表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
戦場に咲く赤き青薔薇  作者: 九十九疾風
第2章 白夜学園その②
98/334

第2章 第65話 路地へと

「さてと……依頼書によればこの辺にいるはずなんだが……」


  男はターゲットである少女を探してひとつの街を訪れた。栄えてるでも衰えてるでもなく、ただ1つの平凡として存在しているその街は、ずっと不安定な世界に生きていた男からしたら新鮮だった。


「にしても、なんで俺なんだ……俺以外の殺し屋でも簡単だろ」


  ここに来る最中も男はずっと同じことを考えていた。なぜあの巨漢は俺に依頼したのか、と。なぜなら、あの酒場には男以外の殺し屋もいた。中には世界トップクラスの殺し屋だって。なのに何故自分を選んだのか……それだけが小さな棘となってずっと突き刺さっている。


「まぁ、理由は何であれ、依頼されたからにはきっちりとこなさないとな。まずは普通に観光といくか。居場所を絞るにしては広すぎる」


  男は街を歩き始めた。それはまるで一般人が観光に来たかのようで、一見ターゲットを探している殺し屋には見えない。


「さぁて、まずはどこに行こうか。この街は何が有名なんだ?」


  それがこの男の強さだ。殺し屋としての影の薄さは、変装以上に重宝される。本来は無意識のうちに出てしまうそれを、この男は持っていないのだ。


「いや、普通に聞き込みすればいっか。あ、ちょっとすみません」

「ん?なんだ?」

「人探しをしておりまして……この子なんですけど」


  男は偶然前を歩いていた青年に写真を見せた。どうやって手に入れたか分からないが、少女はしっかりとこちらを見て笑っている。人探しに使うにはもってこいだった。


「あ〜……ん?こいつぁ……」

「知っているのですか?」

「まぁ、な。あそこの路地をずっと奥に行ったとこにいる」

「ありがとうございます。では」


  男は心の中でガッツポーズをしながら言われた通り路地を歩き始めた。その路地は永遠に続いているのではないかと思ってしまうほど暗く、そして静かだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ