのは分かるが、この中から無理やり結婚相手を選ばなければいけない、姫さまのお気持ちを察すると、気の毒で……」


 その姫が、男たちの裸を見ながら、よだれを垂らしているとも知らずに、三人はそんな会話を続ける。


 しかし、その三人とは対照的に、男たちの中には、感情があふれ出すのを止められない者たちもいた。


 やせているが動くと筋肉が浮き出し、高い身体能力があると思われる四番チェーンソーの男は、部屋のすみにある椅子のひじ掛けに腰を乗せて、一人で笑う。


「ギャハハハ! こんナ屋敷に閉じこもっテ、何の変化もなイ毎日を過ごすだけノ人生なんテ、オレサマに耐えられるわけガないだロ! そんなことニなるくらいなラ、死んだ方がマシだ! ギャハハハ!」


 十八才になって士官学校を卒業してから、まだ一ヶ月も経っていない四番チェーンソーは、何があったのか、目が完全にイってしまっている。


 おまけに、その横では、日に焼けた野性的な身体をした五番金属バットの男が、誰も座っていない椅子の後ろに立って背もたれを握り締め、怒りをみなぎらせていた。


 ところで、さっきも説明したが、大昔に転移してきた現実世界の者によって、いくつかのスポーツも伝えられたので、この世界では金属バットも一般的に知られるようになっている。


「くそっっっ! 何でオレが、こんなところにいるんだよっっっ! 納得いかねえっっっ!」


 もともと目つきの悪い五番金属バットは、何をそんなに憤っているのか、奥歯をギリギリと噛みしめ、鼻息も荒い。


 そして、その二人の前では、小柄だが均整のとれた身体の六番ブーメランの男が、床に座り込んでうつむき、肩を震わせていた。


「グス…………せっかく異世界に転移したのに、何でこんな事に……グス」


 まだ十六才で、ここでは最年少になる六番ブーメランは、そう言いながら、床にポタポタと涙をこぼす。


 すると、ずっと笑っていた四番チェーンソーが、横で怒っている五番金属バットと、前で泣いている六番ブーメランに向かって、軍人らしからぬ細い指をさす。


「おイ! オマエら! 二人とモ、まだ士官学校を卒業しテいないんだロ! 静かニできないのなラ、オレサマかラ離れロ! ギャハハハ!」


「はあっっっ? テメエこそ、さっきから一人で笑って、気持ち悪いんだよっっっ! それに、もう軍は消滅して、階級なんか関係ねえんだっっっ! 偉そうに指図するなっっっ!」


「ほウ! 前線に出たことモないガキが、ずいぶン生意気な口をきくんだナ! ギャハハハ!」


「テメエは、前線に出ても、何もできなかったんだろっっっ! 黙って一人で反省してろっっっ!」


「グス……二人ともやめてください…………」


 六番ブーメランは、泣きながら二人を止めようとするが、笑っている四番チェーンソーも、怒っている五番金属バットも、さすがに王さまが眠っている屋敷で暴れる訳にはいかず、不毛な言い争いを続けるだけだ。


 ただ、そんなふうに己の感情を抑えることができない三人も、姫の結婚相手としては、まだマシな方だった。


 男たちの中には、姫に対して、不敬な考えを持つ者もいたからだ。


 ヒト族でありながら、ネコ科の獣のような、しなやかな身体をした七番カタナの男は、腕を組んで壁に背中をもたれかけ、誰にも聞こえないように、こっそりとささやく。


「ふふふふ。姫さまは今まで男と付き合ったことがないと言うじゃあないか……そんなウブな心をつかむなんて、簡単だよ…………ふふふふ」


 さらに、その横の長椅子に寝そべっている、彫刻のような完璧な身体を持つ八番ハルバードの男は、それよりももっと酷いことを、心の中でつぶやいていた。


(一応、補足するが、ハルバードとは、ヤリの先端にオノが付いたような形の武器のことだ)


「我の望みは、この世界の歴史に、自分の名前を刻むことだけだ…………姫のことなど、まったく興味はないが、せいぜい利用させてもらおう……」


 その二人が、姫の結婚相手にふさわしくないことは明白だったが、魔王との戦争で混乱するなか、王さまの家来たちは、それに気が付かないまま、ここに連れて来てしまったのだ。


 そして、そんな二人とは真逆に、男たちの中には、姫のことを一途に想っている者もいた。


「こら! そこの二人! 貴様ら、何か良からぬことを考えているだろ! もしも姫さまに無礼なことをしたら、俺が容赦しないからな!」


 仁王立ちになって、そう怒鳴るのは、集められた者たちの中では最年長の二十三才で、最も身体が大きく、分厚い筋肉で覆われた九番ハンマーの男だ。


 加えて、その男の後ろでは、十七才になりながらも、少女のような美しい肌をした十番チャクラムの男が、あこがれの姫のことを考えながら、両手を合わせて目をキラキラさせている。


「ぼくだって、姫さまに何かあったら、容赦しません!」


 そう言う十番の男の胸と背中に浮かんだチャクラムのマークは、姫にはドーナッツと勘違いされたが、実物は輪の形をした刃物で、とても危険な武器だ。


 だが、その二人ににらまれても、しなやかな身体の七番カタナと、彫刻のような身体の八番ハルバードは、平然としている。


「ふふふふ…………きみたちは何か勘違いをしているようだね……このわたしほど、愛に満ち溢れている男は他にいないよ…………八番のきみは分かってくれるだろう? ……ふふふふ」


「……愛という言葉は、人間を利用する時に便利だからな…………そういう意味では、我も、愛に満ち溢れていることになる……」


「ぐぬぬぬ! やっぱり、貴様らは、なにか不埒なことを企んでいるな……今すぐそれを白状させてやる! おい、十番! お前も手を貸せ!」


「はい! ぼくたち二人で、この者たちの本性を暴いてやりましょう!」


「ふふふふ……こんなわたしたちでも、きみたちと同じく、王さまの命令で集められた者だということを忘れてもらっては困るなあ…………何もしていないわたしたちに乱暴なことをしたら、姫さまがどう思うか……ふふふふ」


「……我らも、お前たちも、ここにいる者たちはみな、姫さまのお気持ちひとつで、チリとなる…………せいぜい慎重に行動することだ……」


「うぐぐぐ…………」


「むぅううう…………」


 明らかに怪しい二人に、うかつに手が出せず、歯がみして悔しがる、九番ハンマーと、十番チャクラム。


 ところが、その時、部屋の中で、突然、大きな音が鳴る。


 バン!


「うわっっっっっ!」


 その瞬間、飛び上がる、九人の男たち。


 長椅子に座っていた、鍛えられた身体の一番ヌンチャクが、チリとなって消えたのだ。


 そこから離れた部屋で、立体投影魔法で男たちの様子を見ていた女たちも、その光景に目を丸くする。


「……………………あ、あ、あのう、姫さま……」


「…………ご、ごめんなさい……いま、あの男の顔は、あんまり好みじゃないから、結婚はないなぁ、って思っちゃったの…………」


 姫が照れ笑いしながらそう言うと、ミナヅキはあきれながらも、仕方がないと肩をすくめる。


「……マア…………注射する時は、待たされた方が痛いと言いますから、あの男は恐れる暇もなくチリとなれて、幸運だったと言えるかもしれまセン……」


「きっと、そうね……そういうことにしておきましょう」


「そ、そ、それでいいのですか、姫さま…………」


 こうして一人の男がこの世界から消えた。


 しかし、この後しばらくすれば、ミナヅキが言ったとおり、いま消えたその男が幸運だったことが分かるだろう。


 なぜなら、これから、男たちにとって本当の地獄が始まるからだ…………。




◆ 次回予告 ◆


「え、え、えーと、姫さま…………い、いま何とおっしゃいました?」


「試着よ、試着。やっぱり、結婚相手を決めるなら、その前に試着しなきゃダメでしょう?」


「…………す、す、すみません……な、なぜ、ここで試着という言葉が出てくるのか、よ、よく分からないのですが……」


「ニブいな、サツキ! 姫さまは、結婚相手を選ぶ上で後悔しないために、男たちを試着するとおっしゃっておられるノダ!」


「??? ……ど、ど、どういうことですか、ミナヅキ?」


「マダ分からないのか! 男を試着すると言ったら、そいつのチ〇コを自分の〇〇〇〇に〇〇して、どんな具合か確かめるということに決まっているダロ!」


「えぇ!」


「よく聞きなさい、サツキ。新しい靴なら、たとえそれがオーダーメイドで作られたものでも、完成したものが、ちゃんと身体に合っているか、まずは試着してみるでしょう? だったら、オーダーメイドですらない男という生き物が、ちゃんと自分に合っているか、結婚する前に試着するのは当然じゃない?」


「マッタく、そのとおりです、姫さま! ですが、男を試着するのなら、ちゃんと小さいモノから順にしないといけまセン!」


「あら、ミナヅキ、あなた冴えてるわね。じゃあ、まずあの男たちのチ〇コの長さを測りましょう。もちろん、しっかり〇たせてから!」


「イエ、姫さま! チ〇コは長さを測るだけでは不十分です! やっぱり太さも測らないイト!」


 次回、第二章 『アレの体積を測れ!』 お楽しみに。

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