第2章 第38話 ダンジョンとの会話
眩い光が空間を支配していた。その光は暖かくて、少し浴びているだけで心地いい。
「やっと、開いてくれたね」
数百回ものやり合いの末、私は粘り勝ちすることに成功した。触れている壁からはとめどなく光が溢れ、私と龍護を包み込んでいた。
「龍護、もう大丈夫だよ」
「……本当に?」
「本当だよ。ちゃんと服も着てるし」
半信半疑だなぁ。仕方ないといえばそうだけど、さすがにそんなジト目で振り返られたら傷付くな……確かに、万が一を心配するのは当たり前だけど、私がいいって言ってるんだから少しは信用してくれてもいいじゃん。
「さぁて、それでどこまで進んだんだ?」
「一応、話すことは出来ると思う。けと、流石に私もダンジョンと話したことないからどうすればいいのかわかんない」
『おいおい、久しぶりにこじ開けられたと思ったらかわいい嬢ちゃんじゃないか。さすがに驚いたよ』
そんな時、物凄く渋い声、敢えてもう一度言おう。100はとうに超えているであろう渋い声がした。私は、声がする方を向いた。そしてもう一度龍護の方に向き直り、また向いた。
「え?もしかしてあなたが?」
『いかにも。ワシがこのダンジョンじゃ。扉をこじ開けられたもののみ、姿が見えるように仕組んでおいてだな。話すと長くなるんじゃが……』
「いいです!少し急いでいるので!」
『おぉ、そうかそうか。それは悪い事をした。それで、そなたの望みはなんじゃ?』
私が2度見した理由。それは、この以下にもジジィって感じの声の主が小さい子供だったからだ。それも、体格的には私とあまり変わらないくらいの男の子。さすがにさ、それはずるいよ。不意打ちだよ。酷すぎる不意打ちだよ……
「なぁ莉音、さっきから誰と話してるんだ?」
「え?あ、そっか。あのね、今このダンジョンと話してるの。仲間はずれ感があって寂しいかもだけど、ちょっと耐えてて」
『いや、その者も仲間ならここに呼ぶといい。ここになら、正直誰でも来られる』
え?!そうなの!?さすがにそれは初耳だわ……というか、ダンジョンと会話してるこの状況がまずおかしいんだよな〜。ダンジョンは元々話さないし、ましてや人型とか……
「あれ!?なんかさっきと違……って、こいつは?」
『おいこらお主、自分の立場わかって発言しとんのか?ワシが退会させたら二度と戻れなくなるぞ』
「す、すみませんでしたぁぁぁ!!!」
とても新鮮な組み合わせだったけど、このふたりのやり取りも面白いと感じた。なんで龍護って、あんなにコミュ力高いの?不平等だぁぁぁ!




