第2章 第23話 動かない右腕
「……奇妙だね」
「どうしたの?急に」
私の一言に心だけが反応した。というか、心以外は感じているみたいだ。今、普通ならありえない状況下にある。
「まぁな。でも、逆に動くとあっちの思うつぼなんじゃね?」
「うん。だから、敢えて動いてない。結界は既に張ったから、そこの心配はしなくても、いい」
「まぁ、あとはカールが目覚めるかどうかよねぇ。流石に長過ぎないかしら?」
そうだな〜……けど、結界があるなら少なくとも安全面は大丈夫か。結構休めたし、そろそろ動きたい感はあるけど、相手が次何をしてくるかわからない以上は今動くのは自殺行為に等しい。いや、言い過ぎかな?
「相手が相手だから、慎重になるに越したことは無いよね。でも、ずっとここに居るだけじゃじり貧に変わりないし……」
「そうだけど、さ。莉音、本当に右腕は大丈夫なのか?さっきから動かせてないだろ?それなら動かせるようになるまで休んだ方がいい」
「うぐ……いつから気づいてたの?少なくとも心と龍護だけは誤魔化せると思ってたのに」
「冗談よせよ。俺は仲間のことに関してはかなり敏感に勘づくぜ?よく知ってるだろ?」
そうだった。龍護って仲間のことになると誰よりも早く異変に気づいたり、危険を察知したり、頭おかしいことになるんだった。あ、褒めてるよ。ちゃんと……うん。
「うぅ……早く治らないかな〜、右腕」
「あと一日は無理。魔力損壊したんだから、それでも早い方」
「うっ……苺ちゃんもお厳しい…でも左手でなら」
「馬鹿か?右側攻められたら終わりだろ。ついでに言うなら、今無理してまた倒れられるより全快状態でずっと戦ってもらった方がこっちとしては助かるんだよ」
もういいよ……わかったよ休めばいいんでしょ休めば!うぅ……もっと戦いたいよ〜…あー!戦場が私を呼んでる気がする!うぁ〜……頑張って今我慢しよう……
「にしても暇だな。なんか暇つぶしになるもんねぇの?あるならみんなでやろうぜ。流石にずっと気を張り続けるのも疲れるしな」
「そうだね〜。何かあったかな……」
そう言って心が部屋を物色し始めた。まぁ、玲奈のことだからそういうアミューズメント的なものはここには持ち込んでないとお……
「あったぞー!!」
「いやぁ〜、流石に生徒会室にあるわけな…って、あるのかい!」
「ナイスツッコミ莉音」
いや、狙ったわけじゃないよ。完全に素だったよ、今……あるのね…なんかもう、うん……もう驚かないよ。何が来ても驚かないから。
「よーし、みんなで王様ゲームしよう!!」
あれ?なんだろ、嫌な予感しかしない……




