第2章 第52話 最後のピース
ダンジョンに食べられてしまうという、思わぬトラブルに巻き込まれてしまったために消耗した私達は、ひとまず生徒会室に戻ることにした。
「ただいま」
「あ、おかえり。ちょうど今追いかけようと思ってたところだったから、行き違いにならなくてよかった〜」
生徒会室に戻ると、心と苺ちゃんが迎えてくれた。
「それにしてもどしたの?もう戻ってこないもんだと思ってたのに」
「ちょっと予想外のトラブルがね……だから、少し回復したいっていうことで戻ってきたの」
「なるほどね……あ、もしかしてダンジョン?」
「え!?心なんでわかるんだよ!」
まぁ、そりゃびっくりするよ。私も最初聞いた時は耳を疑ったもん。いくら魔剣の力とはいえ、そこまで使いこなせるとなるともう……
「あはは。ちょっとした魔法?能力?みたいなやつ。ざっくり言うと、魔力探知だよ。危険になりそうだったら直ぐに駆けつけられるように、ずっと魔力を追ってたわけ。途中で消えた時は焦ったけどね」
「すげぇな…ていうかよ、カールはどうしたんだよ」
あ、そう言えば……なんか色々とあって忘れてた。いや、忘れてたって言うのは違って、考える暇が無かったの。うん、そう。
「カールなら……」
「俺ならここにいるぞ」
給湯室から懐かしい声が聞こえた。どこかに行っちゃったんじゃないかって心配したけど、杞憂だったみたい。
「良かった…これで本当に、クロノア団再臨だね!」
「あぁ。お前が1人で突っ走ってった時はどうなることかと思ったけどな」
「あ、あはは……その節は本当にご迷惑をおかけしました」
「いいよいいよ。その結果こうして平和?に再会できてんだから。むしろ、こっちこそ悪かった。全部莉音に任せちまって」
「お〜、二人とも前にも増していちゃいちゃしてるな。なんかあった?」
「いちゃいちゃしてない!」
「いちゃいちゃしてねぇよ!」
「同時に否定すんなって。夫婦か」
「だから違う!」
「だから違うっつうの!」
なんだか懐かしいな〜このやり取り。私たちが喋ってるといつもカールが茶化しに来るんだよね。それでこんな風に息ぴったりで抗議して……やっぱり楽しいな、この感じ。
「まぁいっか。それより、皆…特に莉音には迷わ…」
「いいよ。気にしてないし。それに、迷惑はお互い様。龍護とシェリーから聞いたよ。私が単独で戦場に向かった時、1番心配してくれてたんだよね。ありがとう、カール」
「あ〜あ。今日こそは…と思ったのによ。やっぱ莉音には敵わねぇや。こっちこそ、ありがとうな」
交わした握手は固く、強く、そして優しい。はたから見たら、私たちクロノア団の関係性は異常だろう。けど、私はこの関係性が心地いいと思うし、とても素晴らしいものだと思う。それに、これが私達の絆だって断言できる。
だから私は、クロノア団が大好きなんだ。




