第2章 第49話 感謝
「どう?治まった?」
「な……なんとか」
これまで感じたことの無い痛みに悶え苦しむこと数分。なんとか話せるようになった時にシェリーがそう聞いてきた。
「第4魔剣の代償が代償だから仕方ないわよ。莉音のことだから覚えてはいたと思うけど、どれほどのものかって正直舐めてたでしょ?」
「うぅ……言い返す言葉も思いつかない」
「第4魔剣に関しては私の方が詳しいのよ?だからこそ忠告するけど、もう二度と使わないで。莉音がもうこれ以上背負い込む必要は無いから」
せ、背負い込む?私、そんな無理してるように見えるのかな?だとしたら悪いことしてるな〜。私としてはそこまで無理じゃないんだよね。むしろ、自分から望んでしてる感じだし。
「あ〜……さっきので寿命が5年くらい縮んだ感覚だよ〜」
「それを莉音が言うと説得力しかないのよね〜」
「そう?そんなところの説得力は求めてないんだけどね」
私とシェリーは顔を見合わせて笑った。こうやってシェリーと2人で話すことがあまり無かったから、少し新鮮な感覚だった。
「そう言えば龍護は?」
10分くらいたった頃、ふと思い出したかのようにシェリーが言った。私は、何も答えられなかった。もちろん、龍護を置いてきたことを隠したかったわけじゃない。分からなかったのだ。龍護が今どうなっているのかが。
「……わかんない」
だから私は、そう答える他なかった。正直、怖かった。シェリーが怒るかもしれないということではなく、それを言ってしまうことによって、私が私で居られなくなる気がしたから。
「そっか……仕方ないわね。待つしかないわ」
「え?」
「な〜にとぼけた顔しちゃってるの?あんたが仲間見捨ててノコノコと帰ってくるはずがないでしょ。だったら莉音一人で帰ってきたのには何かしらの理由があるだろうし……だったら、待つしかないじゃない?」
シェリーはそう言って私に笑いかけた。なんで私は、こんなにも恵まれているのだろう。私の心は、暖かくて柔らかいもので充ちていた。
それが感謝ということを、私はまだ知らないのだけど。
「さぁ、お話の続きをしましょう」
「うん!」
楽しい楽しいささやかな女子会は、まだまだ続きそうです。




