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戦場に咲く赤き青薔薇  作者: 九十九疾風
第2章 白夜学園その②
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第2章 28話 どこへだって!

  鎌という武器は、本来攻撃には向いていない。なぜなら、刃のついている方向ゆえ攻撃方法が極端に少なく、大振りなため相手に避けられ易いからだ。

  でも、冥断鎌はその限りではない。答えは単純明快。その鎌自体が“生きている”からだ。


「せぁ!!」

「どぉりゃぁぁぁ!!!」


  龍護が攻撃を真っ向から受け止めることで鎌の動きを止める。そして私とシェリーでがら空きの後ろから攻撃する。3対1という利点を活かしつつ最低限の消耗だけで突破を目指す。そんな、戦術だった。


「あめぇよ。いつまでも俺をあの頃の俺と思ってるなら、今すぐ死ね!」

「あ!シェリー止まって!」


  刹那、ほんの一寸先を鎌が掠めて行った。鎌が生きているということは、使い手の意思に反してでも相手を捉え続けるということ。

 そしてもう1つ、私は最も失念しては行けないものを忘れてしまっていた。もし1人で戦っていたなら、この数分後には死んでいた。


「あの鎌、想像以上に面倒……」

「そうねぇ……龍護じゃないと喰らうわけには行かないわね」

「おいこらシェリー!それは聞き捨てならねぇ!俺だって結構辛いんだよ!!」

「あの鎌……様子がおかしい…前はあんな動き出来なかったのに」


  決して見くびっていたわけじゃない。10年という月日の長さは自分が嫌という程わかってるつもりでいた。でも、あそこまでとは思わなかったのだ。生きている限り成長は続く。それは多分、鎌も同じ。


「様子がおかしい?どういうことだよ」

「簡潔に言うと、所有者に使いこなしてもらえなくてイライラしてるってこと。鎌自体で自立できてるけど、契約のせいで自由にできてない感じ。前の君と同じだよ」

「なるほどな。じゃあ……ってマジかよ!?あんなん倒すのか!?」

「多分行ける。私が先陣切るから、援護よろしく」


  このまま数で押し切れる。別に右腕が使えなくたって問題ない。夢幻想造剣さえあれば、左手でも戦える!


「待って!莉音危ない!!」

「え?」


  何?どういうこと?あれ?もしかして私、何か見落としてる?だとしたら何を……

 私は、今までの流れを思い浮かべた。白夜連盟……夢による不意打ち……気づかないうちにかけられた幻覚魔法……そしてそのまま戦闘開始……そうか。そういうことか。


「……ありがとうシェリー。おかげで目が覚めた」

「そう?それなら良かったわ」

「まさか、イーブンとはね。あくまで3人目は鎌だけど」


  私はシェリーのお陰で冷静さをより戻すことが出来た。もしこのまま進んでいたら、どうなっていたのだろう?想像するだけで怖い。


「もう1人は見えてないけど、いるよね。そこに」

「あり?バレちゃたか〜。いい手柄だと思って待ってたのに」

「ごめんね。まだ死ねないからさ。それじゃ、行くよ。今の私は、少し強いよ」


  新たに現れた敵を見据えながら左手の剣を構える。私には仲間がいる。だからもうどこへだって!

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