第2章 第24話 王様ゲーム
「ほう、王様ゲームか!楽しそうだな!よしやろうぜ!」
「ちょっと待って!」
心が持ち出してきたとんでもないゲームに乗っかった龍護に、私は1つだけどうしても納得できないことを言った。
「王様ゲームやるにしても男は龍護だけじゃない!そんな状況で王様ゲームとか、危なすぎるよ!」
「でも、楽しいなら、いい」
「そうよ〜。なかなか出来ないことだし、この機会にやるのもいいわよ」
あれ〜?私以外みんな乗り気だ……おかしいな、少なくとも苺ちゃんだけはこっち側だと思ったのに。
「よし!始めるよ〜!せーの!」
「「王様だーれだ!」」
「あ、私」
一番最初の王様は苺ちゃんだ。私の番号は3番……当たらないで!頼むから!!
「それじゃ、命令。1番と、4番。即興コント」
「んなっ!?」
「え!?いきなり私!?」
いきなり指名されたのは龍護と心だった。なんだろう、言い出しっぺがどうこうって本当にあるんだね。なんだろ、苺ちゃん、グッジョブ。
「え〜……それでは──」
そんな感じで順調な滑り出しを見せた王様ゲームは、数回後、修羅場を迎えた。
「「王様だーれだ!」」
「よっしゃー!やっとだ!」
あ、心が王様になった。うわぁ……嫌な予感。
「それじゃ、2番と4番がキス!」
「「えぇ!?」」
声を上げたのは私と苺ちゃんだった。あ、苺ちゃんなら大丈夫かな?いやいやいや!そういう問題じゃなくて!
「その命令、もし片方でも龍護だったら大変なことになってるよ!?それを承知の上で?」
「うん」
「馬鹿なの?!」
「……ねぇ、莉音」
「な、何?」
悲鳴にも近い抗議をしてたら、苺ちゃんが真剣な眼差しで私の方を見つめていた。
「王様の命令は?」
「うぅ……絶対」
「そういうこと。行くよ」
「えっ、ちょっとま……んっ!?」
急に苺ちゃんが唇を押し付けてきた。だいたい同じくらいの身長だから、キスしやすいといえばしやすいのかな?
なんて考えながらされるがままになっていると、急に唇の間を破って何かが入ってきた。
「んっ……んんっ?!」
「ん……んちゅ……ふふっ…莉音可愛い……ちゅ…」
「ちょ〜っとお二人さんストップストップ!それ以上はダメ!」
「……もうちょっとで莉音を食べちゃえたのに。仕方ないね……莉音、続きはまた今度」
もう無理です……もう私のライフは0です……
それ以降はそういう感じのことは一切起こることなく、楽しいままで進んだ。でも私は、ずっと残っているキスの感覚のせいで平常心でいられなかったのは言うまでもない。
 




