第2章 第12話 情報回収
「半分無茶ぶりのつもりだったのに、よく繋げられたね〜」
「ほんとに。莉音すごいね」
なんだろう、さっきので気を使いすぎてものすごい疲れた。まぁそれはそれでいいんだけど、さすがに一つ言いたい。
「ちょっと無茶ぶり過ぎない!?」
「いやいやーソンナコトナイヨー」
「めちゃくちゃ片言じゃん!絶対わざとでしょ!しかも失敗したらシャレにならない呪文だったし!」
なぜだかとぼける心をポカポカ叩きながら抗議する。まぁ、やることとしては間違ってないよ。でもね、何か言ってくれてもよかったんじゃない!?これまで結構無茶ぶり受けてきたけど、ここまで度の過ぎたことは初めてだよ!
「莉音、さすがに悪い事、した。文句は後で聞く…から、今はこっち」
そう言ってぐったりとしている龍護を指さす。忘れかけてたけど、呪文かけて精神操ってるんだった。
「そ、そうだね…それで、どうするの?今は誰が操ってるの?」
「操っているの、私。だから安心していい。変なことはしない。約束する」
「それなら良かったよ」
「え〜、その言い方だと私は嫌みたいに聞こえるんだけど〜?」
良くわからない口調で話しかけてくる人は無視しとこう。無言の肯定ってことにしとこう。どのみち肯定するんだし。
「よし、苺ちゃん始めていいよ」
「わかった」
「え!?私は!?ねぇ〜。私も操りたい〜!」
「さて、とりあえずどうしてここに居るかから話してもらう?」
「うん。私も、そのつもり」
よくわからないテンションでひっつき回ってくる心は放っておいて、私と苺ちゃんは情報回収を始めた。
「あなたは…どうして、ここに?」
「ワタ…しは、ミ…ナザ、キに、タノマ……れて、ココ、にイマシ…た……」
「やっぱりあいつが呼んだのか……なんとなくだけど龍護が呼ばれた理由わかるかも」
「最初に、強敵とやらせて…消耗させて、油断を…誘う?」
「そういうこと。だとしたら、あと3回くらいは連続して強敵と当たりそうだな〜。まぁ、心がちゃんとしてくれたら楽なんだけどね。ねぇ〜?」
「え!?な、ナンノコトカナワタシニハサッパリワカラナオヨー」
もうダメだ。この子完全に狂ってるわ。放置しよう。うん、もうこりゃどうしようもない。どんだけ虫が怖かったのよ。
「次の質問。皆崎の目的は?」
「シラ…なイ。タダ、リオ…んをコロせ……って、イワレた…」
なるほどね。つまり、殺せと命令されて、何らかの脅しが入ったのかな?だからこそ暴走してまで私を倒そうとした。だとしたら皆崎は本当にクズ野郎だな。
「それよりも、目的は私なんだね」
「そう、みたい。多分、あの時のこと、根に持たれてる?」
「わかんないけど、多分ね。あの人見た目からして、とても軽いことでもすぐ被害妄想広げて逆恨みしそうだもん」
「言い過ぎ……でも間違ってない」
「でしょ?」
これ以上有力な情報は得られそうになさそうだな。そろそろ呪文解こう。さすがに可愛そう。
「もういい?解くよ」
「うん。ありがとう」
苺ちゃんが龍護の額に触れると、まるで人形のようにばたりと倒れた。精神操作を喰らった人は、基本的に数日は目を覚まさない。あわよくば戦力に……なんて甘い考えは実現できなかったな〜。
「よし、あとは心をどうするかだね……ってあれ?心は?」
「多分、羞恥心で死にかけてる……心、呪文連結すると、あんな感じ。酔っ払いみたいに、なる」
「へ、へぇ……覚えておくよ……」
冷蔵庫の陰に隠れていた心を引っ張り出してきて、話し合いを再開することにした。そして、数十分の後、再び心がとんでもないことを言い始めた。
「めんどくさいから学園ごとやっちゃわない?」




